Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「中原の虹(第一巻)」浅田次郎著(講談社)

2008-11-22 | 日本の作家
「中原の虹(第一巻)」浅田次郎著(講談社)を読みました。
「汝、満州の覇者となれ」と予言を受けた貧しき青年、張作霖(チャンヅオリン)。
彼はのちに若くして満州馬賊の長となります。隠された王者の証「龍玉」のゆくえ、栄華を誇った王朝に迫る落日、雄大な中国を舞台にした歴史小説。
「蒼穹の昴」に連なる物語だそうです。

「蒼穹の昴」は未読なのですが、十分楽しめました。
張作霖ってなにした人だったっけ?と歴史の授業の記憶があいまいなおかげで先が読めず面白いです。
東三省(のちの満州)の総督・徐世昌(シュシイチャン)に向かって弾丸を並べて仕事の報酬を交渉する場面、かっこいい。
そして荒くれ男の馬賊たちにも掟と仁義があり、哀しい過去がある。
馬占山が妻賛賛とのなれそめから別れ、さらに再会する場面・・・本当に涙なしには語れません。
後半では春雷の弟春雲も登場。宦官として西太后の大総管太監を務めているのですが、このふたりがこれからどのように再会するのか?ハッピーな再会ではなさそうな予感がしますが。
隠遁した清皇帝に龍玉を探すことを託された袁世凱はどう動くのか。
そして第二次世界大戦の気配が近づく・・・。
気になることがいっぱいのまま第二巻につづきます。



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