HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

この秋は柄もののジャケットもいい。

2013-08-07 18:18:16 | Weblog
 猛暑が続く中、店頭にはチラホラと秋物の第1弾が並ぶようになった。でも、インパクトを出す立ち上がりは、生地や組織を凝らないと毛色の変わったデザインにはならないと思う。

 秋冬の生地はウールのギャバやフラノ、ツィードなどの定番が主流で、グローバルSPAですら調達の手軽さから企画の大半に採用するようになっている。つまり、でき上がるアイテムもトラッドの焼き直し風ばかりで、全く面白くないのだ。

 それゆえ、秋の立ち上がりでは、毎度のことながら個性的な生地を探しまわり、できるだけ企画に盛り込もうと腐心している。あれこれ探すうちに「コレ」と思ったのが見つかった。スタイル画の段階ではよくわからないけど、メーカーが仕上げるとこんなデザインになっていく。

 一つ目はここ数年、ジャケットのトレンドになっているジャージストレッチ。普通なら無地がほとんどだけど、黒地にグレーのハート模様が小粋さを感じさせる。
 素材はヴィスコース95%とスパンデックス5%の混紡で、伸縮性をもちながらこしもある。レディス畑しか歩んでこなかった割に、ジャケットはシャきっとした生地がでないとダメが持論。一発で気に入った。

 デザインは軽めに仕上げで、1つボタンのテーラーカラー、着丈は60cmと短め。でも、多少ディテールにはこだわり、襟の切り込みを浅めに、ポケットを大好きな玉縁に、センターベンツなど、しっかり仕上がっている。
 コムデ・ギャルソンのプレイはワンポイントマークだけど、ハートのテキスタイルもモチーフもなかなか良い。白地に赤のハートなら、間違いなくコムデ・ギャルソンが作るかもしれない。

 もう一つはポリエステ糸で織り上げた光沢のあるチュール地。パターンは前のと同じで生地換えなんだけど、個人的にはこちら単独でもいけるかもしれない。
 ただ、見た目に反し、生地が柔らかでこしがない。レディスのジャケットだから妥協できるが、個人的には納得はいかない代物。もう少し上質の生地なら良かったんだけど。

 そして、三つ目がB級映画にでも出てきそうな架空国家の国旗のようなプリント柄。こちらもテーラーカラーの1つボタンで着丈60cmのショートジャケット。ポリエステル素材ながらこしがあって、ペプラムも効いてシルエットがきれいに出ている。

 秋を感じさせるアイテムは、なんと言ってもジャケット。さて、バイヤーは他の企画も含めて、どんなデザインを付けてくれるのだろうか。そして、どんないい女が着て、街を闊歩するのか。待ち遠しい。


コメント
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