森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:肯定的思考

2010年09月01日 06時45分14秒 | 日記
昨日は,1~4年生合同の症例発表会で,25のグループに,それぞれ各学年3名ほど配置され,
4年生が症例報告をし,その内容を丁寧に下級生向けに丁寧に解説する時間であった.
1年生からみれば,4年生もとってもかしこい,兄貴分,姉貴分に見えるのだろう.
見えない学習,教育効果はこういうものです.
自分ひとりで成長したわけでもないし,自分ひとりが成長させたわけでもない.
4年生の脳のなかには,自分の体で経験した,かけがえのない記憶があり,
そして,その記憶と現在進行形の感覚とを頼りに,さらに成長している.

いずれにしても,教員ー学生というつながりでなく,
学生ー学生というつながりの効果をいかさないといけないのが,今の時代だと思う.


学生と話すのは楽しい,それを実感させていただきました.
入る前は,この間に何文字かけるか,なんて否定的にとらえる自分もいましたが,
人間は元来人と話すことを楽しむし,それを潜在的に期待しているのです.
それに自らでブレーキをかけてしまうと,かけがえのない前頭前野が委縮してしまうかもしれません.
内側と背外側前頭前野はお互いに抑制関係にあります.
仕事優先,勉強優先し,背外側ばかりを使いすぎると,
自らの感情を制御する内側前頭前野を抑圧してしまい,それが委縮してしまうと,
些細な刺激に対して,対応できなく,抑うつ現象が生まれるのかもしれません.

親の教育にもこれは言えます.
人とのつながりを希薄にしてでも,勉強を優先してしまうと,
強い内側前頭前野をつくれないのかもしれません.
心の痛みが続くと,そうなってしまいます.


昨日は,とはいっても今日の朝2時に痛みに関連する原稿の1章分が完成し,
送信しました.
残り,3章分を3ヶ月で終了させます.
その間,様々な原稿,申請,研究,もちろん,院生や学部生の研究もこれからが追い込みなので,その仕事も・・・もちろん後期の授業も.

なんだかんだ後期に入ります.
それでも,私は自分らしさが存在しています.
それがなくなりつつあった時期を振り返ると幸せです.
幸福とは自らに対して,肯定的にとらえないと生まれません.
それでも自分は生きている(生かされている).
それで十分といえるかもしれません.
しかし,人間はときに否定的に解釈します.
そうすれば,神経細胞は死滅し,シナプスはより刈り込まれ,
最終的には構造自体も委縮させてしまいます.
こういったデータは数多く出ています.
80歳でも生き生きと,とは,沖縄の海人(サブローおじい)をみればよくわかります.

さて,これから,今週締め切りのニューロリハビリテーションセミナーの資料づくり.
またみんなと協力し,延べ150ページの資料が完成すると思います.

さらには,少し遅れている四国学会の抄録を作成し,大学に向かいます.
引っ越して,家に書斎があるのは,うれしい.
音楽,文献,ベース,ワイン,そしてミュシャの絵しかないが・・・