森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

曖昧な社会における曖昧な人間関係

2013年06月05日 20時51分15秒 | 日記
昨日,今日と午前中が時差でぼっとしながらも,発達,神経などの授業を行ったり,会議に出たりしています.授業はみんな楽しそうに聴いてくれます.今日はいささか脱線しすぎました.

さてさて,昨日は16時半を14時半と間違えたりして,会議に1~2分遅れる失態をしてしまいました(電話がかかってきました).そんな時,「申し訳ありません」「まだ時差で14時半と思ってまして~~」といいわけじみて嫌みなく微笑みながら謝ると,役職のみなさん(私もそうですが..)が,笑って微笑んでくれるわけです.ここに今まで本学で10年築いてきた信頼関係を確認するわけです.すなわち,ボーダーのない「間主観性」の意識の関係です.僕は,事務とか教員とかなんだとかボーダーのないその関係が心地良く,そこに秩序の中の自由を感じます.どうでもよいことに目くじらたてない関係です.これこそ余裕のもった大人の関係性だと思うのです.もちろん秩序のレベルはあります.

こういうことを教えることが教育だと僕は思っています.その曖昧性を自己と他者が共存しながら補うこと,それこそが人間関係を構築しあう意味性を理解するもっとも大切な教材ではないでしょうか.実習指導者と学生の関係もその曖昧性の中に成り立っています.医療は曖昧な科学です.だから完全な正解はありません.何をもってお効果とするのか,視点が変われば大いに異なるからです(ある目線からのアウトカムというのは紋切り型視点です).

指導者側も悩み,迷い,そのような態度を学生に見せて,実は曖昧なんだと,それこそが科学する意味なんだと,その経験を共有させること,これこそ現場教育の醍醐味なのではないでしょうか.むろん,教員‐指導者の関係もその曖昧性から成り立っています.そこには階層性はないのです.

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