ファッションビルを運営するパルコがついに「しまむら」をリーシングする。店舗は同社では郊外店に位置づけられる千葉県の「パルコ津田沼店」。出店場所はパルコB館2階になる。パルコを渋谷イメージの都市型ファッションビルと思っている諸兄からすれば、「えっ、あのパルコにしまむらが出るの!?」って不思議に映るだろう。
パルコ=都会=おしゃれ、しまむら=郊外=ダ◯いと考えがちだから、無理もない。もし、渋谷と同じなら地元に住むヤングはわざわざ渋谷まで出かけなくて済むという考え方もできるが、若者がはたして津田沼店を渋谷と同じ次元で捉えているかである。逆にヤング以外の地元住民はパルコで買物したくても、欲しい商品がないと感じているはずだ。マーケットの買物人口を見た時に、どちらが有益か。当然、後者になるだろう。
現にA館にはニコアンド、TK、B館にもジーユー、ページボーイ、無印良品など郊外ショッピングセンターでお馴染みのテナントが顔を並べる。これはパルコのイメージを守りながら、少しは地域のマーケットニーズも対応しようということである。
7月4日に津田沼店にオープンする「ファッションセンターしまむら」は、売場面積こそレギュラー店の半分くらいだが、それでも200坪程度の規模を誇り、パルコが通常リーシングする20~30坪級のテナントとはケタが違う。
商品構成もフルラインで、ウィメンズ、メンズ、キッズから寝具まで揃うというから、完全に周辺に展開するイオンショッピングセンター、イトーヨーカドーを意識し、GMSよりのMDを加味する狙いがあるのかもしれない。
ここまで書くと、「あのパルコもそこまでやらないと厳しい」「若者向けの高感度テナントを誘致する不文律は過去のもの」「空きスペースを埋めるためには四の五の言ってられない」。だから、集客力があって販売効率も高いしまむらを誘致したと、結論づけられそうだ。
しかし、今回はさらにその先まで考えてみたい。しまむらを店づくりやレイアウトだけで捉えれば、確かにパルコのテナントには不釣り合いである。ただ、同社はこのところティーンズなど若年ラインのMDも強化している。さらにsoup.やJELLY、Popteenなど雑誌を利用したプレス活動にも積極的だ。
もはや「シマラー」などいう一時のブームではなく、彼女たちのライフスタイルに完全に食い込もうとしているのだ。それをパルコがいち早く察知したとすれば、さらにその先を考えてのことだろう。昨今のパルコが力を入れているイベント戦略である。
パルコとしまむらがタイアップして、ティーンズを対象としたミニファッションショーなどが企画できるかもしれない。それに地元の女子高生を参画させれば、顧客の青田買いが出来なくはない。彼女たちは車の免許を持たないから、郊外SCに奪われることもない。
学校帰りにショップの商品で引きつけ、週末にイベントを展開して相乗効果を発揮できれば、既存のテナントでは捕捉できなかった10代のマーケットが開拓できる。むしろ、彼女たちの発想を積極的に活用していかないと、デベロッパーやアパレル小売業の論理だけで、新たなムーブメントは起こすには限界が来ている。
プロモーションについては、パルコの十八番だろう。「パルコ×しまむら」なんてキャッチコピーは十分考えられる。断っておくが、これはクリエーター諸氏を小バカにしているわけでも、自虐ネタで卑下しているわけでもない。
マーケティングが混沌としている中で、時には玉石混淆のクリエイティブ戦略もありではないかということだ。むしろ、今はそうした表現の方が消費者の目を引く。パルコ=先端、しまむら=ど◯くさなんて、切り口で語っている人間こそ、遅れているのではないかと思う。
パルコ=都会=おしゃれ、しまむら=郊外=ダ◯いと考えがちだから、無理もない。もし、渋谷と同じなら地元に住むヤングはわざわざ渋谷まで出かけなくて済むという考え方もできるが、若者がはたして津田沼店を渋谷と同じ次元で捉えているかである。逆にヤング以外の地元住民はパルコで買物したくても、欲しい商品がないと感じているはずだ。マーケットの買物人口を見た時に、どちらが有益か。当然、後者になるだろう。
現にA館にはニコアンド、TK、B館にもジーユー、ページボーイ、無印良品など郊外ショッピングセンターでお馴染みのテナントが顔を並べる。これはパルコのイメージを守りながら、少しは地域のマーケットニーズも対応しようということである。
7月4日に津田沼店にオープンする「ファッションセンターしまむら」は、売場面積こそレギュラー店の半分くらいだが、それでも200坪程度の規模を誇り、パルコが通常リーシングする20~30坪級のテナントとはケタが違う。
商品構成もフルラインで、ウィメンズ、メンズ、キッズから寝具まで揃うというから、完全に周辺に展開するイオンショッピングセンター、イトーヨーカドーを意識し、GMSよりのMDを加味する狙いがあるのかもしれない。
ここまで書くと、「あのパルコもそこまでやらないと厳しい」「若者向けの高感度テナントを誘致する不文律は過去のもの」「空きスペースを埋めるためには四の五の言ってられない」。だから、集客力があって販売効率も高いしまむらを誘致したと、結論づけられそうだ。
しかし、今回はさらにその先まで考えてみたい。しまむらを店づくりやレイアウトだけで捉えれば、確かにパルコのテナントには不釣り合いである。ただ、同社はこのところティーンズなど若年ラインのMDも強化している。さらにsoup.やJELLY、Popteenなど雑誌を利用したプレス活動にも積極的だ。
もはや「シマラー」などいう一時のブームではなく、彼女たちのライフスタイルに完全に食い込もうとしているのだ。それをパルコがいち早く察知したとすれば、さらにその先を考えてのことだろう。昨今のパルコが力を入れているイベント戦略である。
パルコとしまむらがタイアップして、ティーンズを対象としたミニファッションショーなどが企画できるかもしれない。それに地元の女子高生を参画させれば、顧客の青田買いが出来なくはない。彼女たちは車の免許を持たないから、郊外SCに奪われることもない。
学校帰りにショップの商品で引きつけ、週末にイベントを展開して相乗効果を発揮できれば、既存のテナントでは捕捉できなかった10代のマーケットが開拓できる。むしろ、彼女たちの発想を積極的に活用していかないと、デベロッパーやアパレル小売業の論理だけで、新たなムーブメントは起こすには限界が来ている。
プロモーションについては、パルコの十八番だろう。「パルコ×しまむら」なんてキャッチコピーは十分考えられる。断っておくが、これはクリエーター諸氏を小バカにしているわけでも、自虐ネタで卑下しているわけでもない。
マーケティングが混沌としている中で、時には玉石混淆のクリエイティブ戦略もありではないかということだ。むしろ、今はそうした表現の方が消費者の目を引く。パルコ=先端、しまむら=ど◯くさなんて、切り口で語っている人間こそ、遅れているのではないかと思う。