Tea Serving dolls茶運び人形 平成癸巳廿五年水無月廿五日
It is one of mechanical puppets. (座敷カラクリZashiki Karakuriの一つ)
The puppet moves with “baleen”: a hair-spring of a whale.
First of all, As the weight of a teacup makes the boy puppet move, he goes to a guest holding a tea tray.
The guest picks up a teacup.
He stops moving in front of the guest.
And then the guest drinks a tea and returns back a teacup to a tea try.
The boy puppet goes round clockwise(right-about-face) and gets back with a tea tray.
これらの人形はバリーン、クジラの髭で動きます。
まず始めに、お茶椀の重さが、人形をうごかしますので、お茶碗を載せたお盆を持って、お客のところに行きます。お客がお茶碗を取りますと人形は止まります。 そしてお客はお茶を飲み、お盆にお茶碗を戻します。人形は時計廻り(右回り)に廻り、お盆を持って戻っていきます。
ロボットの原点なんですが、9代目玉屋庄兵衛氏は、面白くて考えさせられることを語っている。
『からくり人形は、胴体のほとんどが木で出来ています。動きは糸などで制御します。動力はぜんまいや石などの重りです。使われる木は1種類ではなく、部位に応じて複数の木材を使い分ける。茶運び人形の場合、顔には細工もしやすく脂や変色も起こさない檜を用いる。胴は桜。歯車には堅さのある花梨。軸心には赤樫の木。調速機と呼ばれるスピードを調整する部分には、柘植、黒檀、竹を使います。動輪は黄楊の木。雁木車(がんぎくるま・長い歯を持つ歯車で原動力部と連動し、間欠的な往復運動などをつくりだす)には黒檀を使う。7種類も用途に合わせて選ぶ。そうして選び抜かれた素材で使われた人形は200年経っても動きます。特に檜は「樹齢200年の木を使えば、200年持つ」といわれるほど良い木で、顔は人形にとって大事な場所ですから、檜を使う。
木には『精』があります。やはり200年も経つと、その精が抜けて木が疲れてしまう。
そこで、修復となるわけですが、この時には、材料も仕組みもすべて元と同じようにしなくてはいけないのです。顔が檜なら檜で、歯車が6枚だったらそのまま6枚で修復するんです。衣装も同じ素材で、同じ文様にしなければいけない。自分の好きな顔に仕上げてしまってもいけない。その意味で修復は難しい。その町内が200年近く守(もり)してきた人形を修理に出して顔が変わったり、動作が変わったりしたらだめなんですよ。』Netより
法隆寺宮大工西岡常一の弟子小川三夫氏の話に、『木は生育の方位のままに使へ』というのがあります。山の南側の木は細いが強い、北側の木は太いけれども柔らかい、
陰で育った木は弱いといふやうに、生育の場所によって木にも性質があります。
山で木を見ながら、これはこういう木やからあそこに使おう、これは右に捻れているから左捻れのあの木と組合はせたらいい といふようなことを山で見分けます。これは棟梁の大事な仕事です。
法隆寺は1300年前に建てられた世界最古の木造建築です。法隆寺のヒノキは1300年も使っています。
「木は方位のままに使え」という言葉は、同じ檜でも育った場所で違ってくるということでしょう。
ましてや人形の材質ともなると大変なことだ。
お読み下され、感謝致します。