コズモと読んでください COSUMO

株式、債券、為替、投資信託を主に

「ホットマネー」、預金流出穴埋めか-米地銀の経営揺さぶる恐れ 2023年6月30日 9:28 JST 更新日時 2023年6月30日 11:09 JST ブルームバーグ

2023-06-30 16:55:43 | 日記

「ホットマネー」、預金流出穴埋めか-米地銀の経営揺さぶる恐れ
Jennifer Surane、Linly Lin
2023年6月30日 9:28 JST 更新日時 2023年6月30日 11:09 JST ブルームバーグ

パックウェストの第1四半期末のブローカー預金は前年比1774%増
ウェスタン・アライアンスも同じ時間枠で3倍以上に増えた



今年に入り流出した数千億ドルもの預金の一部を埋め合わせる手段を米銀は見つけたが、それは高くつき、安定した預金と比べてとどまり続ける粘着性が特にあるわけではない。

  顧客による相次ぐ預金引き出しに見舞われた全米各地の中規模銀行は、バランスシートの強化に向け、通常5%前後かそれを上回る著しく高い金利を要求する他の資金ソースにその場しのぎで頼らざるを得なかった。米連邦準備制度や連邦住宅貸付銀行(FHLB)制度から地銀はさらに数十億ドル借り入れ、驚くべきことだが、仲介者がほとんど知られていないブローカー預金にも手を出した。

  米銀行業界資産の80%余りを占める上位84行について、規制・監督当局への四半期報告を分析すると、連邦準備制度やFHLB、ブローカー預金を経由する3月末時点の借入額だけでなく、利益の一部を圧迫し始めている負担の様子がうかがえる。必要な資金を集めるため、貸し付けで得られる金利収入を上回る利払いを迫られており、そうしたコスト増が最も苦境にある銀行の経営を揺さぶる恐れがある。

膨らむ利払い負担

  84行の1-3月(第1四半期)の支払利子は720億ドル(約10兆4000億円)と、前年同期の12倍に跳ね上がり、そこからひずみが既に読み取れる。FHLBからの借入額とブローカー預金の合計額は1兆4200億ドルと倍以上に増え、そのうちブローカー預金は8000億ドル余りに達した。後者は安定した顧客層からの預金ほど粘着性がなく、ホットマネー(短期資金)と呼ばれる。

  銀行の株主にとって悪いニュースは、1-3月のコスト上昇が恐らく始まりに過ぎないという点だ。連邦準備制度の積極的な利上げなどが影響し、シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンクが今年3月に経営破綻した。多くの地銀の資金調達コストは第1四半期の遅い段階になって急上昇し始めた。新たな環境の下で四半期の全体像がどのようなものになるか投資家はまだ目にしていないが、数週間以内に分かるだろう。
減益から赤字、資本の毀損も

  このデータは、地銀の混乱の次に予想される光景を指し示す。資金調達コスト上昇の影響が減益から赤字、資本の毀損(きそん)に移行する場合、投資家と規制・監督当局はそれほど忍耐強くいられないと既に示唆している。

  ジャニー・モンゴメリー・スコットのアナリスト、クリス・マリナック氏は「これはスローモーションの自動車事故だった。われわれは米利上げが再度あるかどうかさえ分からない。連邦準備制度は銀行に一息つく余裕を与えたが、まだ安心できない」とインタビューで語った。

  金利上昇は銀行にとって朗報と通常捉えられており、上位金融機関にとっては実際その通りの展開になった。だが今年はそうした急ピッチの米利上げが一部の銀行を苦しめる状況もあり得ることが示された。金融引き締めに伴い、特に短期金融市場と米国債が普通預金口座に比べ魅力を増した。


  最近のブローカー預金の多くは、ほとんど知られていない仲介者が、より高い金利を求める企業や富裕層の個人と銀行を結び付け、譲渡性預金証書(CD)などの形態で取りまとめる。資金を何年もとどめておける銀行は助かるが、高い金利をその間払い続けなければならない。

  上位84行を分析したところ、第1四半期末のブローカー預金の合計額は8080億ドルと、昨年末から15%急増した。

  メイヤー・ブラウン法律事務所のパートナー、マット・ビザンツ氏によれば、規制・監督当局は多くの場合、ブローカー預金を快く思っていない。「歴史的に見て、ブローカー預金は素早く動く可能性がある」ためだ。
曇る業績見通し、株主も見過ごせず

  ブローカー預金が最も増えている一部金融機関に株主も既に注目し、株式を売っている。株価が年初来で60%余り下落したパックウェスト・バンコープのケースを見ると、1-3月期末のブローカー預金は前年同期比1774%増の60億9000万ドルと、全体の5分の1余りを占める。この追加資金がなければ、預金の減少率は15%でなく、32%と報告されたはずだ。

  株価がやはり急落しているウェスタン・アライアンスも同じ時間枠でブローカー預金が3倍強に増えた。それらの追加資金を差し引くと、第1四半期末時点で預金は8.8%でなく、20.6%減ったことになる。

  そうした状況は、アナリストによる両行の業績見通しを既に曇らせている。ブルームバーグが調査するアナリストは、ウェスタン・アライアンスの通期利益を8億800万ドルと予測し、年初の予想から約4億ドル下方修正した。パックウェストについては、年初の4億7000万ドルの黒字見通しに対し、今は10億ドル余りの赤字を見込む。

ウェスタン・アライアンスのデール・ギボンズ副会長兼最高財務責任者(CFO)は「SVBとシグネチャー・バンクの経営破綻に伴う影響は3月半ばにピークに達しており、当行の3月末時点の四半期データを用いることは、現在の流動性プロフィルについて誤解を与える。当社の借り入れはその後、数十億単位で減少し、より正常化された」と電子メールで説明した。

  パックウェストの広報担当者にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

原題:’Hot Money’ Scorches Regional Bank Profits After Deposit Flight(抜粋)
(チャートや上位84行のブローカー預金の推移を追加して更新します)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE

東証大引け 3日ぶり反落、需給悪化を意識 ハイテク株に売り 国内株概況 2023年6月30日 15:40 (2023年6月30日 15:46更新)

2023-06-30 16:51:10 | 日記
東証大引け 3日ぶり反落、需給悪化を意識 ハイテク株に売り
国内株概況
2023年6月30日 15:40 (2023年6月30日 15:46更新)


30日の東京株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比45円10銭(0.14%)安の3万3189円04銭で終えた。四半期末で機関投資家のリバランス(資金の再配分)に絡んだ売りによる需給悪化が意識された。ただ、午後は先高観などから押し目買いが入り、下げ渋った。

リバランスの売りや7月上旬の上場投資信託(ETF)分配金捻出に伴う売りの増加などに加え、週末・月末を意識した利益確定売りに押された。前日の米金利上昇を受け、割高感が強まった値がさのハイテク株が下落し、日経平均は朝方に下げ幅が一時、300円を超えた。

ただ、午後に下げ渋った。日本株の先高観が強いことや30日のアジア株式市場で上海株などが堅調に推移したことで押し目買いが入った。足元の円安・ドル高進行による企業業績の改善期待も一定の支えとなった。

野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは「きょうは需給的な警戒感が意識されやすい日だったが、下値で押し目を買いたいと考える投資家の多さが下げ幅を限定的にした」とみていた。

日経平均は月間では6カ月連続で上昇した。月間での続伸は2012年8月~2013年4月の9カ月の続伸以来となる。

東証株価指数(TOPIX)は続落し、7.65ポイント(0.33%)安の2288.60で終えた。

東証プライムの売買代金は概算で3兆7961億円で、4兆円割れは5日連続となった。売買高は15億9740万株だった。東証プライム市場の値下がり銘柄数は1105、値上がりは655、変わらずは73だった。

東エレクや信越化が売られた。三井物、第一三共、セブン&アイ、ネクソンも安い。一方、ファストリ、オムロン、郵船は上昇し、前日に決算を発表した高島屋は大幅高となった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕