定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

果物・野菜や麺を食べて、シルクロードを実感

2018-03-31 15:34:16 | シルクロードの楽しみ方
定年後にシルクロードを旅行したいと思っている人は多いだろう。
世界遺産を巡ったり、風光明媚な地を訪れたり、ショッピングを楽しんだりと様々な楽しみ方がある。

ここでは、日常生活で見たり触れている食べ物、自分で植えて楽しんで育てたりしている食べ物を通して、シルクロードを楽しむ方法を紹介したい。シルクロードを楽しむことが、日本にいても、旅先のバザールからも楽しめる。日常的なことだから、特別に準備をする必要はない。普段の楽しみを旅先でも味わうだけ。

 

「誰も知らない中国拉麺之路(ラーメンロード) 日本ラーメンの源流を探る」(坂本一敏著、小学館)を読んだのは、2009年だったと思う。「麺類を楽しむだけで、旅の楽しくなるんだ」と喜んだものだ。著者は近畿日本ツーリストに勤めていたのだが、仕事の最中もとにかく中国では麺を食べまくった。食べるだけでなく、ラーメンはどこから来たのかを探りながら中国国内で、ラーメンを食べながら旅を続けていた。日本のうどんやそうめんの源流まで突き詰めるために、章を設けている。また、中国ではそばをお米のように粒体(粒のまま)として食べているケースが多いが、どうして日本では麺になったのかも追いかけている。偉いなあ。Amazonで100円位より。旅先で、ラーメンを食べながら厨房を見せてもらおう。尚、中国語で引っ張るが「ラー」、それでできた細長いヒモのような食べ物が「メン」、つまり「ラーメン」とも言われている。中国でも中央アジアでも、麺類は「手打ち」が当たり前。お客さんの目の前で手打ちで引っ張って麺を伸ばしてくれる。そのパフォーマンスは、食べる前からの楽しみ。

まあ、食べるにはどうでもいい話だが。私の友人にも、毎日お昼は必ず麺を食べるという人がいた。彼は3食ラーメンでもいいというのだった。
まあ、日本国内で食べているだけだから、シルクロードの麺にまで話は届かないのだが。

「麺の文化史」(石毛直道著、講談社学術新書)は、小麦やそばを粉にした粉体を加工した麺類やパン、そばこがしなどをユーラシア大陸やアフリカにまで調査に出かけて、麺の製法なども調べて紹介している。文化人類学者らしい目の付け所、整理の仕方が面白いし、探検や旅行の参考になる。この本で「中央アジアには麺類をスプーンで食べる地域がある。キルギスだ」というようなことがあった。中国のカシュガルでもそんなお店があった。麺は細いけれども短かった。今風に、食べやすくしていたのかもしれない。本はAmazonで600円位より。

この2冊を斜めにでも読めば、中国や中央アジ中央などのシルクロードを旅行しながら、旅先での毎日の食事を通して文化の共通性や違いを楽しめる。



「麺の文化史」には、中央アジアの麺料理「ラグメン」が紹介されている。石毛氏は、ラグメンを調査するために中央アジアを訪れて食べ廻っている。わざわざ学者が出かけているだけに、事前に本を読んでいけば麺類を通して日本とシルクロードの文化交流の足跡に気づくに違いない。自分だけの発見となる。

 

「野菜の博物学」(青葉高著、講談社ブルーバックス)を開けば、野菜の原産地の表記がある。和食としてダイコンやカブ、ニンジンやネギを調理した料理を口にすることも多いが、これらの食材はシルクロードをとって日本に伝播したものだった。では、現地ではどのように調理しているのか。旅先で知りたいものだ。Amazonで200円位より。

 

同じように果物もシルクロードを通って日本でも食べられるようになったものが多い。「果物の博物学」(渡辺俊三著、講談社ブルーバックス)を開くと、リンゴ、ザクロ、ブドウは中央アジア原産。イチジクは中東や地中海が原産とある。原産地に近いほど色や形をみると品種が多いと思われる。Amazonで5円位より。購入代金は、その時々で変わっていきます。ご理解をお願いします。

私のベランダには、シルクロードから持ち帰ったブドウ、アンズ、クワのドライフルーツの種が、枝を伸ばしている。桑は白い実なのだが、すでに食べられるまでに育っている。植物は、昔のシルクロードの旅人が携行食品としてドライフルーツを持ち歩いた結果、日本でも栽培できるようになったのか。研究している人がいたら紹介してほしいものだ。

今年は、夏休みいいいいを利用して中央アジアのキルギス、トルクメニスタンを旅行する計画です。定年後の過ごし方を探している人、夏休みに海外へ行きたい人。シルクロードを旅行して、異文化と日本の文化との違いや共通性を発見してみませんか。



「聖書の植物」は、Amazonで1100円位より購入できます。Amazonで、聖書の植物に関する他の著書を探すこともできます。
「シルクロドからの博物誌」は、Amazonで1円から見つけることができます。




ウズベキスタン(中央アジア)のアングレンに抑留された人の探していた町はキルギス?

2018-03-18 18:00:27 | 中央アジアのシベリア抑留


シベリア抑留として中央アジアにあるウズベキスタンに捕虜として過ごしていた池田幸一さんが2月10日に亡くなった。97歳だった。

池田幸一さんは、アングレンという炭鉱で捕虜としていたのだった。その体験を「アングレン虜囚劇団」としてサンケイ出版から出版している。Amazonで14000円くらいからある。すでに絶版になっている。

この体験記の書評を書こうと思って再読している。ハナバードの夏という章で、「3か月の出張でキルギス共和国のハナバートへ行った」とある。そして、帰還後の1976年9月20日にもういちど収容所を訪問している。

どうしてもハナバートに行きたくて探したが、ウズベキスタンの地図では見つけられなかったし、ガイドに聞いても分からなかったと言う。

捕虜の時の話だが、ウズベキスタンからキルギスへは列車で行ったという。幸いにも、私の手元にはキルギスで買ったロシア語表記の地図がある.

アングレンから線路を辿ってキルギスへと指で追ってみた。キルギスに食い込むようにしてウズベクの領土が伸びている。その端にハナバートの地名を見付けた。実はウズベクの領地になっている。当時はキルギスだったのかもしれない。アングレンからは東に300キロほど離れていた。

この本を私は5年ほど前に読んでいるが、ハナバートの部分は覚えていなかった。池田幸一さんとは、5年ほど前からだが年に一回は何らかの会合で会っていた。もっと早く気づいたら、この地図を渡す事ができたのに思うと残念で仕方がない。不勉強なことを反省させられた。

だが、どうして池田さんはキルギスへ行ったと言っているのか。国境線が変わったのか。
今年の夏にキルギスへ行ったら確かめたいと思う。4月からだったと思うが、ウズベクもビザが不要となるとのニュースがある。
ジャララバードからウズベキスタンを通ってオシュへ向かうと、ほぼ真ん中にハナバートの町がある。楽しみだ。
参加希望者はメールか電話で連絡をください。

それにしても、キルギスをサイクリングするために買った地図が、収容所を見つけるのに役に立つとはラッキーだった。

 

2018の海外サイクリング・ハイキング 定例会

2018-03-11 16:35:41 | 定例会
 

今年のトルクメニスタンの遠征に参加をする新しい会員は、サイクリングもはじめてだという。出発までに北海道へサイクリングに行きたいと思っているという。具体的にどこへ行きたいのかと聞いたが、なんとなくということだ。何度もシルクロードへのサイクリングに参加している会員も「ガイドブックがある」「コースを紹と介している本がある」「アップダウンを考えたら海岸がいい」と話していた。

「塩狩峠はどうですか。三浦綾子の小説にある舞台へいくというのは」と呼びかけたが、「それはどこにあるんですか」との返事だった。
サイクリングのルートを決める際に、ともすると雑誌やガイドブックで紹介しているコースをなぞる観光サイクリングをしている人が多いかもしれない。

「塩狩峠」へのサイクリングは、所属している日本アドベンチャーサイクリストクラブのメンバーが、三浦綾子の小説「塩狩峠」を読んだり、高校の授業で教師から提案されたりして実際に現地を走っている。それで、話してみたのだった。


3月10日(土)にシルクロード雑学大学の定例会を開催した。

前半の14時から15時は、今年海外サイクリングやハイキングに参加する人たちによる打ち合わせ

7月21日(土)~8月1日(水)に「シルクロードハイキング 歩いて実感、天山山脈」キルギス を変更したいと、キルギス側に交渉している。飛行機や現地の旅行会社の都合で1日から2日、日程が前後ずる可能性があることを説明した。

8月17日(金)~8月28日(火)に「アムダリアからカスピ海へ旅する カラクム砂漠横断サイクリング」トルクメニスタン を変更したいとのことも改めて説明した。現地からの返事待ち。

どちらも夏休み中に実施する計画と変更になった。

また、トルクメニスタンへの海外サイクリングに参加するので自転車をはじめるというので、下記の本を紹介している。このブログでで何冊か紹介している。本は、図書館で借りるだけでなく、買った上で線を引きながら読んでほしいものだ。大事だと思うところはノートに書いて、このノートを元にして旅を計画してほしい。加齢とともに記憶力もあやふやになる。ノートに記録することは大事だなあと思う昨今である。

  

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シルクロード雑学大学を紹介している新聞記事


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定例会のお知らせ 3月10日(土)14時から シルクロード雑学大学

2018-03-08 16:44:43 | 定例会
  

シルクロード雑学大学 定例会のお知らせ

日時:2018年3月10日(土)14時から17時30分(13時30分から部屋は開いています)

テーマ:「わたしの定年後」

内容:今年の8月18日から29日の日程で、トルクメニスタンへサイクリングに行く予定です。このサイクリングに参加するメンバーをメインとして、遠征に参加しないメンバーも会員でない方も一緒になって「定年後の過ごし方」を自分の事例を話すなどしながら考えていきたいと思います。
   ➀在職中に定年後を意識した研修会があったか。
   ➁自身で定年後を考えたことがあったか。
   ➂どんな準備をしていたか。なにもしなかったか。
   ➃遠征に参加するにあたり準備していることがあるか(資料に関して、体力に関して)。
   ➄出発までに準備、トレーニングに関してどんな準備をしたいと思っているか。
    といったことを中心として、遠征に向けてや「定年後の生き方を話し合う」いたいと思います。

備考:先日、学生時代の仲間と会いました。その時に友人は「続けることは本当にいいのか」と問いかけていました。「止める決意ができなかっただけじゃないか。勇気がないだけじゃないか。続ける理由を考えられなかっただけじゃないのかな」と問いかけました。「諦める」といいますが、仏教では「明らかに見る事ができた」ことを示すと聞いたことがあります。自分を明らかに見る事ができたから、諦めることができたとのことだそうです。周囲は「もう諦めてバスに乗ったら」とすすめても、「まだ大丈夫」と返事をしていましたが、ホテルで夕食も食べられなくなった人がいまた。時速10キロほどしか出せなくなっていました。明らかに熱中症でした。トルファンのホテルに到着後も、しっかりした姿勢を保つことができませんでした。夕食も翌日の観光もパスしましたが、幸いにもホテルの冷房で助かりました。判断力を失った事例として、他の参加者の記憶に刻まれています。「自分を明らかに見る」ことができないために、「諦めることができなかった」ケースだと思います。諦めることを、仏教用語のように自分を把握していると肯定的にとらえたいものです。

資料代:500円
主催:シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会) 080-7940-6040

尚、定例会には誰でも参加できます。

  

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その2

新聞記事で知るシルクロード雑学大学

シルクロード雑学大学の問合せ先

「ツール・ド・シルクロード20年計画」イラン02

2018-03-01 17:03:22 | ツール・ド・シルクロード イラン


イランのカスピ海沿岸は緑も豊かだが、雨量も多いようだ。ただ、気温が高いので雨に降られてもあまり気にならない。それでも、宿に到着したら自転車に水をかけて泥を洗い流すと、直ぐにシャワーを浴びた。ただ、雨は長く続かなかったので、シャワーの後はすぐにカスピ海の海岸を散歩した。

  

カスピ海には海水浴客はいなかった。漁師のような人が一人、トラックのチューブを利用した浮き輪を使って漁をしていた。雨上がりだったが天候はよくなり、波もなくカスピ海は穏やかだった。海岸には、小さなか貝殻がたくさん打ち上げられていた。漁師のような人のところに、時々地元の住民と思われる人が近づいていく。カスピ海で捕った魚を売っているらしかった。カスピ海といえばチョウザメだが、数が減っていることもあり、このあたりにはいないらしい。

  

カスピ海の沿岸にある遺跡。すこし標高が高いだけなのだが、遺跡の上は見晴らしがいい。何処までも水田が広がっている。むかしは軍事的な要衝の地だったのだろうか。カスピ海を往来する船にとって、灯台の役割も果たしていたのだろうか。

  


カスピ海沿岸の街は、いたってのんびりとしていた。子供たちは手伝いに夢中で、孫を背負って子守をしているような女性も見かけた。売っているのだろうと思われる羊が、道路わきで時々メェーとなく。この辺りでは羊の放牧を見かけない。乗用車に乗せて売りに来ているのだろうか。