途中になってたファーゴ4、エピ7〜9を一気見しました!
イタリア人とアフリカ系のふたつのギャング団の争いと内輪揉めを軸に、
アフリカ系ギャング団の金融ビジネスから借金を抱えるアフリカ系女性と白人男性のミックスマリッジ家庭、
そこの家の優等生お嬢さんから匿名の暴露手紙を勤務先に送られて、犯罪がバレそうな白衣の悪魔看護婦(彼女はイタリア人ボスの愛人)、
借金してる奥さんの姉とレズビアン恋人の脱走囚人コンビまでギャング団と絡んで、
中央駅で警察とギャングが撃ちまくって死体の山な1950年のカンザス・シティです。
そうしたメインの話にまるでスピンオフのように挿入されるエピソード9こそ、私が見たかったラビ(ベン・ウィショー)が主役の1編です!
ウィショーさん自身がインタビューで語っていたように、子供の頃から人質として別コミュニティに入れられ、ずっとギャング団組織の一部として、しかしもちろん異分子として生きてきたラビ。銃弾戦でも決して“Another one bite the dust”(他のギャングたちのように撃たれて簡単に死ぬ)にはならず、孤高の姿の消し方で描かれていたのが圧巻。よかった・・・誰よりも孤独なラビを、こうして扱ったファーゴは偉い。
ところで実はこのエピソードの主役はラビではなく、彼が守って逃亡しているアフリカ系ギャングのボスの息子なんです。このエピはオープニングのあとずっとモノクロ映像でできていて、ラビが帰ってこないと悟り潜んでいた宿の部屋を出て行く時に世界がカラーに戻るからです。その瞬間まで彼が主役とは気づきませんでした・・・!
そして世界がカラーになった時、少年はラジオの声を聞きます。「私はアルファであり、オメガである」これは新約聖書の「ヨハネの黙示録」からの有名な一節で、意味は「私はすべてである」というのが一般説ですが、この場合は、少年が監禁から解放されたことでしょう。
面白いのは、ラビは少年がイタリア人ギャングの人質になった時からお世話をしていますが、いつも少年をひとりにさせる時は「俺が戻って来ないとしたら刑務所か死んだ時だ」と絶対に見捨てないことを誓って出かけるのですが、ラビは少年の誕生日プレゼントをこっそり買いに行くため宿屋のおばさんに「もしあの子が俺を探していたらすぐ戻ると伝えてくれ」と言い残すのです。そして戻れなくなってしまうのです。
もう一つの象徴はラビが気になって仕方がなかったビルボード。ポスター貼りのおっさんがなかなか仕上げないので「The future is...」(未来は・・・)で、ラビもついには
最後の文字「NOW」を見るのですが、意味がわからず怪訝な顔。ポスター貼りのおっさんは「これがついに終わったから俺にとっては失業だ」と暗い未来なのですが、少年が宿屋を出て外に向かって歩いた時に初めて出会うのがこのポスターなのでした。
そして物語は最終エピ10を残すところのみ。
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(それはウィショーさん以外にギャング団の血の争いを見なくてはならぬためであるな、うん)