2、3日前の夕方、打ち合わせを終えて事務所に戻って来た時、マンション前に店を構えるコムデ・ギャルソン福岡店のスタッフ、Mさんからショップ前で声をかけられた。
いつも通り丁寧な言葉遣いで、「呼び止めたついでになんなのですが、11月17日限りでここを閉店することになりまして」と、切り出された。
コムデ・ギャルソンは、DCブランド好きなコアなファンに支えられているだけで、爆発的な売上げをマークしているわけではない。かといって、最近は韓国や中国の旅行者にも売れているようなので、正直「えっ」という感じだった。
よくよく話を聞くと、「ここに出店して11年が過ぎましたから、いったん福岡店のプロジェクトを終了させてもらいます。自社ビルではありませんから、新店舗で新たな船出をするということです」とのことだった。
撤退ではなく、リロケートのようである。大学時代に青山のショップを見てブランドを知り、社会人になってからも時々購入してきた。まさにDCブランド世代として、また素材や縫製に一家言をもつ人間として、見逃せないアイテムも多かった。
最近は歳をとったせいで、さすがに毎シーズン欠かさず購入することはなくなったが、アメカジ崩しのセレクトやSPAなんかよりははるかに惹かれるデザインや素材感は多い。自称モード派として、また業界人としてもビジネスやプロモーションなど、いろいろ学ぶことは多かった。
気になるのは移転先である。口頭で「祇園町の大博通りを挟んで、水道局方面に行った承天寺の真向かいです」との説明された。博多生まれの当方にとっては、 この辺は庭のような場所だから、良く知っている。
でも、気を利かせてくれたのか、Mさんは一旦ショップに戻り、手書きの地図を持ってきて詳細に説明してくれた。
元来、コムデ・ギャルソンは東京・青山で生まれてショップを構え、ビルインの直営やFC、専門店への卸で、世界中に広がっていった。旗艦店はだいたいブランドショップが軒をならべる一等地と相場が決まっていた。
ところが、移籍先はロケーションは、住所は博多駅前1丁目だが、ファンにとっては辺鄙なところかもしれない。ただ、この地域は下呉服町にかけて神社・仏閣が多く、博多駅界隈や大博通りの喧噪が嘘のように静かな佇まいだ。
県外から買い物だけに来る連中には馴染みのないエリアだろうが、 通りを挟んで祇園、冷泉と繋がり、国体通り以南は博多山笠の区割りになる。櫛田神社などとつながって博多を訪れる観光客の散策コースにもなっている。
博多の歴史や文化ともいい塩梅のマッチングを考えると、新たなギャルソンイメージが醸し出されるかもしれない。現に某ドレスブランドも、東長寺のロケーションが気に入り、境内でショーをやったと聞くし、当方もそれより前に某ファッション事業の企画書には、同寺でのコレクションショーの計画を盛り込んでいる。
表参道・原宿だって神宮前なのだから、ロケーションとのマッチングは業界人なら誰でも考えつくこと。企業として、ブランドメーカーとして「もうビジネスは一等地ではない」を証明する契機にもなるだろう。
ラインナップはレディスの「コムデ・ギャルソン」「ジュンヤ・ワタナベ」「トリコ」をはじめ、「ユニバーサル ユーティリティ」「ジュペ」など、メンズでも「オムプリュス」「シャツ」「ジュンヤ・ワタナベ・マン」「プレイ」「パヒューム」などほぼフルアイテムで、今度はワンフロアで揃うという。
これまでシーズン毎のプロモーションには惹き付けられるものがあった。これが近くで見られなくなるのは残念だ。博多駅にはさして惹き付けられるブランドはないから、天神からわざわざ出かけることはない。
でも、このエリアは地元だから仕事のついでに歩いてみることはこれまでにも多かった。Mさんはオープニングパーティにも誘ってくれたが、先日のY-3の時といい、レセプションはどうも苦手なので、仕事が一段落したら行ってみよう。
いつも通り丁寧な言葉遣いで、「呼び止めたついでになんなのですが、11月17日限りでここを閉店することになりまして」と、切り出された。
コムデ・ギャルソンは、DCブランド好きなコアなファンに支えられているだけで、爆発的な売上げをマークしているわけではない。かといって、最近は韓国や中国の旅行者にも売れているようなので、正直「えっ」という感じだった。
よくよく話を聞くと、「ここに出店して11年が過ぎましたから、いったん福岡店のプロジェクトを終了させてもらいます。自社ビルではありませんから、新店舗で新たな船出をするということです」とのことだった。
撤退ではなく、リロケートのようである。大学時代に青山のショップを見てブランドを知り、社会人になってからも時々購入してきた。まさにDCブランド世代として、また素材や縫製に一家言をもつ人間として、見逃せないアイテムも多かった。
最近は歳をとったせいで、さすがに毎シーズン欠かさず購入することはなくなったが、アメカジ崩しのセレクトやSPAなんかよりははるかに惹かれるデザインや素材感は多い。自称モード派として、また業界人としてもビジネスやプロモーションなど、いろいろ学ぶことは多かった。
気になるのは移転先である。口頭で「祇園町の大博通りを挟んで、水道局方面に行った承天寺の真向かいです」との説明された。博多生まれの当方にとっては、 この辺は庭のような場所だから、良く知っている。
でも、気を利かせてくれたのか、Mさんは一旦ショップに戻り、手書きの地図を持ってきて詳細に説明してくれた。
元来、コムデ・ギャルソンは東京・青山で生まれてショップを構え、ビルインの直営やFC、専門店への卸で、世界中に広がっていった。旗艦店はだいたいブランドショップが軒をならべる一等地と相場が決まっていた。
ところが、移籍先はロケーションは、住所は博多駅前1丁目だが、ファンにとっては辺鄙なところかもしれない。ただ、この地域は下呉服町にかけて神社・仏閣が多く、博多駅界隈や大博通りの喧噪が嘘のように静かな佇まいだ。
県外から買い物だけに来る連中には馴染みのないエリアだろうが、 通りを挟んで祇園、冷泉と繋がり、国体通り以南は博多山笠の区割りになる。櫛田神社などとつながって博多を訪れる観光客の散策コースにもなっている。
博多の歴史や文化ともいい塩梅のマッチングを考えると、新たなギャルソンイメージが醸し出されるかもしれない。現に某ドレスブランドも、東長寺のロケーションが気に入り、境内でショーをやったと聞くし、当方もそれより前に某ファッション事業の企画書には、同寺でのコレクションショーの計画を盛り込んでいる。
表参道・原宿だって神宮前なのだから、ロケーションとのマッチングは業界人なら誰でも考えつくこと。企業として、ブランドメーカーとして「もうビジネスは一等地ではない」を証明する契機にもなるだろう。
ラインナップはレディスの「コムデ・ギャルソン」「ジュンヤ・ワタナベ」「トリコ」をはじめ、「ユニバーサル ユーティリティ」「ジュペ」など、メンズでも「オムプリュス」「シャツ」「ジュンヤ・ワタナベ・マン」「プレイ」「パヒューム」などほぼフルアイテムで、今度はワンフロアで揃うという。
これまでシーズン毎のプロモーションには惹き付けられるものがあった。これが近くで見られなくなるのは残念だ。博多駅にはさして惹き付けられるブランドはないから、天神からわざわざ出かけることはない。
でも、このエリアは地元だから仕事のついでに歩いてみることはこれまでにも多かった。Mさんはオープニングパーティにも誘ってくれたが、先日のY-3の時といい、レセプションはどうも苦手なので、仕事が一段落したら行ってみよう。