Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

台風14号が高千穂鉄道にもたらしたモノ。

2005-09-08 00:22:22 | 鉄道(地方・専用線など)
昨日、九州から西日本を横断して日本海へ抜けていった台風14号。
当然、台風が来ると公共交通機関へ影響が及び、列車や飛行機は運休する。
そんな中、今回の台風で致命傷になりかねないダメージを受けた鉄道がある。
よりによって、ここかというのが最初に受けた印象だった。

「鉄橋2カ所で全壊 高千穂鉄道、台風14号の風雨で」(産経新聞、9/7)

要旨は次のとおり。
・川水流・上崎間の鉄橋が長さ約200メートル、槙峰―亀ケ崎間の鉄橋が約120メートルにわたって崩壊し、橋桁だけが残っているという。
・高千穂鉄道は台風14号の接近を受けて5日から運休していたが、復旧のメドは立っていない。

川水流・上崎間には二カ所橋梁があるが、崩壊した距離から見て第一五ヶ瀬川橋梁(長さ239m)ではないかと思われる。槙峰・亀ケ崎間には三カ所橋梁があるが、どの橋梁が崩壊したかまではわからない。
確かなのは路線が二カ所で分断され、復旧のメドが立っていないという事実だけだ。

そして、今回の被害が「高千穂鉄道検討委員会」に暗い影を落とさなければ良いがと思わずにはいられない。
というのも、今回のような自然災害がローカル線に止めを指した事例は多いためで、例えば、地震による大被害が廃止の引き金になった南部鉄道(1969廃止、以下同じ)、集中豪雨で路線が分断されて廃止に至った鹿児島交通(1984)、台風による土砂崩れで不通となりそのまま廃止となった松本電気鉄道新島々・島々間(1985)、と挙げていけばキリがない。

まして今回は路線の存廃が俎上に上がっている。
その矢先にもたらされた大被害。
これが存続にとって好材料という人はいないだろう。
場合によっては「高千穂鉄道検討委員会」で論議する筈だった経営改善策の検討という段階を一気に飛び越えて、路線廃止へ突き進む可能性も出てくるのではないかという感触を持っている。

流出した橋梁二カ所の復旧費に見合う乗客増、収入増は見込めない。
そう考えると、今回の被害は高千穂鉄道の命運を決める可能性は否定できない。
今後の続報を待つしかないが、自分の中にあった楽観論は一気に吹き飛んでしまった。
そう、台風と共に。

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