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6月12日ビジャフランカからサリアまで 67キロ
朝起きると、月が出ていた。今日も快晴か。j
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朝食をとりながら、スタッフとルートに関して話し合った。毎朝のことだ。
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cグループは、山の上まで車で行くことにした。O CEBREIROまで車、ここから自転車だった。スタ―ト地点は、雲海の上だった。
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歩く巡礼者は、朝早くに出発していた。
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塑像を施している十字架がいくつもあった。
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ここまでは、つらい上り坂だった。上ると教会があった。
目の前に、教会。
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また、巡礼者用の宿もあった。
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教会の中にはか何か国語かの聖書が並べられていた。それだけ、様々な国の人が来ているということだろう。中には、点字の聖書もあった。スペインでは、独裁者フランコの時代に視覚障碍者が経済的に独立できるようにと、視覚障碍者による宝くじの販売が始まったという。働く人も視覚障害者だ。だから今でも、土日は休日なので宝くじの販売を休むという。このような発想は、日本でも紹介したり普及してほしいものだ。日本は、政治家や銀行、印刷会社などの利権が絡んで複雑なのだろうが。人権を認めることが大事なのに、障害者の人権にたいする意識が日本は遅れているなあと思った。
基本に返ってほしいものだ。
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教会の脇のお土産屋さんでは、巡礼の品物としてホタテガイが並んでいた。そのわきで、フランス人とドイツ人の女性に気仙沼から持ってきたホタテガイを渡した。もちろん説明もしている。喜んで受け入れてくれた。ありがたいことだ、
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自転車を引いて上った道を、歩いて上る人も多い。最後の坂はきつかった。歩くのもきつい。坂の上にレストランがあり休憩できるようになっていたのはありがたかった。地獄に仏とはこのことか。写真を撮っておけばよかった。
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坂を下りてほっとしていると、大家族が待っていた。ホタテ貝の説明をしてサンチャゴまで持ってほしいと依頼すると、嬉々としてとして喜んでくれた。子供たちは、メンバーが貝殻に貼ってくれた富士山や桜のシールに興奮気味だった。珍しいらしい。
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坂の上には、像が立っていた。風の強い頂上なのか、そんなイメージの像が立っている。ここで像と一緒に記念写真を撮る人が多い。だが、時間的に逆光だった。像の裏側で写真を撮っている人が多かった。
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坂の厳しさは、歩く人の体の角度が物語っていた。がんばってほしい。
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坂を上るサイクリストも、歩いていた。
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一方で、坂を下るマウンテンバイクの巡礼者は、怒涛の如くの勢いで降りて行った。
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小さな教会の前で、一緒にサイクリングした二人の記念写真を撮った。花も緑も豊かなエリアだった。
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途中で牛追いのおじさんが、原っぱから道路に牛を離した。メンバーのひとりが牛に囲まれる形になった。怖い。わたしもシルクロードを走っていて何度も同じように牛に囲まれた。
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この地域独自の建物があった。水車小屋だろうか。日本の茅葺の家のようでもあった。
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この木に出会って、「巡礼の道」を走ってきてよかったと思った。川も近いのだろうが、緑の豊かさと、それと共生している人の姿に感動した。また、機会を作れるのだったら、大きなカメラを持って歩きたいものだ。
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半分切り通しのような「巡礼の道」には、鎌倉街道と共通する雰囲気があった。
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宿に到着すると、これまでも会っているドイツ人父娘の父親がビールを飲んでいた。アメリカからの女性の「巡礼者」も同じテーブルにいた。
ドイツ人のお父さんは生真面目で、冗談と言うがアメリカ人に伝わらない。彼女は怒ってしまった。
それでも、アメリカ人の女性は、気仙沼から持ってきたホタテガイを渡すと「いいアイデアですね」と共感してくれた。うれしいばかりだ。