つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

霜降(そうこう)

2012-10-23 14:14:09 | ジャズ

 今日、十月二十三日は霜降。
 「暦便覧」には「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也」とある。秋も末、霜が降りることから「しもふり」ともいう。
 霜降の頃の朝は澄んだいい匂いがする。楓をはじめ、紅葉が一気に始まる。
 晩秋のもの哀しさと寂しさが同居する時期でもある。

 霜降が過ぎると、秋は深い。そして風にさらわれるように一年の六分の五が去ろうとしている。
 一年を時計にたとえれば、今ごろはたそがれ時をすぎた夜の八時ごろだろうか・・・

 近くの民家の庭先では、まだ朝顔が咲き続けている。最後の一輪かと思えば、次の日も、また一輪と咲く。
 小さくて、消え入りそうに淡い青色の朝顔だけど、それでも冷気に耐えて咲く姿はいじらしい・・・


 今日聴いたジャズ・・・

 TIM SUND TRIO・・・「TRIALOGUE」


 本作はドイツのピアニスト、TIM SUNDの2002年のピアノトリオ盤。
 ヨーロッパらしい落ち着いた美しさを湛えた好盤。全編、美しいメロディで彩られている。
 一聴するとECMらしさを感じる。心地よい空間の広がり・・・ドイツならではの硬質なタッチと深部からきらめきを放つ
 クオリティの高いリリシズム。。
 ヨーロピアン・ピアノトリオの系譜を受け継いだ美しい一枚。
 「NARDIS」「BLUE IN GREEN」「THE PEACOCKS」など馴染み深い曲が収められているところも嬉しい。


1・NARDIS・・2・PUZZLE 1499・・3・BLUE IN GREEN・・4・WHEN WILL THE BLUES LEAVE・・5・TRIALOGUE#1:
  THE CAGE MAP・・6・HIDDEN RHAPSODY・・7・TRIAGUE#2 LET’S OPEN THE YEAR!・・8・EL ROJO・・
9・TRIAGUE#3 A DEEPER SEASON・・10・THE PEACOCKS・・11・TRIAGUE#4 THE EVERGREEN TERRACE・・
12・RAVI・・・


 TIM SUND(p)
 MARTIN LILLICH(b)
 MICHAEL KERSTING(ds)


  2001年7、8月、録音。

  ライナーノーツはリッチー・バイラークによるもの・・・