「レナウン、中国企業が買収」。さる5月24日、レナウンが中国企業への傘下入りを発表したニュースは一般メディアも大きく報道したが、ファッション業界ではそれほど深刻には受け止められていない。むしろ、日本の大手アパレルが中国企業に買収されるのは、今後も続くと思われるとの見方が支配的だ。
レナウン株の4割を保有して資本提携し傘下に収めたのは、中国繊維大手、山東省に本社をおく「如意科技集団」。同社はその理由を高級衣料品の戦略などで両社が一致する点や補い合う点が多い。我々は生地の技術でリードしており、レナウンは強力なデザイン力と流行をとらえる力を持っていると説明。さらに繊維メーカーから総合衣料品グループへの飛躍を目指す上で、レナウンの商品企画力が欠かせないとの見方を示した。
まあ、ファッション業界で中国は生産基地として当たり前になっており、また市場としても少子高齢化で縮小する日本より有望なのも当たり前。それゆえ、別に驚くことではない。むしろ、企業の再建もできず、株式をつき次と売買していくファンドより、世界最大のビッグマーケットに照準を当て、じっくりビジネス戦略を進めるには中国企業と組んだ方がよっぽどいい。
それに如意は単なる繊維大手で商品開発力をもたない企業だけに、レナウンおよび傘下のブランドはのどから手が出るほど欲しかったはずだ。中国のファッション市場はまだまだ発展途上だし、富裕層も中間層も低所得者層もファッション=ブランド=記号という意識が強い。記号を付けたブランド品の違法コピーが一向に収まらないのがいい例だ。
中間層を中心にユニクロやハニーズのようなカジュアルも浸透しつつあると言われるが、デザイナーブランドのようなクリエーションはまだまだなじまない市場と言える。それゆえ、アーノルド・パーマーを筆頭にワンポイントマークを日本でヒットさせたレナウンのDNAは、むしろ中国攻略に適するかもしれない。如意の邱亜夫会長も、レナウンブランドの中国展開に関してはすでに全国規模の企業集団と接触しており、一度に100店規模で出店することも可能だと語っている。それらの多くがレナウンブランドによるセレクトショップもしくは、シンプルライフなどのオンリーショップになる可能性は高い。
中国人が日本人のように志向が多様化するか、それとも記号ファッションをずっと好み続けるか。現時点では判断できない。ただ、日本がそうであったように市場が成熟するには10年、20年のスパンと経済発展とのリンクが必要だ。また、多様化すると言ってもひとつの市場規模は数千万人と、日本の比じゃない。単独でもビジネスとしては十分ペイする。
当然、レナウンのブランドが浸透すれば、並行してコピーされて行くのは間違いない。アーノルド・パーマーが「アーノルド・プーマー」に、シンプルライフが「シンプルライク」になったタグが溢れるのは想像に難くない。それを覚悟してもレナウンが再建するのは、中国市場での成功しかない。時間は十分にある。生き返るか、消滅するか。今後の動静を見て行きたい。
レナウン株の4割を保有して資本提携し傘下に収めたのは、中国繊維大手、山東省に本社をおく「如意科技集団」。同社はその理由を高級衣料品の戦略などで両社が一致する点や補い合う点が多い。我々は生地の技術でリードしており、レナウンは強力なデザイン力と流行をとらえる力を持っていると説明。さらに繊維メーカーから総合衣料品グループへの飛躍を目指す上で、レナウンの商品企画力が欠かせないとの見方を示した。
まあ、ファッション業界で中国は生産基地として当たり前になっており、また市場としても少子高齢化で縮小する日本より有望なのも当たり前。それゆえ、別に驚くことではない。むしろ、企業の再建もできず、株式をつき次と売買していくファンドより、世界最大のビッグマーケットに照準を当て、じっくりビジネス戦略を進めるには中国企業と組んだ方がよっぽどいい。
それに如意は単なる繊維大手で商品開発力をもたない企業だけに、レナウンおよび傘下のブランドはのどから手が出るほど欲しかったはずだ。中国のファッション市場はまだまだ発展途上だし、富裕層も中間層も低所得者層もファッション=ブランド=記号という意識が強い。記号を付けたブランド品の違法コピーが一向に収まらないのがいい例だ。
中間層を中心にユニクロやハニーズのようなカジュアルも浸透しつつあると言われるが、デザイナーブランドのようなクリエーションはまだまだなじまない市場と言える。それゆえ、アーノルド・パーマーを筆頭にワンポイントマークを日本でヒットさせたレナウンのDNAは、むしろ中国攻略に適するかもしれない。如意の邱亜夫会長も、レナウンブランドの中国展開に関してはすでに全国規模の企業集団と接触しており、一度に100店規模で出店することも可能だと語っている。それらの多くがレナウンブランドによるセレクトショップもしくは、シンプルライフなどのオンリーショップになる可能性は高い。
中国人が日本人のように志向が多様化するか、それとも記号ファッションをずっと好み続けるか。現時点では判断できない。ただ、日本がそうであったように市場が成熟するには10年、20年のスパンと経済発展とのリンクが必要だ。また、多様化すると言ってもひとつの市場規模は数千万人と、日本の比じゃない。単独でもビジネスとしては十分ペイする。
当然、レナウンのブランドが浸透すれば、並行してコピーされて行くのは間違いない。アーノルド・パーマーが「アーノルド・プーマー」に、シンプルライフが「シンプルライク」になったタグが溢れるのは想像に難くない。それを覚悟してもレナウンが再建するのは、中国市場での成功しかない。時間は十分にある。生き返るか、消滅するか。今後の動静を見て行きたい。