隻手の声(佐藤節夫)The voice of one hand clapping.

世の中の片手の声をココロで聴こう。

最後のラブレターThe last love letter

2006-10-27 08:13:26 | Weblog

最後のラブレターThe last love letter 平成丙戌年神無月二十七日

 青っち」さんより頂きました『最後のラブレター』を英訳してみました。校正中ですがよろしくお願いします。本文は「青っち」さんをクリックしてください。

Mr. Sornton’s letter (a revised edition11/3)                                October 26. 2006

I wonder why I’m writing this letter. I don’t want you to read this letter definitely. Because I might not be living when you read this letter. You taught me what love was and how we felt when we loved each other. You taught me how we should live and what we should be for real happiness. I think God made us meet on this ground. I had put your photograph on the head of my bed. Every night I touched your face with my fingers I kissed. I fell asleep being watched by you. In turn I will watch you sleeping in peace in your dreams. Please close your eyes tenderly whenever you feel lonely. I’ll stand by you. I loved you body and soul. You were my destiny.

Eternal love to you.

 Lee.

兵士から婚約者へ

A young British soldier was killed by bullets in Iraq. Before he went to the field, he had left a letter to his fiancé. He wanted her to open and read it if he died. The letter was released by his fiancé and moved us deeply and quietly. He was Mr. Lee Sornton from Blackpool city in the country of Lancashire of England. He belonged to the 12th Artillery at the south of Iraq. On 15 September, he wanted to patrol the near town. So he was shot and died at the German hospital 2days later. He was 22 years old. Mr. Sornton got engaged to Ms. Hellen Oprey who was studying at the university to be a teacher. When he came back from Iraq, he was going to get married in 2008.

After he died, Ms. Oprey read the letter and grieved saying “ My mind is beyond expression. He was kind and generous. And he had all things I expected for men.”. In the game of Blackpool’s soccer team, soccer players and fans offered silent prayers for a minute, mourning him who loved soccer very much.

The Iraq war began in March of 2003 and 119 British soldiers have been killed since then. The British Army in Iraq is becoming weary of the war.         (From Asahi news paper10/24)

PS. S.Sato translated this letter on Mr. Deepal, Mr. Matsuhashi, Mr.Ishida, Mr. Mishima, Ms.Ida, Ms.Takahashi, and Ms.Joanna’s advices.

Thank you for reading.


正倉院Shoso-in Treasures(1)

2006-10-26 06:18:19 | Weblog
正倉院Shoso-in Treasures(1)           平成丙戌年神無月二十六日

秋といえば、修学旅行である。 ここ岐阜の小学校では「お伊勢参り」か「京都・奈良巡り」が普通である。 私は大仏や金閣寺を見て回ったのを記憶している。 先日何気なく書評を見ていたら、「正倉院の謎」由水常雄(中公文庫)という本が載っていたので、取り寄せて読んだ。
今年はちょうど10月24日~11月10日第58回正倉院展が開かれている。それに雅子さまが久々の地方公務として、奈良国立博物館を訪問されるという。
 正倉院は九年前、それこそ修学旅行以来だと思うが、校倉造りの宝庫を見て、そして第49回の正倉院展を見てきた。 そして、宝物の精緻なすばらしさに感動した。 それに、八世紀というから、約1200年も前の製作で、シルクロードを経由して集められたと聞いているから、よけいに、目を凝らして見てきたのを覚えている。 その時はFragrant Wood for Incense有名な黄熟香”Ojukuko”の「蘭奢待」(らんじゃたい)に関心があって見てきたわけであった。当時は開館前から長蛇の列であった。
 「蘭奢待」とは沈香’Jinkou’の一種で全体が緻密というわけでないが、熱帯アジア産の樹木の幹に樹脂の精油が付き、独特の香りを発しているという。ガラスケースの中だから、何とも香りが匂えない。運んだ人は名誉なことだろう。何せ国の宝なんだから。
 中国から輸入されたものとみられ、もとは東大寺に伝わったものという。
しかし、当時驚いたことに、その「蘭奢待」を截り取って、香道に使ったという付箋がその箇所に貼り付けてあった。 足利義政、織田信長、明治天皇であった。 何という権力者か?という気持ちがしたのを覚えている。
 由水氏はそこの経緯を『正倉院の謎』で、綿密に調査し、報告している。
それによると、室町幕府が開かれても、各地の群雄との間で権力闘争が続けられ、三代足利義満の時代になって全国制覇をなしとげた。彼は朝鮮や中国との国交を回復し、貿易を再開し、中国・朝鮮文化の導入を図り、「玉をしき金をのべた」豪華きわまりのない金閣を建立し、北山文化を興隆させた。 そこで、1385年8月晦日義満は正倉院を開封させ、宝物を見たという。そのことを三代将軍に仕えた「満済の日記」より調べ上げている。義政もまた、開封して截ったことが、「東大寺三倉開封勘例」に書き留められ、その本体にも付箋が付けられている。 このことで、黄熟香は香道最高の神品として天下に知られるようになり、この香を持つものこそ天下の権を執るものという奇妙な通念が出来た。 正倉院の開封と宝物の御覧が権力制覇の象徴であったものが、「名香蘭奢待」(江戸時代に名称)を截り取ることが、権力制覇の象徴とされることになった。 しかし、幸か不幸か応仁の乱が起こり、眠りに入った。 ところが、織田信長の登場である。1573年室町幕府が滅び、翌年信長は二片截リ取らせ、紅沈香も截リ取らせたとされる。 そのうち一片は記録どおり正親町天皇へ献上、その一部は人を経て、泉涌寺に寄進されたという。 信長は相国寺での茶会の時、宗及と千利休に与え、又その小片は側近の村井貞勝に与えたという。
 では、豊臣秀吉はというと、開封の記録は無いし、付箋が付けられてない。著者は1589年北野大茶会を開いているし、蘭奢待の截り口は多くの截リ跡を残しているから、截り取ったであろうと推測している。利休に国宝の妙喜庵・待庵(日本最古の茶室)Taianまで造らせてもいる。
 家康の場合はどうか。 関が原決戦の大勝の翌年1602年に開封。 記録には五回開封とされるが、截ってない。 何か昨今の文部科学省の「いじめによる自殺報告の‘0’」と似ている気もします。
 最後は、明治天皇と大正天皇である。 歴代天皇の中で、在位中に、これまで正倉院に行幸されて、宝物を御覧になった天皇は一人もなかった。 この二人の天皇だけが開封させ、明治天皇は2度(明10、12年)に渡って截リ取らせたという。
 「試みに香を焚いてみよう。」という程度だったことが、立ち会った中村雅真氏が述べているという。
「大政奉還」つづいて「大政復古の大号令」によって天皇の政治に戻ったということから、やはり明治天皇は(義満)、義政、信長、(家康)が行ったと同じように、「蘭奢待」を截らせたわけである。
 新・平家物語。保元の乱後の僧「文覚」は麻鳥の「戦はやむでしょうか。」の問いに「止むまい。戦は止まぬ方がよいのだ。人間と人間が今のような欲と猜疑心を捨てぬ限りは。子が父を疑い、父が子を疑う。主従、友人の間でさえ、心が許せなくなったら、世はそのまま地獄だ。さらにその上を行く毒がある。 権力だ。 人間にとって権力の魅力というものほど、摩訶不思議な毒はない。 人間とは何とやっかいなものではないか。」といっている。 (続く)
お読み下され、感謝致します。

1周年を迎えてCame to the first anniversary  

2006-10-24 07:52:51 | Weblog
1周年を迎えてCome to the first anniversary  平成丙戌年神無月二十四日

やっと1年を迎えたというのが、感想です。

英会話からスピーチの原稿作りに励んでいるうち、ブログの世界へ入ることが出来ました。きっかけは「青っち」さんの「雪の遺書」からでした。仲間から英訳を薦められ、完成し、投稿の始まりです。
 日常のことを細かく綴ることより私には、一つの問題を掘り下げて本質に迫るのが、合っている様に思えやってきました。
 
 これからもマイペースでいきますので、更新の間隔があくかもしれませんが、そして英文に出来れば翻訳していきますので、よろしくお願い致します。
 

「フラット化する世界」に思う。The World Is Flat.

2006-10-22 05:56:10 | Weblog
「フラット化する世界」に思う。      平成丙戌年神無月二十二日

トーマス・フリードマンThomas L. Friedman著「フラット化する世界」(上、下)
S君から読むと良いと薦められた本である。
すでに前、前々回ブログに引用させてもらっていますが、どこを切り取っても凄い洞察力と調査力に圧倒されます。必読の書です。
インドのバンガロールの企業群がアメリカのシリコンバレーのようになって、サービス業の一部をアウトソーシングして、尚且つアメリカの製品とサービスへの需要を創り出しているという衝撃的な事実を具体的に会計業務、航空の予約、マックの受注などで挙げられた。世界が今フラットなんだと。中国は100円均一やユニクロというイメージをぬぐい去らねばならぬ事態です。DELLコンピューターなどすでに中国製である。 製造の分野だけでなくあらゆる分野である。 びっくりしたのは、マッキンゼーを辞めた大前氏が、大前・アンド・アソシエーツ・グループを設立。大連などで基礎的なデータ入力作業を行なってるという。簡単な話ではない。例えば、手書きの図面を電子的な手段で中国へ送り、現地でコンピューター設計に書き直して、電子メールで日本の建設会社に送り返す。それが建築設計図となるらしい。 業務の海外移転である。
大前氏は「中国は脅威、中国は顧客、中国は競争相手だ。成功するには中国を取り込まないといけない。」と言って、実践してみえる。凄いフラットな考えである。
 本書は様々な分野でフラット化している現場を報告して、説得される。
フラットな世界には「代替可能な仕事と代替不可能な仕事の二つしかない。」簡単にデジタル化、オートメーション化、外国に移転できる仕事は代替可能な仕事だ。ブルーカラーの工場労働だけでなく、ホワイトカラーのサービス業も代替可能となった。
 そのフラット化する世界を特に推し進めているのが、日本発トヨタのカンバン方式である。今はジャスト・イン・タイム方式と呼ばれるが、コンピュ-ターで時間を決めて、部品や商品を配達させるのだ。無駄な在庫の無い、効率的なやり方であり、ほとんどの世界中の企業が取り入れている。 この方式がサービス業にまで及んできているのだ。 世界中から部品やサービス(税務処理、医療サービス、ソフトウェア開発など全ての分野)まで調達し、企業は生き残りをかけている。
 しかし、ここで疑問が涌いてくる。
それこそ、今日本で問題になっている格差社会のことである。進化を遂げる社会についていけない企業や個人は必ずいるのではないか。池内了氏が心配してみえるように、人間のカンバン方式によって、人間の使い捨てが当り前になってくるのではないか。そして、社会の活力は失われてしまうのではないか。
 そこで、フリードマン氏は言う、「格差社会は何も日本だけでない。中国国内でも危機的に拡大しているのではないか。経済発展から取り残された西部、中部、東北地方は農業を中心で開発が遅れている。 フラットな世界に参加し、共同作業を行うツールを手に入れるような運動にエネルギーを向けよ。」と。どうしたらフラットな世界で生き抜くにはよいのか?に答える。
アメリカ側の視点だが、 地球上のあらゆる場所にいる人間と共同作業を行えるように個人の能力の教育が大事だ。そして、アメリカを「賢い、より賢い、最高に賢い」国にせねばならない。
日本でも同じであるように思います。 
ここで大切なのは人生を肯定するイマジネーションであると説く。ベルリン壁崩壊11/9と貿易センタービルの爆破9/11から説いているが、再読、精読要すところです。
 ここまで来てしまった世界。 便利さや快適さを求める人間の欲求が、文明を発展させてきたことは事実であろう。 しかし、そのために有形無形の人間の本来の財産をたくさん犠牲にしてきていることに、我々は気づくべきではないだろうか。
 人間とって、生きる喜びはどこにあるのだろう。 そんなことも考えさせられた本です。
お読み下され、感謝致します。

たそがれの放浪者A wanderer in the twilight(2)

2006-10-16 13:53:30 | Weblog
たそがれの放浪者A wanderer in the twilight(2)平成丙戌年神無月十六日

 たそがれの放浪者である私の人生の先輩Kさんより第2報を頂きました。
仲間と私の大好物の「うなぎ」を食したことを報告したので、食についてホームシックにかかられたのではないかと思った。
メキシコへ行かれると聞いていたので、メキシコ料理を聞いてみた。
メキシコ料理は名古屋にお店があると聞いてますが、まだ調べていない。
以下、彼からの報告です。

第二便うれしく拝受。 鰻屋行きの話は、結構イージーな食生活にある身にはよだれものでした。
皆さんとご一緒する次の食事会が楽しみです。

ニューメキシコ州は、テキサス、アリゾナを両隣とするかのWild-Westであります、1800年代半ば悪名を馳せたかのビリーザキッドの出身と終焉の地でも有名です。 
料理には結構メキシコ風が入ります、エンチラーダはこの辺りでは家庭料理、トルティーヤは全米どこでもポピュラーです。 三度三度決まった様にある日本式の食生活とは異なり、変則不定期なのです。
9月6日以来、私は同州中央のリオグランデ・ヴァレーの野中の農場に居ります。 近くの町は人口8000人のちっぽけでもヒスパニックな古い田舎町 Socorroですが、百数十年のニューメキシコ工科大学があるのには驚きです。 農場への道はフリーウェイを外れれば直ぐに未舗装の埃舞う草原となります、10分も走ればどこもアメリカで言う砂漠地帯です(北米では草木のまばらな荒野はdessertと表現します)。

早朝から牛を集めたり餌やり、菜園の摘み取りなど午後まで休み無しです。体力限界の仕事も入りますが遅い昼食の後は結構のんびりと過ごします。
ここでは車の運転も面倒もみてくれます。
滞在日程も折り返しにはいりました。途中脱出したくなる事もありましたが、自分で決めた事はやり遂げねばと思っている内に、牧童生活にどこか馴染んできた自分を見ます。日本に落ち着けるか不安になってきた。
10月11日はやや興奮、ファミリーに同行してエルパソから国境の南、ファレス(メキシコ)に入ったー!

以上です。ついにメキシコに入られたわけですね。体力限界の仕事には大変だなと思いますが、まわりの大自然での生活は一服の清涼剤、人生の薬味でしょうね。
本場のエンチラーダを食したいものです。
お読み下され、感謝します。

エネルギー自給率The self-sufficient rate in energy(2)

2006-10-12 05:16:05 | Weblog
エネルギー自給率The self-sufficient rate in energy(2)             平成丙戌年神無月十二日 

中国の脅威は続く。 電気とガソリンエンジンで走るトヨタ・ハイブリッド車が、環境への関心の高まりからヒットしている。 しかし、その強力なモーターに組み込まれている特殊磁石の希少金属がとんでもない危険を生み出している。 その希少金属とは希土類である。 化学元素の周期律表の下2段にある希土類磁石を指す。それは、何と中国が一手に担っているということだ。 それだけでない。液晶テレビ、パソコンのパネルに使われているのがインジウムも中国からだ。インジウムは米国の研究機関によると埋蔵量は6000トン程度。 04年の総輸入量は421トンで、71%を中国から輸入している。しかし、世界最大の鉱山は北海道にある。 高い硬度で切削工具に使われるタングステンもだ。タングステンの埋蔵量は約320万トン。04年の総輸入量は4290トンで、やはり中国から87%を輸入している。
自動車の排気ガス浄化装置にはプラチナが欠かせない。これは南アフリカからである。 希少金属は日本の先端技術の生命線である。 中国の経済成長に伴い、需要拡大の影響で価格が高騰しているという。 全く怖いお話です。 世界中がリンクしているゆえの怖さです。 トヨタは今春極秘研究チームを立ち上げたらしい。当り前だと思う。官僚に言われてからでは世界一から転がるのは目に見えてる。
9/8中日新聞によると、経済産業省は2007年度から、これら希少金属のリサイクルシステムの開発を始めるという。 前回お話した、優秀な人材が辞めていった独立行政法人・石油天然ガス・金属鉱物資源機構に委託する。 のんびりしてますね。しかもリサイクルです。根本からの開発推進じゃないんです。
官僚の旗振りも、「要る・要らないのメリハリで」、民間へやってもらわないと、後手後手の泥縄式となってしまいますね。いよいよ中国の時代ですね。
やはり、ここらで100年見据えた新エネルギー開発を進めてもらいたい。脱原子力、脱石油資源である。「バイオエタノール」であるが、あらゆる分野で開発してもらいたい。写真の真相さんのブログには ブラジル熱帯雨林の木を伐採して、サトウキビ畑を作っても、砂漠化するだけだ。 熱帯雨林の破壊に繋がる。アメリカの農業も地下水不足の危険がある。とも警告されている。
あとは、「燃料電池」の開発と市場形成である。 忘れてならないのは「メタンハイドレ-ド」 である。 友人S君に教えてもらった「燃える氷」つまりメタンガスがシャーベット状になって海底に存在しているというわけだ。 試算によると国内で、7.4兆 が埋蔵されている。これは、1999年度国内の天然ガス消費量の約100年分に相当する。しかも日本周辺海域に埋蔵されている。 これを地上に取り出せば、日本のエネルギー問題はなくなるかもしれない。 だが、これを取り出すのに少なくとも10年間、開発費のみが出て、売上ゼロですから、それこそ国家的なプロジェクトで、宇宙旅行を夢みているのでなく、取り組んでもらいたい。 それと「水素核融合」の実用化なるものがあると聞くが、私はまだ不勉強です。
エネルギー自給に関しての大目標を揚げているのが、前にも取り上げた、トーマス・フリードマン氏です。 「フラット化する世界」で、ケネディ大統領はソ連との競争が宇宙開発競争でなく科学の競争であり、実は教育の競争であることを理解していた。それを承知で、人類が月に立つという未来像を描くことで、国民が喜んで犠牲を払い、冷戦に勝つために必要な物事に本腰を入れるように仕向けた。 ブッシュ大統領がこれと同等の歴史に残る国家的な科学政策は前回触れたが、『アメリカが10年以内エネルギー自給国になるための代替エネルギーの開発とエネルギー節約の緊急計画』である。
エネルギー自給を大目標に揚げれば、一挙にテロリズムの資金源を枯渇させ、イラン、ロシア、ベネズエラ、サウジアラビアを改革への道につかせ―――石油が1バレル当たり50ドルでは絶対そうならないーーードルを強くし、地球温暖化防止に大きく貢献することで、ヨーロッパにおける立場も改善できる。そのことはまた、若者をふたたび奮い立たせる巨大な磁石、科学者、エンジニア、数学者になってテロとの戦いと国の未来の両方に貢献したいという風潮をもたらすだろう。と言っている。 2016年までにである。
重要な指摘だと思います。「テロとの戦いと国の未来」への提言ですね。
日本は前回指摘した「新・国家エネルギー戦略」で2030年をめどに民間企業の自主開発40%にというのが精一杯。 大前氏は官僚に任せていてはいけないと手厳しいが、安倍政権はこれを踏襲する。アメリカ人はブッシュに代わるキチンとしたエネルギー節約を呼びかける勇気を兼ね備えた大統領を望むことになるだろう。それこそ国家安全保障なのだ。石油はあと40年を笑う人はいるだろうが、人類が100年とこのままでは持たないことが、あらゆる物質(希土類など)の不足からも言えるように思えます。
お読み下され感謝致します。

追記
先日(10/1) 書きましたイランにおけるアザデガン石油開発権を日本は取得していたが、10/6に権益を10%に縮小することになった。
核ウラン濃縮を続けるイランへの制裁を辞さないアメリカへの配慮と一定の原油調達とを両立させねばとの板ばさみである。 民間自主開発40%が早くも赤信号である。危険地帯の資源開発は何でも民間と言うわけには行かないと思いますが、貿易保険を掛けてでも、頑張ってもらいたい。でも、脱石油、脱核をすべての業界に課せられたテーマだと思います。


安倍首相の中韓歴訪に思う。About Abe's visit China and Korea

2006-10-06 06:08:14 | Weblog
安倍首相の中韓歴訪に思う。      平成丙戌年神無月六日

安倍首相は、8日に中国9日に韓国と、相次ぎ訪問して、首脳会談を行うと正式に発表した。
安倍首相は代表質問で歴史認識について「先の大戦でわが国が国内外に大きな被害を与えた反省に立つ。」と明言し、戦後50年の「村山談話」や従軍慰安婦をめぐる「河野談話」を「政府の認識」として踏襲した。
 しかし、靖国参拝は明言しない。過去の評価は「歴史家に任せる。」など「あいまいな戦術」を取っている。果たして、これで中韓は納得いくだろうか? 今まで散々これではいけないといわれてきている。
 私のブログに取り上げた(8/28)朱鎔基首相のインタビューでは、朱首相ははっきりと「日本は全ての正式な文書の中で、中国の人たちに謝罪したことはありません。村山談話で謝罪した。しかし、正式な文書の中ではない。」と話されています。
 先日取り上げているトーマス・フリードマン氏の世界的ベストセラー「フラット化する世界」の中でも、夏大連市長とのインタビューで、フリードマン氏自ら「戦時中の中国に対する行為を日本政府はいまだに公式に謝罪していない。その日本のために働くことに悩みはありませんか。」と尋ねている。 びっくりする問いです。フリードマン氏はアメリカ人であり、ニューヨーク・タイムズ紙の外交問題コラムニストである。この本は全世界に翻訳されて、読まれている。 
夏市長は「中国と日本がかつて戦争を起こしたことを決して忘れないでしょうね。」と答えた。「しかし、経済の分野で、は、われわれは経済上の問題だけに焦点を絞りますーーーーことソフトウェア・アウトソーシングの話に関していえば。  アメリカや日本の企業がわれわれの街で製品をこしらえるのは、結構なことだと思います。 若者たちは、日本の同じ立場の若者と競い合って、将来的に高給がとれる地位に就くために、日本語を学び、そうした技術を身につけようとしている。」と懐の深い意見をのべている。
『公式に謝罪』とはどういうことなのか分からない。 安倍首相も答弁でサービス業のイノベーションといっているから、この本を読んでいると思われます。
全世界が日本はまだ公式に謝罪してないと知る。 何とかならぬものか。

それに、過去の評価は「歴史家に任せる」と言っている。
ドイツのゲオルグ・エッカートという歴史学者が戦後各国と協議して、国際教科書研究所を設立し、600万人の犠牲者を出したポーランドとの対話にこぎつけ、歪められた歴史教科書の書き換えを勧告した。それに倣って「日本軍国主義と戦争をどう語るのか」「天皇による軍国主義を支えた自らの罪をどう償い、アジアでどう生きていくのか」という重い命題に改めて立ち向かわせるという考えで、首相は言っているのであれば、歴史学者に呼びかける動きを見せて欲しい。中韓両国は決して忘れてはいないと思います。若者もDNAで親から遺伝していると思います。 100年先を見据えた会談をしてきてほしい。経済的には切っても切れない関係になっている。
だから、「忠恕」のココロが特に安倍首相に望まれます。
お読み下され感謝致します。
 

エネルギー自給率The self-sufficient rate in energy(1)

2006-10-02 00:06:31 | Weblog
エネルギー自給率 The self-sufficient rate in energy(1)             平成丙戌年神無月一日

岐阜県内のレギュラーガソリンは145円位だ。 今日10月1日から原油高騰の影響で航空運賃が値上げになる。 私のブログにも2月に書きましたが、石油はあと、41年が可採年数である。(総合エネルギー統計平15年) 今後消費を減らさない限り、掘削調査して延びても100年と持たない。これは恐ろしい現実です。 自給率から日本をみると 石炭は2.1% 石油は 0.3% 天然ガスは 3.1% となっている。 石油についていえば、日本は ① サウジアラビア 27% ② アラブ首長国連邦 25% ③ イラン 15% ④ カタール 9.3%
から輸入している。(05/06日本国勢図会)
 やはり石油は中東より約70%も依存している。 時は1973年のオイルショック。スーパーでトイレットペパーが奪い合いとなり、TVも深夜放送中止。サンシャイン計画や石油備蓄に務めた。しかし、喉元すぎれば何とやらで80年代に入ると日本はバブル経済の宴に酔った。 100年のスパンで物事を考えない日本。 万が一、中東から石油がストップと言う事態になれば、1年くらいで日本は破綻してしまう。
 8月、イスラエルとイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとの戦闘にイラン製のミサイルが使われていると報道されていた。 イランは核開発疑惑で一杯である。
このことに関して、ブッシュ大統領は明確である。イランに対して、1979年テヘランでの米大使館占拠事件を受け、1980年国交を断絶している。しかも、イラン、イラク、北朝鮮と「悪の枢軸」と批判している。 しかし、日本はイランに原油輸入の約15%(05年)を依存し、04年にはイラン最大級の「アザデカン油田」の開発権を獲得している。これほど日本はエネルギー安全保障上重大な綱渡りをしている現状です。
 だから、先般小泉首相は中東和平提案してきたわけであろう。
アメリカという同盟国が手を切っている国と自国の利益のために取引をせねばならない。
アメリカは日本が取引をやめたら、その分石油を回してはくれるだろうか。
 イランはイスラエル攻撃に手を貸しているのだから。 やはり国と国とは利害のみとはよくいったものです。理想と現実は一致しない。イランを刺激して原油輸入が止まれば、日本経済は大打撃を受ける。

 30年も前から、石油は金さえ払えば手に入る市況商品でなく、戦略商品となっている。 資源エネルギー庁が今春打ち出した「新・国家エネルギー戦略」では日本企業の自主開発比率を現在の15%から2030年に40%引き上げると提唱。 30年遅かった。
 
問題は中国です。トーマス・フリードマン氏は、「フラット化する世界(下)」のフラットでない世界の中で、 「2001年からたった3年の間に中国は爆発的な成長を遂げ、北京では自転車専用レーンの大部分が跡形もなく消滅していた。 自動車やバスのレーンの追加で削られた。なぜか? ニューヨーク・タイムズの調査員によると 2004年4月北京の新車販売台数は3万台、1日当たり1000台になる。 信じられない数字です。 そして、2003年中国は日本を一気に抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の石油輸入国となった。中国全体のエネルギー消費量は、2002年から2005年にかけて、65%増加している。 何と、あのイランが中国の石油需要の13%を供給している。」と言っている。

資源の争奪戦です。中国は2004年11月東シナ海の日本領海に接した海域で天然ガス掘削を開始した。 安倍新政権は中国にしっかりと抗議し続けなければならない。
 さらにトーマス・フリードマン氏は言う、「北京外交学院の女子学生より、アメリカやヨーロッパは好きなだけエネルギーを消費して発展してきたのに、なぜ中国が消費を抑え、環境に気をくばらなければならないのですか?という問いに答えられない。 現在の流れのままだと、2012年には中国の原油輸入量が、1日700万バレルから1400万バレルに倍増する。 この宇宙船地球号を次世代に、引き継いだときと同じか、それよりよい状態で渡すという難題が課せられているから、中国政府は、みずからエネルギー消費を大きく減らす活動を始めなければならない。そのためにはアメリカが消費形態を変えて手本を示すのがいい。エネルギーの節約と再生可能な新エネルギー開発を両輪とする新しい戦略手法が必要とされる。これが国家安全保障になる。」と。
 では、日本はどうする?  経済支援をしますから原油を売ってくださいでは、売ってもらえない。 しかし今では日本の省エネ技術は世界のトップレベルにあるからそれを梃子に資源獲得を目指すとよいのではないか。
共同通信の見方では、戦略実現には石油会社を統合し、開発から精製・販売まで一貫して展開する欧米の石油メジャーに匹敵する「和製メジャー」結成が不可欠とする。
富士石油とアラビア石油を傘下に持つAOCホールディングスのお家騒動について私は分かりませんが、友人S君は、「石油公団は改革で、独立行政法人になったが、大切な有能な人材を失ってしまったそうだ。人が技術やノウハウを持っているのだ。」と、戦略実現のポイントを突いてくれております。 小泉改革の負の置き土産である。石油公団の累積赤字は6000億にも達し、国民の血税で穴埋されることになったが、コップの中の主導権争いでは日本の100年の計にはなりません。(続く)
お読み下され、感謝致します。 
追伸; 
岐阜県裏金住民監査請求が行われた。 県内の3763人が請求した。
監査結果待ちというところだ。
8日に安倍首相が日中首脳会談に北京へ行くことになった。周恩来氏のように100年先を見据えた会談になることを心から祈る。