香港は昨日の5月21日は佛誕(釈迦誕生日)ということで祝日でした。
韓国やマカオも釈迦誕生日で祝日だったようです。他の国はどうだろう
と思い、ちょっと調べてみました。5月21日は香港と韓国、マカオだけ
は祝日なのですが、他の国は祝日ではない。一体これはどうなんだろう
という疑問が湧いてきました。
上の写真は、釈迦生誕地として知られるネパールのルンビニ(Lumbini)
です。ここはネパールなんですが、インド国境にも近い場所で、記念
公園のようになっているようです。ここは、悟りを開いたブッダガヤ、
初説法を行ったサールナート、入滅をしたクシーナガラとともに、仏教
の四代聖地と呼ばれています。
釈迦(ゴータマ・シッダールタ)が生まれたのは紀元前5世紀のことと
言われているようですが、資料が残っていないため、正確な生年を特定
することができません。古代インドでは、時間が記録されることが少な
かったようなんですね。だから誕生日と言っても正確なところは確かめ
ようがありません。
釈迦は、カピラヴァストゥの国王スッドーダナとマーヤーの子として
生まれます。母マーヤーの受胎告知に関しては、夢を見ている間に白い
象が体の右脇から入ったという伝承があります。やがて釈迦はルンビニ
の花園で生まれます。生まれた途端、七歩歩いて、右手で天を指し左手
で地を指して、「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげ、ゆいがどく
そん)と言ったという有名な逸話があります。
ネパールの宗教は、8割がヒンドゥー教、仏教は約1割という比率です
が、釈迦誕生日は祝日になっています。ヒンドゥー教でも釈迦は聖人の
一人(ヴィシュヌ神の化身=アバターラの一人)となっているようなの
ですね。それで日にちは、2010年の今年は5月27日。香港、韓国とは
6日の違いがあります。
さらに調べていくと、5月27日が釈迦誕生日ということで祝日になって
いる国はバングラデシュ。この国は約8割の人がイスラム教なのですが、
8世紀、9世紀あたりは仏教が栄えていてバハルプールという
世界遺産の仏教寺院遺跡があります。
インドは州によって法定祝日は異なるのですが、11の州が5月27日を
Buddha Purnima(釈迦生誕日)として祝日としています。
タイとマレーシア、インドネシアは5月28日。タイではVisakha
Buddha DayそしてマレーシアではWesak Day、インドネシアでは
Hari Raya Waisak Tahunと言われていますが、いずれも釈迦の生誕
を祝う祝日です。シンガポールは6月2日のVesak Day。微妙にずれ
ています。イスラム教国のインドネシアで、この日を国民の祝日と
定めていることはちょっと驚きです。
ところで日本は毎年、4月8日に灌仏会(かんぶつえ)が行われます。
いわゆる「花祭り」です。これは釈迦の誕生を祝うお祭りなのですが、
日本の日付が早いのは、明治時代に中国暦をグレゴリオ暦に変えた
ことの影響だと言われています。
各国の事情によって、釈迦の生誕日はこんなにもバラバラです。
また生まれた日だけでなく、悟りを開いた日、入滅した日も同じ日に
設定されていて、同時に祝うようなんですね。
ところで、中国が登場してきていません。この仏教大国はどうしたの
でしょう?中国は連休が整備されたために、釈迦誕生日がどっかに
行ってしまいました。同じ中国の香港がそれを祝っているのに、本国
がこの重要な日を重用視していないのが不思議です。
ところで、こちらはバンコクのルンピニ公園。
バンコクではタクシン派が占拠していた地域として有名でしたが、
じつはこの「ルンピニ」という公園の名前は、釈迦生誕地のネパール
のルンビニからとったものです。平和な花の園であるべき場所が
闘争の場となったのを見て、釈迦はどう思っていることでしょう。
数日前の写真ですが、炎上するバンコクの風景です。
釈迦が生きている時代も戦争は絶えなかったのですが、人類は全然
進歩していないことに愕然としているかもしれません。
よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。
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