けっこういい加減になぐり書き!

主に1日の〈聴いた・読んだ・こんな事あった!〉を備忘録代わりに書いています。

「のぼうの城」 和田竜

2010-11-23 | 本と雑誌

昨日、久しぶりに降った雨も止み、今日「勤労感謝の日」は晴れ間が戻って来ました
ただ、風が冷たいです・・・



先日やっと、10月に勢いにまかせてまとめ買いした文庫本の残り、


「のぼうの城」 上・下巻  和田竜 著 小学館文庫



Photo_2を、やっと読了しました
これも書店の特設コーナーに“お薦め”の一冊として置かれていた小説で、その内容が、私が好きな時代(歴史)小説だったのもあり、文庫本としても安かったのもあって、モノは試しと購入したものです。
正直、大して期待はしていませんでした。



以下は、文庫本の裏表紙に書かれてあるあらすじ・紹介文です。

戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。従来の武将とは異なる新しい英傑象を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説!


感想ですが、期待していなかったものの、これがけっこう面白く読めました

時代(歴史)小説好きな私、昔から司馬遼太郎をはじめとして、山岡荘八、海音寺潮五郎etc・・・と、数多くの作家の小説を読んできたわけですが、その作家の小説群が重厚(という表現が正しいかどうかはあれですけど)「硬派」な文体で読み応えあるのに対し、この「のぼうの城」は、重厚さは無く気軽に、それでいて楽しんで読める時代小説で、その意味でけっこう新鮮でした。

歴史上「石田三成の水攻め」として有名な、忍城攻防戦に焦点を当てて書かれていますが、それを迎え撃った主人公の忍城城代・成田長親の活躍(と言っていいのか?)を描いた小説です。
そして、その成田長親という武将が、いやぁ、面白い。
戦国武将の典型的なタイプである、自ら戦場を駆けて大活躍するタイプでもなく、また知略を働かせるタイプでもなく、武略は何も出来ない、言ってしまえば人の好さそうな、だたの凡人。
まぁ、小説ゆえに、実際に成田長親がこのような人物であったのかどうかはわかりませんが・・・。
そんな成田長親が、約二万人の石田三成率いる軍勢と戦い、水攻めを受けたにも関わらず忍城を護りきったというのですから、それだけでも痛快な話です。そして、他に登場する、成田長親を取り巻く人物(正木丹波守、柴崎和泉守、酒巻靭負、甲斐姫など)も、それぞれに個性があって実に魅力的で、いきいき描かれています


上・下巻、そう長くもないので約2日で読み終えました。読み始めたら止まらなかったです。
この小説、時代小説が苦手な人でも、ほとんど違和感なく読めると思うし、けっこうハマるのではないかと思います。
本屋大賞二位というのも、この内容なら納得です


この「のぼうの城」、映画化されて来年公開されるとか
小説の映画化には、ガッカリする事が多いため、ほとんど関心がない私ですが、この小説の映画化には、ちょっとばかり興味があり観てみたい気がします。
キャストも、まぁ納得いきます。

(強いて言えば、石田三成役が上地雄輔ってのが、ちょっと・・・)

                                                      
                                                        

けっこう満足した小説でした



 

コメント
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