南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

鯨とイルカに目くじらを立てる諸外国の議論に立ち入るか?

2010-05-11 00:11:26 | Weblog

今朝、朝日新聞をパラパラと見ていたら、こんな記事が出ていました。
「捕鯨の町」太地町住民、毛髪水銀が全国平均の4倍
捕鯨の町として知られる和歌山県太地町の住民約1千人を、環境省
国立水俣病総合研究センターが調査したんだそうですが、そうしたら
毛髪の水銀濃度が全国平均の約4倍に当たることがわかったのだそう
です。いろいろ調べていくと、「鯨肉などの摂取量と毛髪水銀濃度の
間には相関関係が認められた」というとのことでした。

近海の鯨やイルカの水銀汚染のことは前々から報じられていて、6月
日本でも封切りが予定されているドキュメンタリー映画"The Cove"
でも指摘されていることです。この朝日新聞の記事は、映画封切りに
合わせて、日本から鯨文化を根絶させるためのプロパガンダの一環の
ような気もしないでもないのですが、何だかちょっと不気味です。

和歌山県大地町では、毛髪の水銀濃度は高くても、風土病的症例は特
に出ていないということで、引き続き調査は継続しているようです。
しかし、和歌山県大地町は、この町のイルカ追い込み漁をテーマに
した映画"The Cove"で世界から批判的な眼差しで見られている町な
ので、今回の水銀汚染の調査結果はさらにマイナス材料になります。

映画"The Cove"の日本上映のためのオフィシャルサイトはこちらです。
THE COVE [ザ・コーヴ]
アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞他、世界各地の映画際で23
の賞を受賞しているようです。この映画が題材にしているのは、
鯨ではなくてイルカ漁。私も知らなかったのですが、大地町では
イルカを捕獲し、食用にしていたというので、欧米オーストラリア
各国で非難の声が上がっているのです。たしかに鯨と違って、
イルカだとちょっと問題かもしれないという気がします。

その線引きの根拠は何かと言われると困るのですが、しかも水銀
汚染の問題もあり、今後に暗雲が立ちこめています。
こちらが映画のトレーラーです。せっかくなのでアメリカ版のHD
バージョンを。

この映画で登場するリック・オバリーは、その昔、「わんぱく
フリッパー」のドラマ・シリーズで、フリッパーの調教師兼俳優
をしていた人なので、イルカにはことの他関係が深いです。
若い人は知らないと思うのですが、「わんぱくフリッパー」は
人気番組でした。


さて、この"The Cove"が日本で公開されたらどのような議論が
巻き起こるでしょうか?

ところで捕鯨に関しては、欧米オーストラリアの過剰な反応は
ちょっとやりすぎとも思うのですが、あるいは私たちが明確に区別
している鯨とイルカの線引きを、彼らはしていないのかという気も
します。鯨とイルカを同類と見なせば、鯨を食べる日本人は許せない
という見解になるということは理解はできます。牛や豚や羊や鶏や
鹿はよくて、ペットになるような動物や鯨はダメという論理もわから
ないわけではありません。フランスではウサギとかを食べますが我々
からするととても残酷に思えます。フランスでも中国でも鳩を食べ
ますが、これもちょっと残酷。ブラック・プディングの豚の血で
すら残酷な気もするんですが、犬や猫だったら絶対に許せないです
よね。韓国では犬を食用にするという話も聞くのですが...

でも日本人として、私は鯨は好きです。鯨ベーコンは好きですし、
昔学校給食でよく出た鯨の唐揚げは懐かしいです。缶詰の鯨の
大和煮も好きでした。そういう食文化の伝統を外国人に頭ごなし
に批判されるのはちょっと頭にきます。しかしこのへんはどんなに
議論をつくしても理解は得られないのではないかと思います。

去年の日本の番組で面白い映像がありました。たけしの日本を
考えるTVで、『オーストラリア人に聞く!日本の捕鯨になぜ
そこまで反対するのか?』という討論企画です。10分以上あり
ますが、最後まで議論が噛み合ないのが非常に面白いです。


今年の三月に、アメリカのカリフォルニア州サンタモニカの寿司屋
で、鯨を出していたというので大問題になったことがありました。
サンタモニカの寿司店「ザ・ハンプ」はセレブ御用達の有名店なんだ
そうですが、ここで鯨の寿司が出されていたことが発覚し、海洋哺乳
類保護法違反の罪で米連邦検察局に訴追されたんだそうです。
えらい災難です。

この寿司店の前では、話題のシーシェパードなどのメンバーらによる
デモが行われたのだそうです。デモの映像はこちらです。

このデモには、"The Cove"のルイ・シホヨス監督も参加したとの
ことです。

アメリカは、今でこそ捕鯨には否定的ですが、以前は世界最大の
捕鯨国だったんですよね。日本の幕末の頃の話です。メルビルの
『白鯨』(モービーディック)は捕鯨船のお話ですね。こちらは
その映画のトレーラーです。


6月にモロッコで、国際捕鯨委員会(IWC)年次総会が開かれる
そうなんですが、IWCのマキエラ議長(チリ人)が4月22日に
発表した案は、日本が南極海で行う調査捕鯨の捕獲数を減らす一方、
沿岸小型捕鯨の再開を認めるという内容なのだそうですが、米代表団
を率いる商務省のメディナ首席副次官は、沿岸捕鯨再開も容認しない
と言っているんだそうであります。商業捕鯨は二十数年間禁止されて
いたのですが、それが再開されるかもしれないということだったのに、
アメリカが反対を示しました。この6月の総会どうなるんことで
ありましょうや。

よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。

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