【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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日本のロック、ポップスこそ、字義通りの「産業ロック」「産業ポップ」だったと実感

2012年07月21日 | マーケティング話
32年ぶりの脱原発第2弾<M.U.S.E. Benefit For Japan Relief>、熱演

これは昨年8月のニュースですが(黒字部分引用)。

1979年、スリーマイル島の原発事故の後、ジャクソン・ブラウン、ジョン・ホール、ボニー・レイット、グラハム・ナッシュがM.U.S.E.「Musicians United for Safe Energy(安全なエネルギーを求めるミュージシャン連合)」を立ち上げ、同年9月NYのマジソン・スクエア・ガーデンで<NO NUKES>(原子力発電所建設反対運動)コンサートを開催。ブルース・スプリングスティーンなども出演し、その模様は映画でも公開され3枚組レコードとして発売された。今回のイベントはその第2弾となるもので、32年ぶりのNO NUKESコンサートとして、広島と長崎の原爆記念日の間である2011年8月7日に設定されていた。




日本の場合、故 忌野清志郎さんとか、ザ・ブルーハーツとかが頑張ってたようだけど、米国では70年代後半から、ミュージシャン達がこんなムーブメントを展開していたわけだ。

80年代、ジャーニーとかREOスピードワゴンとか、売れ筋狙いのわかりやすい米国のロックバンド群のことを、「産業ロック」(注)と茶化してたけど、実は字義通りの「産業ロック」「産業ポップ」って日本のポピュラー音楽全てのことだったわけだ。。。

(注)南田勝也によるロックミュージックの3要素、(1) アウトサイド(反抗・集団凝固性)、(2) アート(芸術・卓越化)、(3)エンタティンメント(楽しみ・大衆性)」のうち、(1)と(2)の要素が弱く、(3)の要素が強い、と私は解釈する。

80年代後半から90年代に隆盛を極めた「Jポップ産業複合体」(by 烏賀陽弘道)だけでなく、社会全体の話である。
レコード会社の親会社が原発を推進する企業ということを含め、世の中全体の「グランドデザイン」の問題だ。
現在の私たちの社会インフラは、全て原発の存在を前提にデザインされてきたわけで、原発に関するネガティブな話題はタブー化されてきた。

日本におけるタブー化とは、おそらく世界に類を見ないほど驚くほど整然としたものだ。
例えば、昭和天皇ご崩御の際、権力、いや誰からも強制されることなく、テレビ局は番組編成で見事な「自粛」をした。
(ここまで成熟化した日本では、エジプトやリビアのような暴動は起こらないわけ。原発関係のデモで人は集まっているようだけど、1940年代から70年代までのような暴徒化はないだろうと考える)

前に書いた記事の橋本治の論に従えば、お金儲けの「哲学」はあっても「美学」のなかった日本の企業と産業界、ということになる。

いや。
企業と産業界だけの話ではないんじゃないかな?
「原発」をタブー化させてきたのは、行政や企業のプロパガンダのせいばかりではないのではないか?

不謹慎を承知で言わせていただくと、東日本大震災に伴う福島第一原発の事故は、「天罰」とまではいわないが、私たち日本人と社会に対する「警告」としか思えなくなってきた。

が、最後に重要なことを指摘しておく。
私は「産業ロック」「産業ポップ」とカッコをつけて表現した。
もともとロックもポップも産業であるからだ。
カッコをつけたのは、80年代に定義された「産業ロック」が皮相的な意味を持っているからである。

カッコをつけなければ、産業ロックよりも音楽産業と同様、ロック産業と言ったほうがいいだろう。
我々にとってロックもポップスも含めた音楽とは、常にメディア環境とともにあったわけだ。

これがCMLI (Cultural Marketing Lab INOUE) の見解だ。

とりわけ、わが国においては企業・商品CMの影響抜きにして音楽体験はない、と言っても過言ではないだろう。
たまたま、今朝聴いていた曲だが、MORGAN FISHERの「SHIFT anthem」
日産の企業CM用に書き下ろされた曲だ。

真夏のはずなのに寒くて小雨も降ってる STRANGE なこんな日にお薦めだ。



このアルバムの16曲目には、元祖「産業ロック」Journeyの「Don't Stop Believin'」も入ってるね(笑)。
暑苦しい(笑)ので、こういう曲もこういう寒い日に悪くなかったりして(笑)。
ハードロックがお好きな方には。

Journey - Don't Stop Believin' (Live in Houston)

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