定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

トルファンとマリからの絵はがき 旅先からの便り

2018-10-26 11:53:34 | シルクロードの楽しみ方
 

郵便物を整理していたら、懐かしい絵はがきを2通見つけた。

1通は、去る10月21日にシルクロード雑学大学の定例会で講演してくれた法政大学探検部OBで、今は神楽坂で「bar Morrlü (バー モーリー)」店主の探検家・坂口篤史さんからのもの。1996年7月にトルファンからコルラまでロバで玄奘三蔵の足跡を巡った後に送ってくれた絵葉書だった。

絵はがきの写真はトルファンにあるホテルの正面、新疆ウイグル自治区のコルラという町で投函されていた。絵葉書の写真に写っているこの建物も今はない。
私は、2015年頃に、再度敦煌からトルファンまで自転車で10名ほどの仲間と一緒に行ったことがある。その時には、トルファンのホテルには冷房が入っていた。しかし、坂口さんから手紙をもらった1996年頃、招待所に冷房はなく部屋の中も暑かったように記憶している。ぶどう棚の下に身を置くと、暑さを感じることはなかった。そんな記憶がある。

坂口さんが出発する前に会っている。蘭州とトルファンの知り合いの連絡先を教えていた。そのお礼に続いて、私たちが8月に自転車で走るルートに風の強いエリアがあので、苦労するであろうことをアドバイスしている。日付は1996年7月25日。私は仲間30名ほどと一緒に、8月20日頃このルートを自転車で走っている。トルファンからコルラへ向かう箇所では、絵はがきで伝えてくれたアドバイスの通り、向かい風で苦しめられたのだった。

玄奘三蔵もこのようにして、行き交う旅人、キャラバンを仕事としている人たちから情報を得ながら、求法の旅を進めたのだと思う。インターネットが普及しても、このようにして情報を提供したり求めたりする旅のスタイルは、今も昔も同じだと思った。

 

もう1通は、吉田太一君からの絵はがき。アフリカのマリからだった。絵葉書の絵柄は、砂漠らしく熱砂熱風を思い出させる絵柄、ラクダを引く人の写真だった。

吉田君とは、1992年に中国の敦煌からチャルクリクまでラクダで一緒に旅している。約800キロを野営しながら砂漠やアルキン山脈を進んだ。60名近くの大キャラバンだった。写真の撮り方にも参考となる絵柄だ。当時、吉田君は慶応大学の学生だった。学生時代にボクサーのアリに会いにアメリカの刑務所まで行ったりした。静かな学生だが、行動的だった。今は新聞社に勤めている。

メールはタイムリーなので、それなりに便利ではある。しかし、絵はがきを見て、20年以上前の事、時間を越えて想像したり思い出したりできた。知らない人が撮った写真や絵もいい。その地域の事をよく知っている人が撮ったのだろう。知り合いが、若い時に書いた手書きの文字も楽しい。旅の雑踏や戸惑いの体験も飛び出てくるようにも感じる。

あの頃、私は海外へサイクリングに出たら、ときどき自分にも絵はがきを出していた。絵柄や文面の他に、各国の切手もまた楽しめることを知った。思いがけない情報があるものだ。次に海外へ行ったら友人はもちろんだが、自分にも絵はがきを出したいと思った。

読み返すのも楽しみの一つだった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿