富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

コケの謎

2008年07月17日 | 日記・エッセイ・コラム

仕事が早く終わったので、丸の内の丸善書店に立ち寄った。
ゲッチョ先生の新刊「コケの謎」が並んでいる。
「冬虫夏草の謎」は何処にあるかと探したら…なんと!草木の棚に並んでいるではないか。確かに草だ。
最近、屋上緑化への有用性も注目されているのだが…それにしても有為の人は「苔」に走るのだろうか?


今度はツクツクボウシタケ

2008年07月15日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
今日金子さんが植物園へ先日(7月12日)に氷見市上田にある上田神社で採られた冬虫夏草を持って来られた。
採られた時には写真を撮っておられ、その画像を一足先に見せてもらっていたが、その写真にはセミの幼虫から出た白いカビ状のきのこ?が写っていたので、カミキリムシやバッタなどによく見られる白きょう菌類(ボーベリアの仲間)が寄生した「虫カビ」ではないかと思っていた。
しかし今日、実際に標本を見せていただき、小さな白いカリフラワー状をした頭には、短いなりにしっかりした柄が付いており、これからセミの仲間から発生するツクツクボウシタケであることがわかった。
このきのこはセミのツクツクボウシやアブラゼミの終齢幼虫から発生するが、私はセミの知識がないためこのきのこの出ているセミがどんな種類であるか判断ができない。しかし、標本にはセミの前足にあるシャベル(前足の先が特殊化して土を掘るのに適した部分)があるため、専門家に尋ねればセミの種類はわかるものと思う。
富山県ではツクツクボウシタケの発生は初記録で、石川県では能登島や金沢市の大乗寺山、兼六園で発生が確認されているものの、かなり珍しいきのこに当たる。

昨日このHPに書いたマイヅルナガエムシタケと言い、今日のツクツクボウシタケと言い、富山県にとって珍しい冬虫夏草がいろいろ見つかる年である。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


冬虫夏草のこと

2008年07月14日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
先日(7月12日)に薬勝寺池公園の定点観察会で伊藤さんが見つけられました冬虫夏草の仲間について報告します。
この種類はまだ新種報告はされていません(つまり学名はCordyceps sp.)が、和名はマイヅルナガエムシタケという名前が清水大典先生の冬虫夏草図鑑(家の光協会)に載っています。

名前の通り、この種は最初(1990年)京都府の舞鶴で小西思演氏によって発見されました。ついで北陸の石川県金沢市の倉ヶ岳で1992年に見つかりました。
さらに3ヶ所目は1998年7月19日に富山県砺波市の頼成の森で、友の会きのこ部会の観察会の際に見つかりました。しかし、頼成の森の発生地は森林管理のため付近の雑木や下草を伐採したため、以後この場所でのマイヅルナガエムシタケの発生は今も見られません。
今回の発見は全国で4ヶ所目のマイヅルナガエムシタケの発生地だと言えます。
また今回の発見は日本で4ヶ所目(世界でも4ヶ所目ということ)でありますが、今まで見つかった場所では継続して発生していないそうなので、今のところ確実な産地は世界でここだけと言えると思います。

また採集した虫付きの2個体の標本のうち、1個体は来週大山で行われる日本冬虫夏草の会へ床尾さんに持って行っていただくことになりました(最初の発見者の小西氏に見ていただくことになりました)。

ただ、採集した個体は未熟であり子のう胞子がまだ出来ていません。このため成熟した個体を採集したいと思いますので、今しばらく採集はお控え下さい(またこの種の絶滅にも繋がります)。8月にはより成熟すると思いますので、表面の子のう果の様子(棒状の表面ににきびのようなぽつぽつが多数表れる)を見てから採集したいと思います。
どうぞ、このことをご了承ください。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/

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ゲッカビジンの様子など

2008年07月14日 | ニュース

伊藤さん
富山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
「富山きのこクラブ」のHPに伊藤さんが採られたムラサキヤマドリタケのころっとした幼菌の姿が印象的でしたが、あの姿を見ると薄切りをニンニクとトウガラシで風味をつけたオリーブオイルで炒めたパスタを食べたいなあと思いました。
やっぱり食いしん坊なんんですね(道理でダイエット?していますが、いっこうにウエストは細くなってくれません)。

伊藤さんの写真を見ても、ようやく遅れていた梅雨明けに出る夏のきのこの顔が見られるようになってきました。梅雨の雨もまだ降るでしょうし、この段階的な雨で次々にきのこが出てくれるものと思っております。

植物園もゲッカビジンの蕾がかなり大きくなってきました。
開花は当日の朝にならないとお知らせができないものの、今の姿からは今週末の7月18日(金)~翌週頭の21日(月・祝)あたりになるのではと想像しています。
開花当日には、友の会の皆さんへメールやお電話でご連絡いたしますので、なるたけ多くの(一人でも多くの)皆様のご来園をお待ちしています(なんせ、橋屋がゲッカビジン観賞の担当者なので、入園者数が多くないと困ってしまいます)。
どうぞよろしくお願いいたします。

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/


第4回 定点観察会

2008年07月12日 | きのこ

富山きのこクラブの皆様
土砂降りになったかと思うと、からからに晴れ上がる…北陸の梅雨とは思えない天気が続いていますが、きのこにとっては(もとい、きのこ好きにとっては)あまり有難くないですね。
今日は…晴れ…風が有るのでやや過ごしやすい中、10名のメンバーが集まりました。
Dscn0285冒頭、橋屋さんから前回の採取記録と「ベニタケ族の話(その1)」が配られました。前回の分だけで#63まで番号付けがされています。

とても小さい…不明種。
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3県観察会でのハナサナギタケ採取場所とよく似た環境には、冬虫夏草が出ていました。甲虫の幼虫から出ている様子で…ヒメクチキタンポタケ?マイヅルナガエムシタケ(2008.7.17 橋屋さんのご指摘により修正)…たくさんの固体が見られましたので、成熟を待つこととなりました。ハナサナギタケも採取されました。
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今日はツルタケがたくさん見られました。
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ツルタケダマシ
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ムレオオイチョウタケ
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傘に条線のある、白い、テングタケの仲間
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今回はいろんなきのこが出始めたせいか…とてもスローペースで、見えないふりをして看過したものも幾つかありましたね。100を超える(釣り用語では1束)きのこが採取され、写真の記録が終わったのは13:00をまわっておりました。
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キアシヤマドリタケ(北陸のきのこ図鑑仮称)
キアミアシイグチに似ていますが、味がマイルド(食毒不明!)で幼時管孔が白い菌糸で覆われている点が異なっています。
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7月20日は吉峰でのきのこ観察会です。蚊の対策をお忘れなく。また、今日参加された県立大/佐藤先生のご協力で、電子顕微鏡講習会が企画されています。どうぞお楽しみに!

昼食の帰りに、ヤマドリタケ仲間の様子を見てきました。
ムラサキヤマドリタケ
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老・盛・幼とここ1週間の間に五月雨式に発生している様子です。
古洞の森のアカヤマドリはどうなっているのでしょうか?

_/_/_/_/_/ 伊藤春雄 _/_/_/_/_/