【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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ギャルファッションは雑貨的自己表現? 「きゃりーぱみゅぱみゅは原宿系なのか?」

2012年05月17日 | マーケティング話
相変わらず、女性誌の考察って面白い。
流行のサイクルが速くて、あわただしいけど。

■きゃりーぱみゅぱみゅが登場するまでのトレンドの流れ

・2007年 エビちゃんブーム(モテ)の終焉と小悪魔agehaの台頭

・2008年 ageha全盛期を経て話題の中心が宝島社に(sweet人気)

・2009年 mixiから発生した森ガール

・2010年 渋谷と原宿のカワイイ合体!GO!渋原系!

・2011年 ガーリーとオタクの禁断合体!GO!オタクガーリー!

「以上。キーワードをまとめますと、同性ウケ、カジュアルベース、ミックススタイル、 アキバ的要素、ブロガー(読モ)出身。これがこの5年間の女性誌の流れであり、 その文脈を全て踏んでいるのがきゃりーぱみゅぱみゅなのです。 まさに今を体現しているファッションアイコンと言えるでしょう」


これって、三浦展が『第四の消費』で語っているところの、「雑貨」文化的要素じゃないかな? と。



まず、ファッションで自己主張するのって、実は大変なこと。
(バブリー時代のイケイケだった皆さんも疲れたことでしょう・・・。)
三浦が言うところの「不安な消費者に見られる傾向」の一つとしての「永遠志向」。
たとえば海外の高級ブランドってのは、消費者の「自分らしさ」に近づくわけじゃなくて、消費者が「ブランド」のほうに近づくべきだという態度をとっている。
つまり、高級ブランドなどは、「自分らしさ」のような「ぬるい」次元を超えた絶対的なものということ。

もちろん、ギャルのファッションってのは、高級ブランドとは違いますな。

「しかし、そうであるがゆえに、ファッションは自己表現として重すぎると言える。自己を表現しすぎる、自分をひとつのスタイルを持った人間として表現しすぎるのである。そこには遊びが足りない」(『第四の消費』三浦展著、朝日新書、2012年4月、119~120頁)

「そこで、ある特定のスタイルに、意図的に別のスタイルを加え、全体として少し「ズレた」印象を与える必要がある。そのとき、雑貨というものが有効であった」(同、120頁)


この「雑貨」って、ギャルファッションとコンセプトが通じるんじゃないかな? と私は考えるわけです。
特に、「ミックススタイル」の要素ね。

■きゃりーぱみゅぱみゅは原宿系なのか?



「渋原系にアキバが加わり、トレンドが次のステップに進むのか(新しい〇〇系の誕生)。 それとも渋原×アキバは原宿系の一部として吸収されていくのか。見物ですね」

確かに見物というか、興味はありますね。
そういえば、もちろんこのマップにはありませんが、「高円寺ルック商店街」あたりの「ギャル」はどうなんでしょうかね?
「裏原」と並ぶが、ちょいとマイナーだから面白いエリアなんですが。

「オリーブ系」なんて、まだ生息してたんですね、絶滅危惧種ながら。。。
90年代で終わってたかと思ってたんですけど。

「ギャル」の生態、特に「パギャル」については、電通ギャルラボさんが調査結果を統計解析した書籍(↓)はありますが、それはそれとして、統計解析結果ではないこういうマッピングのほうが実用向きだし、わかりやすいんですよね、実際の話。



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