宇宙への秘密の鍵 平成戊子年水無月二十八日
車椅子の物理学者ホーキング博士が娘さんのルーシーさんと子供たちにも分かる宇宙の童話を書いてくれた。
生命について、地球、火星へと頭を巡らせていたところ、S君から「宇宙への秘密の鍵」George’s secret key to the universe by Stephen Hawkingスティ―ブン・ホーキング& Lucy Hawkingルーシー・ホーキング(岩崎書店) が出たよと薦めてくれた。
主人公ジョージとともに宇宙へ飛び出し、惑星へ降り立つというワクワクした物語であった。
何といっても、となりの家のエリックのもつコンピュ―ター「コスモス」の凄さである。1ナノセカンド(10億分の1秒)の間に10億もの数計算をすることが出来、数秒で惑星や彗星や星雲の中の星の寿命を計算出来るのである。それだけではない。部屋全体が宇宙船となっていて「コスモス」が大気圏外を見る窓や出入りできる戸口を立ち上げる。そして、主人公ジョージとアニーという女の子は、星の誕生や死を見、戸口から外へ出て、彗星へと降り立つわけである。勿論宇宙服はいる。戸口の外は別世界である。
何十万個の星がある天の川、恒星(エタ・カリ―ナ)らせん星雲、土星、木星、アンドロメダなどの写真が挿入され、宇宙が身近に迫ってくるみたいな感じがした。しかし、アンドロメダ銀河の光が地球へ到達するまでに250万年かかるとか、エタ・カリ―ナの距離が地球から8000光年とか書いてあると、気が遠くなってしまう。今地球上で見ている光が、空のかなたでは何年も前に光って消滅しているわけだから、不思議な感じがする。
今年5月22日英国科学誌ネイチャーに、米プリンストン大など米英の研究チームが、太陽の約8倍以上の重さの星が寿命を迎えて爆発する超新星爆発の瞬間を世界で初めてリアルタイムでとらえたと、発表した。(SN2008D)
ホーキング博士のこの本によると、ブラックホールが出来る一つの道は、燃料を燃やし尽くしてしまった星が超新星爆発と呼ばれる巨大水素爆弾のような爆発を起こすことです。爆発によって星の外側の層はガスに乗って大きく広がり、星の中心部は内側に向かって押されます。その星に太陽の大きさの数倍以上の大きさがあれば、ブラックホールが出来ます。ブラックホールは光がそこから抜け出そうとしても引き戻されてしまうくらい重力の強い暗黒の領域です。と説明している。
でも、この本でブラックホールに落ちても脱出は可能だとして、落ちてしまったエリックというアニ―の父親は生還する。物語はまだまだ続きます。
ここでホーキング博士は「科学者の誓い」を唱えさせている。
「わたしは科学の知識を人類のために使うことを誓います。私は正しい知識を得ようとする時に、だれにも危害をくわえないことを約束します・・
わたしは、まわりにある不思議なことについての知識を深めようとする時、勇気を持ち、注意をはらいます。わたしは、科学の知識を自分個人の利益のために使ったり、このすばらしい惑星を破壊しようとする者にあたえたりすることはしません。もしこの誓いを破った時は、宇宙の美と驚異がわたしから永久にかくされてしまいますように」
この地球が置かれた状態を心配する人たちの数は増えている。この本を読み進めれば進むほど、地球は何とかけがえのない存在なのだという、いとおしいような気持になる。
科学者の集いで「地球での暮らしをもっと良くする方法を見出す努力をするべきなのか? それとも、人類が暮らしていける別の新惑星を見つける努力をすべきなのか?」を議論していたが、ジョージは「両方できませんか?」と。
太陽系外惑星の発見はホーキンス博士たちの願いでもある。
今年2月27日 神戸大の向井正教授とパトリック・リカフィカ研究員が、太陽系の惑星で最も外側を周回する海王星より、はるかに遠く、大きな軌道を回る惑星級の新天体の存在が推定されるとの理論的な研究結果を発表した。
格下げされた冥王星に代わって、第9惑星が復活するかもしれない。
この本はとても興味深く、面白く読めた。
皆様も読まれることをお薦めします。第2巻も出るというから、ジョージ君の成長が楽しみでもある。
先日、NHKの番組で、宇宙から見た地球を見て、俳人の黛まどか女史は
『 その中のしたたる星として現(あ)るる 』
と詠った。
お読み下され、感謝致します。
車椅子の物理学者ホーキング博士が娘さんのルーシーさんと子供たちにも分かる宇宙の童話を書いてくれた。
生命について、地球、火星へと頭を巡らせていたところ、S君から「宇宙への秘密の鍵」George’s secret key to the universe by Stephen Hawkingスティ―ブン・ホーキング& Lucy Hawkingルーシー・ホーキング(岩崎書店) が出たよと薦めてくれた。
主人公ジョージとともに宇宙へ飛び出し、惑星へ降り立つというワクワクした物語であった。
何といっても、となりの家のエリックのもつコンピュ―ター「コスモス」の凄さである。1ナノセカンド(10億分の1秒)の間に10億もの数計算をすることが出来、数秒で惑星や彗星や星雲の中の星の寿命を計算出来るのである。それだけではない。部屋全体が宇宙船となっていて「コスモス」が大気圏外を見る窓や出入りできる戸口を立ち上げる。そして、主人公ジョージとアニーという女の子は、星の誕生や死を見、戸口から外へ出て、彗星へと降り立つわけである。勿論宇宙服はいる。戸口の外は別世界である。
何十万個の星がある天の川、恒星(エタ・カリ―ナ)らせん星雲、土星、木星、アンドロメダなどの写真が挿入され、宇宙が身近に迫ってくるみたいな感じがした。しかし、アンドロメダ銀河の光が地球へ到達するまでに250万年かかるとか、エタ・カリ―ナの距離が地球から8000光年とか書いてあると、気が遠くなってしまう。今地球上で見ている光が、空のかなたでは何年も前に光って消滅しているわけだから、不思議な感じがする。
今年5月22日英国科学誌ネイチャーに、米プリンストン大など米英の研究チームが、太陽の約8倍以上の重さの星が寿命を迎えて爆発する超新星爆発の瞬間を世界で初めてリアルタイムでとらえたと、発表した。(SN2008D)
ホーキング博士のこの本によると、ブラックホールが出来る一つの道は、燃料を燃やし尽くしてしまった星が超新星爆発と呼ばれる巨大水素爆弾のような爆発を起こすことです。爆発によって星の外側の層はガスに乗って大きく広がり、星の中心部は内側に向かって押されます。その星に太陽の大きさの数倍以上の大きさがあれば、ブラックホールが出来ます。ブラックホールは光がそこから抜け出そうとしても引き戻されてしまうくらい重力の強い暗黒の領域です。と説明している。
でも、この本でブラックホールに落ちても脱出は可能だとして、落ちてしまったエリックというアニ―の父親は生還する。物語はまだまだ続きます。
ここでホーキング博士は「科学者の誓い」を唱えさせている。
「わたしは科学の知識を人類のために使うことを誓います。私は正しい知識を得ようとする時に、だれにも危害をくわえないことを約束します・・
わたしは、まわりにある不思議なことについての知識を深めようとする時、勇気を持ち、注意をはらいます。わたしは、科学の知識を自分個人の利益のために使ったり、このすばらしい惑星を破壊しようとする者にあたえたりすることはしません。もしこの誓いを破った時は、宇宙の美と驚異がわたしから永久にかくされてしまいますように」
この地球が置かれた状態を心配する人たちの数は増えている。この本を読み進めれば進むほど、地球は何とかけがえのない存在なのだという、いとおしいような気持になる。
科学者の集いで「地球での暮らしをもっと良くする方法を見出す努力をするべきなのか? それとも、人類が暮らしていける別の新惑星を見つける努力をすべきなのか?」を議論していたが、ジョージは「両方できませんか?」と。
太陽系外惑星の発見はホーキンス博士たちの願いでもある。
今年2月27日 神戸大の向井正教授とパトリック・リカフィカ研究員が、太陽系の惑星で最も外側を周回する海王星より、はるかに遠く、大きな軌道を回る惑星級の新天体の存在が推定されるとの理論的な研究結果を発表した。
格下げされた冥王星に代わって、第9惑星が復活するかもしれない。
この本はとても興味深く、面白く読めた。
皆様も読まれることをお薦めします。第2巻も出るというから、ジョージ君の成長が楽しみでもある。
先日、NHKの番組で、宇宙から見た地球を見て、俳人の黛まどか女史は
『 その中のしたたる星として現(あ)るる 』
と詠った。
お読み下され、感謝致します。