ギャップ社は4月19日、海外市場で展開するオールド・ネイビー、バナナ・リパブリックを閉鎖すると発表した。うち日本国内のオールド・ネイビー53店舗を、2017年1月末までにすべてを閉鎖するという。2012年7月の日本上陸から5年を待たずに完全撤退となるのだから、ギャップ社としては日本での多面的な展開は容易ではないと、改めて認識したのではないだろうか。
バナナ・リパブリックについては、全世界で76店舗を閉鎖する。こちらはクロージングを含めたビジカジ系のブランドだが、価格はギャップよりさらに上のゾーンとなる。価格はブラウスで7,000~8,000円程度。創業が1978年と比較的若いブランドだから、イヴ・サンローランやクリスチャン・ディオールといった欧州ブランドほどのバリュー、価格帯ではない。それでも日本市場の現状からすれば、あの程度のクオリティでは決して安くないと言える。
筆者の事務所近く、バーニーズ福岡の裏手にも、数年前にオープンした。しかし、いつ見てもそれほど集客があるように見えず、採算は取れていないと思う。ギャップ本社のアート・ペックCEOは、「バナナリパブリックにとって日本は重要な位置づけにあることは変わりない」としているが、76店舗の中に日本における不採算店も何店舗かは含まれているのかもしれない。
オールド・ネイビーは、言うなればギャップの廉価版だ。米国市場はざっくり言うと、一部の富裕層と大多数の低所得者で構成されるが、ギャップのようなジーンズで70ドル、Tシャツで20ドル以上する商品は中流層以上でないと買えない。だから、ビジネスとしては中流以下を捕捉するマーケティングを行い、格下のブランドも開発する。そうして生まれたのが、コストを下げて価格を安くしたオールド・ネイビーというわけだ。
米国では11月の大統領選本選挙に向け、中流層から支持を集めた共和党のドナルド・トランプが同候補内定を確実にした。背景には中流層が没落する格差社会が日本より深刻なところがある。穿った言い方をすれば、「オールド・ネイビーまで落としたくない」「アバクロとは言わないまでも、せめてギャップは着ていたい」気持ちの表れなのかもしれない。
日本でも中流層の没落は確実に始まっている。なのにオールド・ネイビーが全店閉鎖されるのは、全く皮肉な話である。振り返れば、2006年、ファーストリテイリングが「g.u.」を発売した時の記者会見では、メディアの中に「ギャップで言うオールド・ネイビーの位置づけですか」と、 ユニクロとの対比で質問するところがあった。これに対し、柳井正社長は不快な表情を浮かべて、否定したと記憶している。
その後、g.u.は日本流のマーケティングでユニクロとは違った市場を掘り起こし、ロゴマークGUに替えるなど独自のブランドポジションを確立した。一方で、オールド・ネイビーは日本市場には通用しなかった。この違いが何を意味するのか。
言ってみれば、ギャップグループのような同じテイスト軸、感度軸で、グレードだけ変えるマーケティングは、バーチカルで効率はいい。しかし、それが米国市場には通用しても、日本には通用しないということである。
では、なぜ、オールド・ネイビーは日本で求められなかったのか。日本でもバブル崩壊後にデフレが続き、ディスカウントストアからファストファッションまで低価格業態が一定の市場をつかんだことは、確かだ。
しかし、一方で低所得者層が全く高額なブランドを買わなかったかというと、そんなことはない。フリーターの中には健康保険料や国民年金は払えなくても、セレクトショップのTシャツは買っていたものがいるはず。また100円ショップで代金を出す財布は、百貨店で購入したコーチやグッチという女性も一定数は存在するだろう。
そうでなければ、平成不況の直中にあって、ユナイテッドアローズやビームスがあれほど業績を伸ばすはずはないし、欧米ブランドが日本市場からぞろ撤退したというニュースも聞かない。つまり、社会保障や食事にかける費用は我慢しても、浮いたお金で高額なブランド品は購入する。それが日本におけるファッション市場の一端でもあるのだ。
2002年には同じく米国のウォルマートがスーパーの西友を傘下に収め、日本市場に参入した。03年、佐賀市に開業したSC、モラージュ佐賀の店舗は、EDLP、Rollbackを打ち出すなど本家ウォルートを彷彿させるもので、経済紙誌、ビジネス系メディアはこぞって「黒船上陸」と煽り、その脅威を大々的に報道した。
しかし、佐賀という全国的にみると所得が低い地域にも関わらず、2010年西友モラージュ佐賀店は撤退した。西友傘下のスーパー、サニーもウォルマート流の販売スタイルをとってきたが、2015年には11店舗を閉鎖している。これには08年に鳴りもの入りで開店した南熊本店も含まれる。オールド・ネイビー然り、ウォルマート然り、米国流のマーケティングによる低価格業態は、日本市場では中々受け入れられにくいということだ。
思い起こせば、ギャップが日本で本格展開を始めたのは1995年だった。東京・銀座の数寄屋橋阪急に店舗がオープンした時は、業界人が大挙して押し寄せ、チェックする光景がそこかしこに見られた。また、業界系メディアでも商品から展開方法、販売スタイル、プロモーションまでを褒めちぎった提灯記事が少なくなかった。
ギャップはオールド・ネイビーより格上のブランドであり、日本人には品質を含めてモデレート級として認識されている。しかも、シーズン途中のマークダウン、セールでの50%OFF、商品によってはさらに値引きされることから、ブランド品を安く買いたい消費者にとってこれほど好都合なものはない。消費者心理としては同じテイストなら最初から安いオールド・ネイビーより、ディスカウントされたギャップの方を買いたくなるからだ。そこがギャップが日本で継続される理由だと思う。
一方、オールド・ネイビーが日本に上陸する時も、業界メディアでは日本社会に格差が広がっていたことから、ある程度は受け入れられるとの論調が多かった。しかし、5年を待たずに完全撤退である。原因はいったい何なのか。
一つは消費者のブランド=高級高額品志向。裏を返せば、安かろう=悪かろうという認識が根強いこと。現にオールド・ネイビーの商品を見ると、日本人の感覚からすればとても質が良いとは思えない。これならディスカウントストアのノンブランドの方がよほどいい物がある。
ニつ目はデフレで低価格品が市場に浸透し、安さだけを売りにするものはすでにいくつもあること。だが、クオリティへの一定の要求は当たり前で、同じ価格なら消費者は質のいい方を購入する。こうした市場特性にコスト削減とブランド戦略による米国の低価格商品は通用しないのである。
三つ目はまさにこうした市場特性に合致した商品に修正できなかったこと。母体はギャップだから、ビジネスも同じやり方になる。とにかく大量に作ってコストダウンし、売場に大量に投入して売り捌いていくだけ。売れなければ、マークダウンやセールにかけるしかない。端から日本で売れる商品を作ろうなんて発想はない。
出店先はSCを主体にしており、歩率家賃が取られてしまう。 低価格商品といっても、日本企業が手掛けるものはシーズンを細かく分けて、適確に投入していくから売れ行きも違う。そんなMDの遺伝子が大ざっぱな米国ブランドにあるはずもない。売上げが上がらない、坪生効率が悪いとなると、採算は取れないというわけだ。
四つめは前出の通り、若者を中心に健康保険料や年金は払えないけど、プレステージ性のあるブランドを着たいとの欲求が強いこと。日本におけるブランド品を取り巻く蘊蓄は凄まじい。「オールド・ネイビーって、米国では貧乏人が対象だって」「俺はそこまで落としたくないよな」という会話が繰り広げられているのは、想像に難くない。
ただ、日本でも格差社会は確実に進行している。皆がどこかで生活費を切り詰めていることに変わりないのだが、ことファッションブランドとなると、「あまりに低価格商品は着たくない」というのが大半の消費者心理なのではないか。
ネットでは撤退を惜しむ主婦層の書き込みが多いようだ。あの胸元のロゴプリントがいかにもアメリカっぽく他のブランドにはない感性だから、わからないでもない。しかし、如何せん質が良くないのだから、子供たちに着せるにはコストパフォーマンスが悪すぎるはずだ。ブランドは他にいくらもあるわけで、すぐに慣れていくのではないかと思う。
これからまだまだアジアのSPAが日本に上陸する話もあるし、日本企業がM&Aで低価格ブランドを傘下に収め、展開を狙う計画も進んでいるだろう。しかし、オールド・ネイビーのケースを見る限りでは、アメカジ系のテイスト&感性軸で切った価格訴求型を一律に日本市場に持って来ただけでは、市場攻略は難しいと思う。
これまで日本のファッションビジネスを引っ張って来た方々は、60年代の米国ファッションに影響を受けた人たちが多かった。自分たちがそうだったから、多くの消費者にも肩肘張らずに着こなせるアメカジを受け入れやすいと思ったはずだ。実際、マーケットではその通りに反応し、多くのアメカジ系ブランド、それを日本流に解釈した業態が成立した。
しかし、オールド・ネイビーの完全撤退を見ると、潮目が変わったようだ。もはやアメカジ系であっても、単なるマスプロブランドでは、日本のマーケットは攻略できないということである。というか、マス市場自体が完全に飽和状態ではないか。それでも量を売って売上げを稼ぎたい企業や商業者は後を絶たず、次から次にブランドを仕掛けていくと思う。
それに再開発を含めて商業開発はこれからも続くし、デベロッパーから「スペースを埋めてほしい」との要求は、ファッション事業者以外まで取り込む状態が際立っていく。
だからこそ、マーケティングの論理からすれば、既存の市場、そこにあるパイを捨てたところに新たなビジネスがあるのではないかと思う。現状ではマスではないかもしれないが、点を拾い集めて面にしていくことは可能だ。ECから出発してアフィリエイトやフェイスブックといったSNS活用でブランディングし、じっくり市場を切り拓いた後に店舗展開をすればいいからだ。
そう考えると、市場開拓のキーワードはいくつかある。飽和度を考えるとイノベーションという大それたことではないにしても、ビジネス構想を立てる価値はあると思う。
バナナ・リパブリックについては、全世界で76店舗を閉鎖する。こちらはクロージングを含めたビジカジ系のブランドだが、価格はギャップよりさらに上のゾーンとなる。価格はブラウスで7,000~8,000円程度。創業が1978年と比較的若いブランドだから、イヴ・サンローランやクリスチャン・ディオールといった欧州ブランドほどのバリュー、価格帯ではない。それでも日本市場の現状からすれば、あの程度のクオリティでは決して安くないと言える。
筆者の事務所近く、バーニーズ福岡の裏手にも、数年前にオープンした。しかし、いつ見てもそれほど集客があるように見えず、採算は取れていないと思う。ギャップ本社のアート・ペックCEOは、「バナナリパブリックにとって日本は重要な位置づけにあることは変わりない」としているが、76店舗の中に日本における不採算店も何店舗かは含まれているのかもしれない。
オールド・ネイビーは、言うなればギャップの廉価版だ。米国市場はざっくり言うと、一部の富裕層と大多数の低所得者で構成されるが、ギャップのようなジーンズで70ドル、Tシャツで20ドル以上する商品は中流層以上でないと買えない。だから、ビジネスとしては中流以下を捕捉するマーケティングを行い、格下のブランドも開発する。そうして生まれたのが、コストを下げて価格を安くしたオールド・ネイビーというわけだ。
米国では11月の大統領選本選挙に向け、中流層から支持を集めた共和党のドナルド・トランプが同候補内定を確実にした。背景には中流層が没落する格差社会が日本より深刻なところがある。穿った言い方をすれば、「オールド・ネイビーまで落としたくない」「アバクロとは言わないまでも、せめてギャップは着ていたい」気持ちの表れなのかもしれない。
日本でも中流層の没落は確実に始まっている。なのにオールド・ネイビーが全店閉鎖されるのは、全く皮肉な話である。振り返れば、2006年、ファーストリテイリングが「g.u.」を発売した時の記者会見では、メディアの中に「ギャップで言うオールド・ネイビーの位置づけですか」と、 ユニクロとの対比で質問するところがあった。これに対し、柳井正社長は不快な表情を浮かべて、否定したと記憶している。
その後、g.u.は日本流のマーケティングでユニクロとは違った市場を掘り起こし、ロゴマークGUに替えるなど独自のブランドポジションを確立した。一方で、オールド・ネイビーは日本市場には通用しなかった。この違いが何を意味するのか。
言ってみれば、ギャップグループのような同じテイスト軸、感度軸で、グレードだけ変えるマーケティングは、バーチカルで効率はいい。しかし、それが米国市場には通用しても、日本には通用しないということである。
では、なぜ、オールド・ネイビーは日本で求められなかったのか。日本でもバブル崩壊後にデフレが続き、ディスカウントストアからファストファッションまで低価格業態が一定の市場をつかんだことは、確かだ。
しかし、一方で低所得者層が全く高額なブランドを買わなかったかというと、そんなことはない。フリーターの中には健康保険料や国民年金は払えなくても、セレクトショップのTシャツは買っていたものがいるはず。また100円ショップで代金を出す財布は、百貨店で購入したコーチやグッチという女性も一定数は存在するだろう。
そうでなければ、平成不況の直中にあって、ユナイテッドアローズやビームスがあれほど業績を伸ばすはずはないし、欧米ブランドが日本市場からぞろ撤退したというニュースも聞かない。つまり、社会保障や食事にかける費用は我慢しても、浮いたお金で高額なブランド品は購入する。それが日本におけるファッション市場の一端でもあるのだ。
2002年には同じく米国のウォルマートがスーパーの西友を傘下に収め、日本市場に参入した。03年、佐賀市に開業したSC、モラージュ佐賀の店舗は、EDLP、Rollbackを打ち出すなど本家ウォルートを彷彿させるもので、経済紙誌、ビジネス系メディアはこぞって「黒船上陸」と煽り、その脅威を大々的に報道した。
しかし、佐賀という全国的にみると所得が低い地域にも関わらず、2010年西友モラージュ佐賀店は撤退した。西友傘下のスーパー、サニーもウォルマート流の販売スタイルをとってきたが、2015年には11店舗を閉鎖している。これには08年に鳴りもの入りで開店した南熊本店も含まれる。オールド・ネイビー然り、ウォルマート然り、米国流のマーケティングによる低価格業態は、日本市場では中々受け入れられにくいということだ。
思い起こせば、ギャップが日本で本格展開を始めたのは1995年だった。東京・銀座の数寄屋橋阪急に店舗がオープンした時は、業界人が大挙して押し寄せ、チェックする光景がそこかしこに見られた。また、業界系メディアでも商品から展開方法、販売スタイル、プロモーションまでを褒めちぎった提灯記事が少なくなかった。
ギャップはオールド・ネイビーより格上のブランドであり、日本人には品質を含めてモデレート級として認識されている。しかも、シーズン途中のマークダウン、セールでの50%OFF、商品によってはさらに値引きされることから、ブランド品を安く買いたい消費者にとってこれほど好都合なものはない。消費者心理としては同じテイストなら最初から安いオールド・ネイビーより、ディスカウントされたギャップの方を買いたくなるからだ。そこがギャップが日本で継続される理由だと思う。
一方、オールド・ネイビーが日本に上陸する時も、業界メディアでは日本社会に格差が広がっていたことから、ある程度は受け入れられるとの論調が多かった。しかし、5年を待たずに完全撤退である。原因はいったい何なのか。
一つは消費者のブランド=高級高額品志向。裏を返せば、安かろう=悪かろうという認識が根強いこと。現にオールド・ネイビーの商品を見ると、日本人の感覚からすればとても質が良いとは思えない。これならディスカウントストアのノンブランドの方がよほどいい物がある。
ニつ目はデフレで低価格品が市場に浸透し、安さだけを売りにするものはすでにいくつもあること。だが、クオリティへの一定の要求は当たり前で、同じ価格なら消費者は質のいい方を購入する。こうした市場特性にコスト削減とブランド戦略による米国の低価格商品は通用しないのである。
三つ目はまさにこうした市場特性に合致した商品に修正できなかったこと。母体はギャップだから、ビジネスも同じやり方になる。とにかく大量に作ってコストダウンし、売場に大量に投入して売り捌いていくだけ。売れなければ、マークダウンやセールにかけるしかない。端から日本で売れる商品を作ろうなんて発想はない。
出店先はSCを主体にしており、歩率家賃が取られてしまう。 低価格商品といっても、日本企業が手掛けるものはシーズンを細かく分けて、適確に投入していくから売れ行きも違う。そんなMDの遺伝子が大ざっぱな米国ブランドにあるはずもない。売上げが上がらない、坪生効率が悪いとなると、採算は取れないというわけだ。
四つめは前出の通り、若者を中心に健康保険料や年金は払えないけど、プレステージ性のあるブランドを着たいとの欲求が強いこと。日本におけるブランド品を取り巻く蘊蓄は凄まじい。「オールド・ネイビーって、米国では貧乏人が対象だって」「俺はそこまで落としたくないよな」という会話が繰り広げられているのは、想像に難くない。
ただ、日本でも格差社会は確実に進行している。皆がどこかで生活費を切り詰めていることに変わりないのだが、ことファッションブランドとなると、「あまりに低価格商品は着たくない」というのが大半の消費者心理なのではないか。
ネットでは撤退を惜しむ主婦層の書き込みが多いようだ。あの胸元のロゴプリントがいかにもアメリカっぽく他のブランドにはない感性だから、わからないでもない。しかし、如何せん質が良くないのだから、子供たちに着せるにはコストパフォーマンスが悪すぎるはずだ。ブランドは他にいくらもあるわけで、すぐに慣れていくのではないかと思う。
これからまだまだアジアのSPAが日本に上陸する話もあるし、日本企業がM&Aで低価格ブランドを傘下に収め、展開を狙う計画も進んでいるだろう。しかし、オールド・ネイビーのケースを見る限りでは、アメカジ系のテイスト&感性軸で切った価格訴求型を一律に日本市場に持って来ただけでは、市場攻略は難しいと思う。
これまで日本のファッションビジネスを引っ張って来た方々は、60年代の米国ファッションに影響を受けた人たちが多かった。自分たちがそうだったから、多くの消費者にも肩肘張らずに着こなせるアメカジを受け入れやすいと思ったはずだ。実際、マーケットではその通りに反応し、多くのアメカジ系ブランド、それを日本流に解釈した業態が成立した。
しかし、オールド・ネイビーの完全撤退を見ると、潮目が変わったようだ。もはやアメカジ系であっても、単なるマスプロブランドでは、日本のマーケットは攻略できないということである。というか、マス市場自体が完全に飽和状態ではないか。それでも量を売って売上げを稼ぎたい企業や商業者は後を絶たず、次から次にブランドを仕掛けていくと思う。
それに再開発を含めて商業開発はこれからも続くし、デベロッパーから「スペースを埋めてほしい」との要求は、ファッション事業者以外まで取り込む状態が際立っていく。
だからこそ、マーケティングの論理からすれば、既存の市場、そこにあるパイを捨てたところに新たなビジネスがあるのではないかと思う。現状ではマスではないかもしれないが、点を拾い集めて面にしていくことは可能だ。ECから出発してアフィリエイトやフェイスブックといったSNS活用でブランディングし、じっくり市場を切り拓いた後に店舗展開をすればいいからだ。
そう考えると、市場開拓のキーワードはいくつかある。飽和度を考えるとイノベーションという大それたことではないにしても、ビジネス構想を立てる価値はあると思う。