隻手の声(佐藤節夫)The voice of one hand clapping.

世の中の片手の声をココロで聴こう。

コイン社会Coin Society

2010-05-25 09:28:49 | Weblog
コイン社会Coin Society      平成庚寅廿二年皐月二十五日

ポートランドのダウンタウンに、ショッピングモールができている。
パイオニア・プレイスというところだ。日本では表参道ヒルズが複合施設Complexとして有名だが、岐阜の柳ヶ瀬はさびれ、郊外の広い駐車場のあるショッピングモールが賑わう傾向が続く。ここではダウンタウンの中なのだ。
ところが、日本と違い、ダウンタウンは基本的には電車が只なのだ。検札しないのだ。ただ、ダウンタウンから郊外へ出るには代金が要る。でも安い。40分乗っていく空港へは2ドル30セントだ。200円ちょっとだ。岐阜から関40分は570円だから半額以下である。
ランダム検札だからといって、ただ乗りは怖い。
切符は自販機があり、カードもOKだが、F君の奥さんは使わない。出て来ない恐れがあるから。そういえば、バンクバーで、Grandpaは駐車料金をカードで支払ったが、レシートが何ぼやっても出て来ない。次の人は難なくでてきた。画面に支払済みのメッセイジがでているからまあいいや、と思ったが、念のため、事務所へ届け出た。
ポートランドは、1日券を買えば、乗り放題。4ドルちょっとだ。
だから、岐阜のように郊外に車でしか行けないモールはないのだ。
そのダウンタウンのモールの中で朝から賑わっている店があった。
世界同時発売のアップルPCのiPADなるものだ。携帯+PCという優れもの。
画面を指で操作、私のブログもゲットし、読めた。
今叩いてるキーボードが憎らしくなる。1日30分はフリーズや立ち上げで、ロスしている。10年もまえのMEという型だ。
世の中が、変化してきているのを感じた。
 話は切符に戻るが、ポートランドでもビクトリアやバンクーバーでも、カード決済の自販機が出回っている。さっきの故障の話は例外としても、日本でも1000円以上の距離料金ではどんどん導入されるだろう。
 カナダでのこと、ビクトリアへ行くにはフェリーで乗り継いで行くのが普通である。バンクバー空港からツワッサム港までが今まではバスの乗り継ぎだったのが、オリンピックで「カナダ・ライン」と呼ばれるSkytrainが出来た。電車である。CANADA LINE TO WATERFRONTという看板を目印に乗り込んで、約5分BRIDGEPORT STATION NORTHBOUNDまで行き、それから、トゥワッサム フェリー行き620番のバスに乗り継ぐ。バンクバーのホームステイのお父さんのお陰である。両替しなくてカナダへ来たものだから、切符は、カードで難なく空港で手に入れられ、スワーツ港BAYまでこれた。電車+バスの切符なのだ。
念願のDさんと再会、ブッチャートガーデンなど散策でき、ホテルへ。
次の日、早朝7時発はとても無理。9時発のフェリー・トゥワッサム行きに乗ることにして、朝食をとっていると遅れるからと7時にホテルを出て、バス停に向かった。
バス停から快速#70だと40分で、#71,72,73も念のため行くよと言われた。バスが来た。カナダでは先払いの習慣である。乗り込んで$10札を見せると、両替できないから次ぎのバスにしてくれといわれ、乗れなかった。次ぎのバスは#71である。これまた同じく拒否され、次のバス#72も同じ。時間は過ぎていく。運良く遠くに「セブン-イレブン」があった。
駆け込んで、サンドイッチやジュースを買うことで、小銭$2.50をゲットし、やっと#73に乗れた。しかし、スワッツ港に着いたのは9時半。次ぎの出港は11時であった。バンクバーの奥さんに「遅れて申し訳ない」と電話を入れた。
計画では10時にはバンクバー空港にいなければならない。
 11時からトゥワッサム港へは1時間40分で、着いたのは12時40分。
港から空港は昨日の反対であるから、安心であったが、やはり小銭が必要であった。長い列に並んでいると、乗車拒否されて、港の事務所へ戻る観光客がいるではないか。私は幸い小銭があって乗り込めた。
船からの眺めはとても気持が良かったが、小銭の重要さを改めて知った。
ホームステイのGrandpaは、「北米はコイン社会なんだよ。」といった。
オリンピックでは、かなりな旅行者は乗車拒否にあっただろうことは想像できる。日本から両替機を輸入して、バスに設置してもらいたいものだ。
だけど、カードの普及で自販機がカードを要求する時代になろうとしているのを感じた。日本では、特に岐阜では各バスに両替機が完備され、1000円札あれば心配ない社会である。 でも、ポートランドの無料みたいなダウンタウン電車やメルボルンの巡回無料電車は環境にもいいし、住みやすいことは確かだ。
岐阜では、永年親しんできた電車は3年前廃止された。郊外へショッピングモールが移ったから、ダウンタウン柳ヶ瀬の便利さが更に無くなった。悪いことにそこに3時間いようものなら、駐車代は楽に1000円を超えてしまう。
 昔の柳ヶ瀬は戻らない。
バンクバーでも、ダウンタウンから離れた郊外のショッピングモールが出来てきている。駐車場探しに困る位、広いのである。まあ無料だからいいのだけれど、特にひどいのは「車上荒らし」だという。PCなど金目のものはトランクに入れないとガラスを割って取られるという。日常茶飯事らしい。ポートランドもバンクーバーも同じように聞かされた。
コインを持ち歩く習慣と同じような自己防衛が必要な社会なのだろう。

お読み下され、感謝致します。




ポートランド紀行Trip to Portland 

2010-05-19 15:27:30 | Weblog
ポートランド紀行Trip to Portland 平成庚寅廿二年皐月十九日

バケットリストの一つ。
ポートランドの友人F君宅へ。
大変お世話になりました。
明るい奥様との悠悠自適な生活を垣間見、安心して帰国しました。
やはり、アメリカを感じたのは「サタデーマーケット」でしたね。日曜も賑わって、様々な人たちのエネルギーが発散していました。手作りの小間物や帽子やサイケデリックなTシャツなど、ワクワクするものばかり。
刺青にはちょっといただけませんが。

近くのワシントンパークの薔薇園はちょっと早かったですね。でも日本庭園がカバーしていますね。ポートランド市民によるNPO「オレゴン日本庭園協会」が計画し、戸野琢磨博士設計で、1967年開園。露地、回遊できる庭、枯山水、小さな滝や東屋も配置されている。ツツジが見事でした。それと何本も「ジャパニーズ・メイプル」という小豆色の楓が見られた。
今、土産の香りを焚いて、暫しの休息です。

コロンビア峡谷は日本とは桁違いでした。写真に入りきれませんでしたよ。
マルトノマ滝は落差189mというから凄い。途中の橋まで登ってぱちり。
頂上まで行く若者で一杯でした。
この川の源流がロッキー山脈の雪解け水だということを知ったのは3年前でしたね。
F君宅近くの公園はいいですね。製紙会社や雁の群れも印象的でした。

最後の晩は、わがままでチェロを聞きにコンサートへ行きました。
オレゴン・シンホニーによる「ドボルザーク“チェロ協奏曲”」でした。
この曲は20年前、故黒川紀章氏が、ヨーロッパ帰りの友人から頂いてずーと仕事のバックに聞いて、お気に入りの曲だとラジオで言っていたので、早速買い求め、聞いてきた。15年も前には、小沢征爾氏が因縁のN響を指揮し、故ロストロビッチと共演したのを録音、録画して、聞いてきた。
女性チェリストQuirine Viersen の若くて、曲に対する必至さが伝わって感動しました。CDを買い求め、サインを頂き、思わずパチリと写真を撮りました。

アメリカ最大の本屋さんへは行かなかったが、ホテルの前にはウィラメット川沿いに公園があり、のんびりと時が流れるのを眺めていた。文化と自然がうまく調和しているように感じた。

 残念なのは、日系センターを訪ねることが出来なかったことです。F君はボランティアで手伝っているとのことでした。第二次大戦中のオレゴンの日系人の苦労を少しでも知りたかった。3年前、カナダBC州のニュウデンバーを訪れ、ショックを受けた。こんなところにも戦争の被害があったことを知った。
また会いたいですね。
奥様には、いろいろ配慮して頂き、感謝しています。

PS; 写真はMultnomahマルトノマ滝。落差189M。滝壷までは撮れませんでした。

お読み下され、感謝致します。



地球寒冷化Global Cooling

2010-05-03 10:26:06 | Weblog
地球寒冷化Global Cooling  平成庚寅廿二年皐月三日
S君から、メールを戴き、元気をもらいました。

 私は「今そこに迫る地球寒冷化人類の危機丸山茂徳著(KKベストセラーズ)を半分読みました。丸山さんは1949年生まれの東京工業大学理工学研究科教授でアリゾナ大学客員教授です。専攻は地球惑星科学。丸山先生はIPCC(Intergovenmental Panel on Climate Change)の言っている「地球の過去の気候はほぼ一定の気温であったと仮定していることと、直近の50年間の急激な気温上昇の原因が人間の排出した二酸化炭素が主因であると限定した」ことは間違いであると言っています。地球温度に影響を与えるのは太陽であり、宇宙線であり、雲の生成である。丸山先生は2007年のシンポジウムで「21世紀が温暖化なのか、寒冷化なのか」でアンケートを取ったら、90%の科学者が21世紀の一方的地球温暖化は信じていない。欧米の学会においても状況は同じである、と言っています。今年のTEDでアル・ゴアの朝食会に出ました。彼のプレゼンテーション能力、政治家としての力量、人を引き付ける力は見事ですが、地球温暖化を二酸化炭素原因にしていることで、将来赤っ恥をかくのではないかと思いました。
 有難う御座います。
 レイチェル・カーソンのような警告学ですね。
去年(7月)ブログに「本質」という題で取り上げた地球温暖化問題ですね。
養老孟司氏が「ばかの壁」で何でも行き過ぎはよくない。科学を絶対的なものだという風に盲信すると危ない結果を招く危険性があるといい、
京都議定書は詐欺だと竹村公太郎氏と対談をしている。(本質を見抜く力
「80%の確率で炭酸ガスと思える」という結論は推測であって、真理ではないのが大切である。
でも、世の中は、温暖化一点張りで、行政まで排出権商売の旗振り、車、家電の後押しや、エコブームで不況乗り切りをすすめてます。
 小説ではあるが、「排出権商人」で黒木亮氏は、中国、東南アジアや中東にまたいで活躍する商人の金融取引と同じレベルの経済活動を凄いスケールで、描いている。

ここに来て、丸山氏の「いまそこに迫る地球寒冷化人類の危機」という全くセンセーショナルな対極的な本をご紹介され、びっくりしております。 養老氏はあくまで「推論」だよといっているのに、さらに「推論」をぶつけて見えるように感じます。
丸山先生は「はたして、排出権取引や二酸化炭素の地中への埋め込みなどの国際的な温暖化ビジネスが、実質的な省エネルギーや化石燃料の消費削減につながるのだろうか。」「いかにビジネスとはいえ、もはや洗脳されているとしか言いようがない。」といって、「寒冷化」を地球の歴史から検証している。21世紀が本格的な氷河期の到来になるのか心配だといっている。
 
しかし、丸山先生は流石です。「石油の枯渇と人類の危機」を訴えている。
今、中学の教科書には、石油の可採埋蔵量1825億kl ,可採年数41.0年となっている(東書公民)が、丸山先生は埋蔵量より問題は消費量だといっている。
折りしも、上海万博がオープンした。中国13億人、インド12億人、他の新興国10億人が猛烈な勢いで石油の消費を始めたのである。 石油の枯渇はすぐに来る。しかも、食糧危機の恐れで、世界人口30億人が限度とみている。残念なのは石油代替エネルギーの可能性がないとしていることです。

 「本質を見抜く力」で、竹村氏は「いま、人類にとって最重要課題はこのままではエネルギーが枯渇に向かうからどうやってそれを省力化、省エネ化していくかということだ。二酸化炭素がどれだけ増えるか、温度がどうなるかということは、結局正確にはわかりませんし、それらの数値を信用しても仕方がないと思います。」と言い切ってる。
養老氏は「ここ百年間でアメリカがやってきたことを精算する時期に入ってきたわけだ。」と受けてきてます。
 アル・ゴア氏は、「アメリカは2009年太陽、風、地熱による発電から得られるほぼ無限の電力を使えるようにするための全国規模のスーパーグリッドを構築しはじめた。そして、自動車業界は再生可能なエネルギー源によって得られるようになった電力を動力とする、電気自動車への歴史的な転換を進めた。」と「私たちの選択Our Choice」でのべている。
さらに、トマス・エジソンの100年も前の言葉「私だったら太陽と太陽エネルギーに賭けるね。ものすごい動力源じゃないか!
石油や石炭を使い果たしてからやっとそれに取り組む、なんてことにならなければいいが。」を引用している。
将来が危機に瀕しているときは常に大胆に賢明に行動するという勇気と決意を子供たちに伝えようと訴えている。
 養老氏と竹村氏は逆に「寒冷化は化石エネルギーが枯渇する中で耐え切れませんね。」と締めている。
 全世界が、再生可能エネルギー源からエネルギーを作り出す革新的手法を編み出さねばならない。アフリカの風を活かした少年、カムクアンバ君ように。
お読み下され、感謝致します。