【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

トレンド分析ML251の文化マーケティング関連Blogです。ML251の主業務はトレンド分析をコアにしたデスクリサーチ。

「I am a rock, I am an island」?

2012年07月28日 | 徒然
今日は週末だし、Cultural Marketing Lab INOUE(CMLI)、つまり拙宅の(笑)写真を一部アップしてみる。
(と言っても、こなすべき業務は週末に関係なく溜まってるんだが・・・)
(それでも明日の日曜日は、父の誕生会。実家で日本一、自分の口に合うと思ってる鰻の蒲焼を食する)

どうも蔵書が増えて。
どうみても今後、開くことのないだろう書籍は売ってしまったが。
昨年、初めて書籍を書いたが、やはり10年、20年、30年前に買った書籍が重要な参考文献になったりするし、ブームだった「断捨離」とやらを実行する気にはならないね。
学生時代、友人から聞いた話によると、引っ越すたびに蔵書を全て捨てる人がいたという。
そういう態度・行動にも哲学はあるし、ある意味、自分も憧れたこともあるが、要は人は人、自分は自分、自分のスタイルに忠実のほうがいい、というのが齢を重ねた私の考え。
実際、10代、20代の頃に読んだ文庫本のほとんどを実家の建て替え(90年代後半)のときにほとんど処分してしまったことを後悔している。とうの昔に絶版になった良書があったからだ。
(自分でもリリースしといてこんな言い方も何だが・・・)電子書籍とやらがそんな私のデマンドに応えられるなんて、今の時点では想像できない。

「第四の消費社会」(三浦展)では「シェア」(注)がキーワードだが、文学部時代、教授達からの影響もあって「書籍は自分で買って読まなければ血肉化しない」という考えは今でも変わらない。
私が最も影響を受けたマーケターの先生も、「本は自分で買え! 会社で買うもんじゃない」というポリシー。
実は、私、神経質で図書館の本をめくると鼻がムズムズ痒くなる(アレルギー?)という体質だったせいもあり、今でも本の貸し借りは好きではない、という理由もあるんだけどね。

(注)「第四の消費社会」における「シェア」とは、「同質化」を求めるのではなく、皆が違うのは当然の上でそれを互いに尊重し合うという個人主義の価値観が大前提になっていること(三浦)に注意。

3月まで私が草鞋を脱いでいた会社では、そこそこ社内に蔵書があった。
分野は違うとはいえ、私の蔵書よりも数は少なかった。

「オイオイ、君達(特にマネジメント層の諸君)、そんなんでクライアントからナメられないマーケターになれると思ってんのか?」とずっと思い続けてきた。
「知らないこと」を知ったふりをして、クライアントにはすぐ見抜かれる。。。

メーカーのマーケターには、自ら進んで書籍で勉強されている方は少なくない。
そもそも自発的な「興味」から読んでおり、「勉強」という意識はないと思う。
また、業界・業種横断型の集まり(勉強会、セミナー)に参加される方も多い。

私が考えるに、マーケターに向いた「資質」(向いてること)というものがある。
誰からも強制されることなく、自らの興味と意思で書籍を読んだり、異業種や異業態の方々と交流し知見を与えたり得たりする。
これが自然にできるのが「資質」のある人の「必要条件」だろう。
リサーチユーザーであるメーカー・流通のマーケティング担当者、リサーチャーやマーケティング・コンサルタントと呼ばれる人達もそれに変わりはない。

だが、全てのマーケティング業務に携わる人間に、こういった「資質」があるとは限らない。
(それに、社員の多様性は必要であり、10人中10人が「資質」のある人間ばかりだとしても組織はうまく回らないんだけどね・・・)
だから、企業が半強制的に書籍の購読を薦めたり、(私の知る複数のマーケティング企業は)各学会やセミナーに業務として社員を聴講に行かせたりしている。

松尾順(まつおっち)さんが書かれたこちらのブログには、「インサイト」についての的確な見解が述べられている。
少々長いが引用させて頂く。
***************************************
そして、インサイトを取り出すためには、
「統計解析」のようなテクニカルな分析ツールを
駆使することに加えて、マーケティングで言えば、
下記のような様々な学問・研究領域の知見を

「解釈ツール」

として用いなければならないのです。

・マーケティング理論
・消費者行動研究
・社会学
・人類学
・行動経済学
・人間工学
・環境心理学
・社会心理学
・エスノグラフィ
・表情分析


繰り返しになりますが、
データの中にインサイトがあるわけではないのです。

したがって、インサイトを自分の頭の中から
取り出す力を高めるためには、多様な学問分野に
ついての体系的な学習が不可欠になってきます。

さらに言えば、分析者も、
一人の消費者・生活者として、
豊富な実体験を積み重ねていることも必要でしょう。

例えば、分析者自身は朝から晩まで仕事漬け、
人気スポットに行く時間も取れない、
テレビ、映画やスポーツもろくに観ない。

そんな分析者が、一般消費者の意識調査データを
いくら眺め、分析したところで、有効なインサイトは
出てこないと思いませんか・・・?


マーケティング業界ではこれまで、
統計解析のようなテクニカルな「分析力」を
高めることについての議論は盛んに行なわれて
きました。

しかし、「解釈力」の重要性、および、
解釈力を高めるための、学問・研究領域の知見の活用
についての議論はほとんどなされてこなかったように
思います。


(以上、黒字部分が引用箇所)
***************************************

世の中の「マーケティング・コンサルタント」を名乗る企業は、理想として上記のような能力を社員に身につけさせたいわけだ。
が、私の経験則で言わせてもらえば、全ての社員が個人の「自発性」、つまり「資質のある人」でもない限り、このような理想は「絵に書いた餅」でしかない。
ただ、とても難しいのは「資質のある人」同士が、互いの違いを認識しながら尊重し合う、という態度がなければ、組織としては崩壊してしまうことだけどね・・・。
「俺が! 俺が!」という痛すぎる事例はいくらでも見てきたし、事実、自分もそうだった時期もあった。
それでも「理想のワークスタイル」ってのはあるけど(笑)。

マーケティング企業は、「紺屋の白袴」の喩えのように、自社のコア・コンピタンスを自ら理解していないケースが多い。
例えば前述した私が草鞋を脱いでいた企業の場合、データの統計解析においては卓越した能力を持っている。
「『統計解析』のようなテクニカルな分析ツールを駆使すること」に卓越している。
それは、クライアント企業も認めるところの「アイデンティティ」だ。
私も4年間、そこそこ楽しませてもらったし、得たものも少なくなかった。
ニッチな「コア・コンピタンス」だが、ニッチだからこそ貴重というものだ。
「偏重」と言われてもいいぐらいに「データ」にこだわるのもいいだろう。
そのかわり、「ないものねだり」は止めた方がいいと思うんだがね・・・。
「柔らかい頭」なんて持つのは無理だから、「堅い頭」を徹頭徹尾、堅くするのほうがクライアントから尊重・尊敬される道なんじゃないかな?
余計なお世話だろうけどね(苦笑)。

もちろん、私だって上記の学術分野を全て網羅などしてはいない。
自分に「興味」があって、しかも「得意な分野」こそがコアなのだ。
上記にはない「音楽社会学」は、現在進行中のプロジェクト(ビジネス案件)でフルに活用している。
歴史性のあるトレンド分析もしかり。
もちろん、今、携わらせて頂いてるマーケティングリサーチの業務だって面白い。
自然にモチベーションが高まるのだ。

書籍の数にしても、処分してしまったものが多いとはいえ、私の数倍の蔵書がある方も少なくはないだろう。
音楽CDにしても、たとえば知人の音楽マーケターの方は少なく見積もっても、私の10倍以上はあるはず(でしょ?)。

が、好きな書籍と音楽に囲まれて生活できることは幸せだ。

▼メイン書棚(音楽社会学とマーケティング書籍メイン。文庫は小説も)


▼20代の頃愛読していた現代思想・文芸批評


▼同じく(サブカルチャーの貴重な研究書から『1Q84』まで)


▼本棚に本を二重に入れると防音効果がある(?)と苫米地さんが書いていた。それがどうした?


▼新書は自販機で飲料を買う感覚で買うんで溜まる一方。結構処理しちゃったけど。
 そういえば拙著の参考文献、新書が多かったよな・・・。


▼CDラック


▼今はこんなに少なくなったアナログLP。だいぶ処理しちゃったからな・・・


▼栗山千明のRockテースト(テーストと参加ミュージシャンだけ・・・)なアルバムについてきたポスターをはがして、1本だけ出してあるギターを壁掛けにしたらすっきりした。
80年代後半の Fender USA.ストラトキャスターだよん。


▼これは、検索で見つけてお気に入りの動画。
原曲は私が20代の頃から好きだったけど、今はこんな「ひきこもり」じゃないからね。。。
「友情」も「愛情」も大切なのだ!

和訳で歌おうサイモンとガーファンクル"I am a rock " Simon & Garfunkel Cover


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