鳩山内閣の支持率がある放送局の調査では30%を切って、危険水域に入ったという。これでは政権交代も本当に流行
語で終わってしまいそうだ。
ただ、一国民として期待するとすれば、唯一、4月26日から始まる「事業仕分け」。官僚支配から政治主導へ、天下
りの根絶、国家予算の使い道の抜本的な見直し。どれも大賛成だ。支持率が20%台と言っても政権は鳩山内閣が握って
いる。ここは枝野幸男行政刷新担当大臣や蓮舫参議院議員の理論武装と、歯切れのいい口撃に期待するしかない。
ただ、ファッション業界としては、素直に喜べない部分もある。すでに経済産業省からの支援が「仕分け」られてし
まったからだ。例えば、JFW(日本ファッションウィーク)。経済産業省は「日本の繊維産業の立て直し」と「海外に通
用するデザイナーの育成」の目的で、 昨年度まで年間6億円を支援してきた。
しかし、昨年の事業仕分けで識者から「世界的なデザイナーは国の支援を受けていない」「欧米の後追いでは意味が
ない」「繊維産業の立て直しに使われた部分が見えない」と厳しく指摘され、国が支援する理由が不明確として、「要
求の3分の1縮減」で決着した。
本年度は3.55億円、さらに来年度は3.35億円の支援でファイナルを迎える。これは中小零細のファッション関連企業
やスポンサーのつかないデザイナーにとっては、本当に痛手だ。
ただ、パリコレに進出したコム デ ギャルソンや、ヨウジヤマモトは国の支援なんか受けて成功したわけではない。パ
リコレデビューを果たすのに、ユダヤ人の実業家やアラブの王様に谷町になってもらうような欧米デザイナーとは大違
いなのだ。
すべて自社の力だけでやってきている。いくら川久保玲の実弟が元銀行マンでも、同社に融資が増えるはずもない。
財政事情が逼迫しているわけだから、国が言わんとすることは理解できる。
翻って、福岡アジアファッション推進会議、福岡アジアコレクションはどうだろう。地元のファッション産業の振興、
アジアへの情報発信、人材の育成を目的に発足し、イベントが展開されて2年が経つ。こちらにも福岡県や福岡商工会
議所を通じで、年間2000万円近い支援が行なわれている。その出所は国、つまり税金だ。
でも、こちらこそ産業振興にも人材育成にもつながっているとは言い難い。2年も経過してその存在さえ、知らない
ファッション事業者さえいるくらいだ。しかも、コレクションのプロデュースは放送局で、実施はイベント会社である。
事業仕分けのメンバーでなくても、「繊維関連やファッションの事業者ではない」から「廃止の方向で行かせていただ
きます」と言いたくなる。
すでに放送局はコレクションには大手流通業などのスポンサーを付け、ショーデビューのブランドを専用サイトで販
売している。ビジネスモデルを作り上げたのだから、支援はもう十分だろう。
それより、地元の零細アパレルやフリーのデザイナーの活動を支援したり、優秀な人材の育成するようなコンテスト
など、本来の目的に使うべきではないだろうか。それさえ、仕分けされてしまえば、本来受けるべき人々や企業、団体
が支援を受けないまま、終わってしまうことになる。
この4月1日から、事業の一環として「ファッションサイト福岡」というポータルサイトが稼働している。こちらの
制作費も国の「緊急雇用創出基金」から2700万円程度が拠出された。この金額がサイト制作に十分だったか、不十分
かどうかはどうでもいい。結果的に完成したサイトを見る限り「最低の出来」だ。これが福岡のファッション情報の発
信機能なんて言えば、世界のファッション業界のもの笑いになる。正直、業界人としては掲載するのが恥ずかしい。
コンセプトからコンテンツ、フレームワークデザイン、そしてSEO対策まで、問題箇所は上げればきりがない。ここ
では文字数にも制限があるので詳細は避けるが、こちらも一部の利害関係者の思惑で制作されような面が否めない。費
用の使われ方があまりに不透明なのである。
もっとも、サイトそのものの出来も最低だから、これに税金が使われたとみれば、長妻昭厚生労働大臣や山井和則政
務官がならずとも、厚労省の役人ですらクレームをつけるだろう。そして、事業仕分けの前にメスを入れる事業がまだ
まだあると思うかもしれない。
先のコレクション同様に「切るべきはどこか」。見えるような気がする。
語で終わってしまいそうだ。
ただ、一国民として期待するとすれば、唯一、4月26日から始まる「事業仕分け」。官僚支配から政治主導へ、天下
りの根絶、国家予算の使い道の抜本的な見直し。どれも大賛成だ。支持率が20%台と言っても政権は鳩山内閣が握って
いる。ここは枝野幸男行政刷新担当大臣や蓮舫参議院議員の理論武装と、歯切れのいい口撃に期待するしかない。
ただ、ファッション業界としては、素直に喜べない部分もある。すでに経済産業省からの支援が「仕分け」られてし
まったからだ。例えば、JFW(日本ファッションウィーク)。経済産業省は「日本の繊維産業の立て直し」と「海外に通
用するデザイナーの育成」の目的で、 昨年度まで年間6億円を支援してきた。
しかし、昨年の事業仕分けで識者から「世界的なデザイナーは国の支援を受けていない」「欧米の後追いでは意味が
ない」「繊維産業の立て直しに使われた部分が見えない」と厳しく指摘され、国が支援する理由が不明確として、「要
求の3分の1縮減」で決着した。
本年度は3.55億円、さらに来年度は3.35億円の支援でファイナルを迎える。これは中小零細のファッション関連企業
やスポンサーのつかないデザイナーにとっては、本当に痛手だ。
ただ、パリコレに進出したコム デ ギャルソンや、ヨウジヤマモトは国の支援なんか受けて成功したわけではない。パ
リコレデビューを果たすのに、ユダヤ人の実業家やアラブの王様に谷町になってもらうような欧米デザイナーとは大違
いなのだ。
すべて自社の力だけでやってきている。いくら川久保玲の実弟が元銀行マンでも、同社に融資が増えるはずもない。
財政事情が逼迫しているわけだから、国が言わんとすることは理解できる。
翻って、福岡アジアファッション推進会議、福岡アジアコレクションはどうだろう。地元のファッション産業の振興、
アジアへの情報発信、人材の育成を目的に発足し、イベントが展開されて2年が経つ。こちらにも福岡県や福岡商工会
議所を通じで、年間2000万円近い支援が行なわれている。その出所は国、つまり税金だ。
でも、こちらこそ産業振興にも人材育成にもつながっているとは言い難い。2年も経過してその存在さえ、知らない
ファッション事業者さえいるくらいだ。しかも、コレクションのプロデュースは放送局で、実施はイベント会社である。
事業仕分けのメンバーでなくても、「繊維関連やファッションの事業者ではない」から「廃止の方向で行かせていただ
きます」と言いたくなる。
すでに放送局はコレクションには大手流通業などのスポンサーを付け、ショーデビューのブランドを専用サイトで販
売している。ビジネスモデルを作り上げたのだから、支援はもう十分だろう。
それより、地元の零細アパレルやフリーのデザイナーの活動を支援したり、優秀な人材の育成するようなコンテスト
など、本来の目的に使うべきではないだろうか。それさえ、仕分けされてしまえば、本来受けるべき人々や企業、団体
が支援を受けないまま、終わってしまうことになる。
この4月1日から、事業の一環として「ファッションサイト福岡」というポータルサイトが稼働している。こちらの
制作費も国の「緊急雇用創出基金」から2700万円程度が拠出された。この金額がサイト制作に十分だったか、不十分
かどうかはどうでもいい。結果的に完成したサイトを見る限り「最低の出来」だ。これが福岡のファッション情報の発
信機能なんて言えば、世界のファッション業界のもの笑いになる。正直、業界人としては掲載するのが恥ずかしい。
コンセプトからコンテンツ、フレームワークデザイン、そしてSEO対策まで、問題箇所は上げればきりがない。ここ
では文字数にも制限があるので詳細は避けるが、こちらも一部の利害関係者の思惑で制作されような面が否めない。費
用の使われ方があまりに不透明なのである。
もっとも、サイトそのものの出来も最低だから、これに税金が使われたとみれば、長妻昭厚生労働大臣や山井和則政
務官がならずとも、厚労省の役人ですらクレームをつけるだろう。そして、事業仕分けの前にメスを入れる事業がまだ
まだあると思うかもしれない。
先のコレクション同様に「切るべきはどこか」。見えるような気がする。