7月18日に棋聖戦第4局が行われ、藤井聡太棋聖が佐々木大地七段に勝利し、3勝1敗で防衛しました。4期目の棋聖獲得です。
全体を通して藤井棋聖の苦戦が目立ちましたが、得意の終盤に抜け出し、佐々木七段を何とか振り切った印象です。
第4局もAIの形勢は一時、佐々木七段が90%を超える勝利確率になりましたが、実際にはAIの示している手が難しく、佐々木さんがそれを指せずに、再び藤井さんが逆転しての勝利でした。
それにしても藤井聡太竜王・名人と言えども、防衛が難しくなってきました。初めてタイトルを獲得した頃は、しばらく藤井さんにタイトル戦で勝つのは難しいと思われましたが、わずか3年で状況は変わりました。
何故、このようになったかと言えばAIの急速な進化です。昨日、芥川賞・直木賞が発表されましたが、チャットGPTに代表されるAIの発達で、小説家も将来的には危ういかもしれません。
将棋は小説よりも答えがはっきりしているものなので、AIの得意分野であり、すでに人間は歯が立ちません。例え藤井さんであっても。
AIを抜きに考えれば藤井時代はあと20年続いたかもしれません。しかし、いかに不世出の天才であってもAIの急速な進化には太刀打ち出来ません。
これからはいっそ、AIの奴隷になった棋士が頂点に立つのかもしれません。藤井さんはAIの示した手であっても、自分が納得しなければ取り入れないと聞きました。
藤井さんは将棋に美学を持っています。彼はAIの奴隷などにはならないでしょう。
それにしても難しい時代になりました。