朝日新聞の夕刊で探検隊NPOとうたっているNPO法人「南アジア遺跡探険調査会」が、スリランカで仏塔遺跡や岩絵を発見したことが報じられている。
注目したいのは、隊長を務めている岡村隆さん(70歳)は、法政大学の学生時代に探検部のメンバーとして「セイロン島密林仏跡調査隊」に参加して数多くの遺跡を発見し、定年後もセイロンの遺跡の発見という、学生時代と同じ目的で探検を続けている点だ。定年後の過ごし方のヒントになると思う。
また、岡村さんが地平線会議での報告会で強調していたように、今では小乗仏教を信仰する人が大多数を占めるスリランカで、小乗仏教が12世紀に排除されるまで大乗仏教が信仰されていた点にある。日本では仏教を信仰している人の多くが大乗仏教を信仰している。スリランカで仏教遺跡を求めて探険することは、日本への仏教の伝播のルートや時代を知ることにもつながると考えられる点だと思う。
『キリギスタンへの誘い』というキルギス共和国を紹介している書籍で、考古学者の故・加藤九祥先生は「イシッククル湖周辺には見事な温泉があり、探検家ブルジュワリスキーの墓と記念碑、カラコルの石人、タムガ村のオム・マニ・マメド・フム(チベット文字)と刻まれた岩、サカ時代の古墳など名所旧跡が少なくない。」と紹介している。
中央アジアにあるキルギスにもチベット仏教、大乗仏教は伝播していたようだ。岡村さんの守備範囲も広くなりそうだ。
タムガ村にある岩は「タムガ・タシュ(タムガ門、タムガの石の意味らしい)」。シルクロード雑学大学の会員の前田さんは、「前にはイシククル湖が広がっていて景色が素晴らしい」と話していた。わたしが見たのはブッシュの中。目の前に湖は広がっていなかった。川が流れていた。風景が違うので、異なる岩を見ていたのだろう。
タムガの周囲にあり「タムガ・タシュ」と言われる岩は、何か所かあるようだ。次にタムガへ行った時に、GPSで確かめたいと思う。