鼎談・こころの好縁会平成丙申廿八年皐月廿九日
今年も、鼎談を聞きに行ってきました。
共催は中日新聞社と大興寺さんで、今回は、高野山真言宗 前管長松長有慶(ゆうけい)師・芥川賞作家、福聚(じゅ)寺住職の玄(げん)侑(ゆう)宗久先生・中日新聞社社長の小出宣(のぶ)昭(あき)氏であった。
前回(では、「グローバリゼション」という語は1990年から使われだした。今問題になっている「イスラム国」はグローバル化の鬼子。「唯一の被爆国として永世中立国をめざしては」と提案された。
松長師は、ダボス会議に出席され、宗教なしでは進まないことを実感したそうだ。日本人は「共生」
という命をつなぐ考えがあり、「山川草木悉有仏性」と言って、動植物が人間のために存在するのではない。一人称単数文化を否定する。
玄侑先生は、日本人は、イスラム国を知らな過ぎる。イスラム教徒は15億人にもなる。
鶴と亀の生き方について、両者とも長生きのセットでしょう。鶴は千年、亀は万年だからその差9千
年は鷺(さぎ)にあったことになり、若い燕(つばめ)は何もいえません。一緒に住めないだろう。
鶴亀の和合の精神を大事にしてきた日本は「別の考え方を提示できないか」と言ってみえた。
今は、イスラムという完成された国に「空爆」を9000回も誤爆してきた。
小出氏は、去年謝罪ということで「パール・ハーバー」へ行って来られた。そこで米軍の退役軍人の集まりに入って、謝罪を試みたそうだ。だが、「戦争の謝罪は神に対してするべきだ」と拒否されたという。広島を訪問したオバマ大統領が、「広島と長崎は(人類にとって)道徳的な目覚めの始まりとして知られるだろう」と述べたのは良かったと評価。「グローバルに考え、人類全体でこれは進めよう、という考え方が大事だ」と述べた。
ISによるテロは ドイツでは起こらない。なぜかというと第一次世界大戦を調べてみると、第一次大戦は、1914年英・仏・ロシアの協商国とドイツ・オ―ストリア・オスマントルコ同盟国の戦いであった。18年ドイツが降伏。 シリアは1920年仏の委任統治下の独立国となり、イラクは第一次大戦後、英の委任統治領となって、1932年に完全に独立。現在の難民たちは英仏の委任統治下の想像するに嫌な思いがあるのであろう。<要調査>
松長、玄侑氏と会場の約400人はびっくりなお話しに、「ビスマルクの賢者は歴史に学ぶ」という独壇場の感でした。
そんな訳で、 一神教に対して日本の八百の神による環境問題の話になりませんでしたが、「寛容による他者との共生」をテーマに、次回の鼎談を期待したい。
追伸: イスラム教徒の黒人を父に、カンザス州出身の白人を母に生まれ、アジアで育ったオバマ大統領。これだけ多様な民族、文化、歴史を、一身に体現した大統領はアメリカ史上例がない。
上院議員になってオバマは『3カ国にルーツがあり、2カ国で育ち、3つの異なる宗教の学校に通ったことは、さまざまな集団の人々にとっての大切なことを理解する上で、もっとも有効な経験であった』といっている。 名前もバラック・フセイン・オバマとなっているから、イスラム教の子孫である。
お読み下され、感謝致します。