南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

天国か地獄か

2010-05-18 00:07:46 | Weblog

4月にインド(ニューデリー)に行ったときに、観光バスでの
ミニツアーがあって、インド人のガイドの人が渋滞の時間つぶし
の時にマイクで喋っていた話です。ちょっと面白かったので、
このブログご紹介します。もとは英語で、細かいところまで覚え
ていないので、かなり自分で勝手に脚色はしてありますが。
上の画像は例によってパワーポイントにフリーのクリップアート
を貼付けたものです。では、どうぞ。

     

ある広告代理店に勤めていた男が死んで、これからあの世に
行くという段になって、天国に行くのか、地獄に行くのか選ば
なければならなくなったんですね。通常だったら、生前の行い
によって、天国に行くのか、地獄に行くのかは自動的に決まる
のですが、その男は、こんなことを主張したのだそうです。

「自分の希望と関係なく勝手に決められるのは、納得できない。
天国と地獄双方にプレゼンテーションをしていただき、自分が
納得したほうを選択したい」まあいかにも広告関係者が言い出
しそうな要求ですね。

それで、天国と地獄それぞれがプレゼンテーションをすると
いうことになったのだそうです。いわゆる競合プレゼンです。

まずは、天国からのプレゼンテーションが始まりました。
「それではプレゼンを始めさせていただきます。天国はご存知
の通り素晴らしいところです」
「ちょっと待ってください。ご存知の通りって、まだ私は行っ
たことがないので素晴らしいかどうか勝手に断定しないでくだ
さいよ。素晴らしいかどうかは私が決めますので、あなたは
私に天国のよさを、私にわかるように説明してください」
男は生前、クライアントによく言われていたような横柄な
態度で、ここぞとばかり、天国の担当者に注意をしました。

「わ、わかりました」天国の担当者は、汗をかきながら説明
をしました。この天国の担当者は、こういうプレゼンには慣れ
ていませんでした。あまり必要性がありませんでしたからね。
プレゼンを聞いているうちに、広告代理店の男は眠くなって
しまいました。

「ちょっとすみません、あなたの説明では、天国はとても平和
で、何の心配もないということはわかったんですが、なんか
退屈なんですよね。天国がそんなに退屈だったら私はあまり
気が進みませんね。ですのでもう結構です」

ということで、今度は地獄の担当者のプレゼンとなりました。
先ほどの天国の担当者とはうってかわって、弁舌爽やかです。

「地獄はみなさんとても嫌なところとの先入観がありますが、
それは事実とは異なります。(天国から生還した例は多少あり
ますが)地獄から生還してきた人というのはいないので、人間
の現世では、地獄はとても恐ろしいところだという勝手な
イメージが作られてしまっています。しかしそれは虚構です。
根拠のないフィクションです。実際は、地獄はとても楽しい
ところなのです。だからひとたび地獄にいらっしゃった方は、
もう絶対に天国だとか、現世だとかには戻りたくないと思う
のです。これは顧客満足度調査でも実証されています。実際、
過去の統計を見てみても、地獄に行ってから、戻られた方は
一人もおりません。つまり、地獄は、それほど素晴らしい
ところということなのです」

広告代理店の男は、その見事なプレゼンを聞いて目を輝かせ
ます。論理に矛盾点はないし、説明はうまい。担当者のプレ
ゼン能力も見事です。

「地獄では、現世では高くて、あるいは健康を気にして、
食べられなかったような世界一流のグルメ料理が食べ放題。
キャビア、フォアグラ、トリュフ、トロ、ウニ、アワビ、
伊勢エビ、フカヒレ、燕の巣、上海蟹、極上ステーキ、
ドンペリ、シャトーマルゴー、お好きなものを、お好きな
だけ、お金を気にする事なく楽しんでいただけます。
またお宿は世界最高設備の最上級のスイートをご用意いた
しまして、世界最高の美女達を時間人数無制限で侍らせます。
また、ギャンブルからスポーツまでありとあらゆる種類の
快楽を思う存分エンジョイいただけます。
しかも何とお値段は無料」

広告代理店の男は、すでに意を決していました。退屈な天国
などに比べて、何と地獄の魅力的なことか。地獄を選ばない
のは馬鹿だとさえまで思ったのです。

「わかりました、もうそこまで聞けば結構です。私は決め
ました。地獄に行くことにします」
と男は言いました。地獄の担当者はニヤリと笑い、男に契約
書にサインをさせます。二人は握手を交わし、男は晴れて
地獄に行くことになったのであります。

地獄に落ちる人間でこれほど意気揚々とした態度の人は
かつていたでしょうか?男は期待に胸を弾ませて、
スキップをしながら、地獄に降りていきます。

しかーし、男を待ち受けていたものは、限りなき快楽
などではなく、文字通り地獄の苦しみでした。それは文字で
書くのも恐ろしい、ありとあらゆる拷問です。

男は、頭にきて、すぐに地獄のマネージャーに訴えました。
「ちょっと、これは騙されたとしか言いようがない!
プレゼンで説明された内容とあまりにも違う!これは酷い!
詐欺だ!これじゃ契約は無効!ちゃんとした本物の地獄に
連れていってもらいたい!」

地獄のマネージャーは、にやりと笑っていいました。
「ここが本物の地獄さ。ひとたびここに来たらもう戻れない。
あんたは自ら希望したんだよね。だからここに来たのさ。
天国に行くというオプションもあったのにね」
男は逆上しています。
「あのプレゼンした野郎に会わせてくれ!あいつが悪い!
諸悪の根源はあいつだ!あの嘘つき野郎め!」
地獄のマネージャーは言いました。
「ああ、あの彼ね。彼はうちの広報宣伝部の部長なんだよね。
あんた、広告をまともに信じちゃったわけ?広告ってもんが
いかに信じられないかってこと、あんた知らないわけないよね?」
男「...」

     

よろしければ、こちらもついでによろしくお願いします。

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