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あいまいな基準は基準でない。

 


3月11日 の震災で多くの津波被害を受けたが、県によってバラバラの基準で防潮堤の高さを設置していた。


かつて1896年の明治三陸地震で15m以上の津波に襲われた岩手県普代村は、15.5mの防潮堤を整備してたので3月11日 の震災で倒壊をのがれ、村の死者・倒壊家屋数はゼロだったらしい。


福島県は過去の被害も津波より台風の高波の方が怖いということで、1913年の台風の高潮での記録から6.2mに設定された。


一方、宮城県。チリ地震の津波が5.4mだったので5mで整備されていた。 重要なことは以下である。「明治三陸地震級に耐えられるようにすると膨大な費用がかかる。防潮堤も相当なスペースを取るので総合的に判断した」とのことだ。


政府は 2004年に示した防潮堤の高さの基準は「過去最大の津波か、今後発生されると考えられる最大の津波を踏まえて設置する」とのこと。 ここまではいいが「費用や環境に及ぼす影響、海岸や付近の土地の利用状況も考慮する」という地方自治体での裁量の余地も記載してあったらしい。


これらからいえることは、まず、岩手県普代村だけが今回の津波も想定して15.5mで設置して助かったということである。それと、宮城県も福島県も言い方をかえれば「ある程度の高さで一応設置しますがそれ以上がきたらおしまいです」という前提で設置したということである。国も「ちゃんとしときなさいよ。でもお金の問題とか住居の問題とかもあるから適当にやってね」といっているに等しい。こんな基準は基準といえない。基準とは明確な科学的な根拠でハッキリと数値で規制するものである。


「想定外」ということばがよく出てくるが、もし仮に 岩手県譜代村に 15.5m以上の津波が来て被害がでたら「想定外」といえる。しかし今回の場合、福島県も宮城県も「想定外」ではなかったのである。想定されていたけど諸事情で妥協しておいたということだ。


福島第一原発同様、ここでもまた、「想定外」という言葉は使えないのだ。


原発も設置場所や設備強度など基準がないらしい。一例を挙げれば、福島と浜岡では設置されている場所の海からの距離も高さも異なり、実際にはそれぞれを設計した設計者の基準に基づいて建築されているだけのことらしい。


原発に関して対策しておくべき根本対策は・・・

考えられる津浪の高さ→その時の波でかかる力→それに耐えられる強度設置とそれをクリアーする設備施工。

まずはこれである。  (高い防波堤の設置はこれと科学的根拠で連動すべき)


二次的な対策として・・・

強い波のかからない 高さや距離を基準化する


同時に・・・・

電源がやられたときの外部電源のフェイルセーフの拡充


上記を明確にしてそのとおり施行していたら今回の原発事故は起きなかった。

この程度の発想は品質管理上の"いろはのい"である。

立派な大学出てエリート面した東電の連中や政治家も官僚もこんなこともできないのだ、この国は。

 

 

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