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トランプはなぜ敗北を認めようとしないのか?

2021-01-13 21:55:01 | Weblog

ドナルド・トランプはどうやら最後まで選挙での負けを認めないまま大統領の座を去るようだ。

ここでまず断っておくが、私は先の大統領選挙で不正が行われたかどうかを判断する何の情報も持っていない。だから選挙が正当なものだったかどうかは、ここでは議論しない。ここで論じるのは、「なぜトランプは、あれほどまでに頑なに敗北を認めないのか?」だ。

この問いに対して、熱烈なトランプ支持者は「実はトランプが勝っていたのに、票が不正に操作されて負けたことにされてしまったからだ」と答えるだろう(あなたが心の底からそう信じて疑わないなら、これが上の問いに対する唯一の答えだろうし、多分これ以上、この記事を読んでも得られるものはないだろう)。それ以外にも「自分の熱狂的な支持者をつなぎ止めておくため」や「次の2024年の大統領選出馬を見据えた戦術」という答えも囁かれている。実際それも理由としてあるだろう。だが、私はそれとはまた別の理由があるように感じている。

私はドナルド・トランプを個人的に知っているわけでもなければ、彼の評伝の類を読んだこともないので、正直なところ以下は単なる想像でしかないのだが、選挙で不正があろうがなかろうが、そして開票結果がどうであろうが、彼は自分が勝ったという主張はぜったに譲らなかっただろうと思う(で今、実際にそうなっているわけだが)。ただ、それは彼が空気の読めない/空気を読まないワガママ男だから、ということではなく(まあ、ある種のサイコパスではあるだろうが)、古いタイプの成功法則を(ほとんど信仰に近いところまで)信奉しているからではないだろうか。

古いタイプの成功法則では、思考は現実化すると教えられる。つまり、「ネガティヴなことを考えたり口にしたりすると、ネガティヴな現実を引き寄せてしまう。だからポジティヴな現実を引き寄せたいなら、ポジティブなことだけを考え、ポジティヴな言葉だけを口にしろ」というわけだ。

ドナルド・トランプは莫大な富を築いた、いわば立志伝中の人物だが、その成功は、そうした古いタイプの成功法則に忠実に従うことで成し遂げられてきたものなのではないか。

実際、彼の言動の裏にはそんな古いタイプの成功法則の影が見え隠れする。例えば、彼は大統領になってからも自分の政策に異を唱えたり、自分に苦言を呈するような閣僚をことごとく更迭している。一見すると、天下人の地位まで登りつめた人物が周りをイエスマンばかりで固めて独裁者と化していく過程そのもののようだ(し、実際そうかもしれない)が、トランプの場合はむしろ、ネガティヴな現実を引き寄せいないように自分の周囲からネガティブな言葉を完全に排除するためだった、と私には思えるのだ。

仮にそうだとしても、そこまでしてそんな成功法則にこだわる必要はないのでは、と普通は思う。けれど、それに忠実に従ったことでアメリカ大統領にまでなった、という事実があったとしたら、どうだろう。2016年の大統領選挙でトランプは途中まで泡沫候補に過ぎないと言われていたことを思い出そう。それが共和党候補になり、ついにはトランプ相手に勝利は確実と見られていたヒラリー・クリントンを破って大統領になったのだ。それがもしポジティブなことだけを考え、ポジティヴな言葉だけを口にしたことで引き寄せたポジティヴな現実の結果だとしたら?

だから今度の選挙でも、トランプが敗北を一切認めないのは、4年前の時のようにポジティブなことだけを考え、ポジティヴな言葉だけを口にしていれば、どんな形であれ必ず(大統領に再選されるという)ポジティヴな現実を引き寄せられると信じているからではないだろうか。

トランプの発する言葉には力がある。その言葉の持つ力は例えば、マンソン・ファミリーを主宰し女優、シャロン・テイト殺害事件を引き起こしたチャールズ・マンソンや、ガイアナで集団自殺した人民寺院(Peoples Temple)の創始者、ジム・ジョーンズなどとも共通するものだ。実際、トランプ支持者たちが彼の言葉に応じて連邦議会議事堂に乱入する事件が起こり、死者も出て全米を震撼させた。

もし私の想像通り、トランプが古い成功法則の信奉者で、そのポジティヴ思想によって(彼にとっての)ポジティヴな現実を引き寄せようとしているのならば、それは世界をどう作り変えるのだろうか?


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