定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

長期休暇で異文化交流を楽しもう

2016-11-17 14:50:38 | JACC日本アドベン...

「会社員 自転車で南極に行く」大島義史著、小学館クリエイティブ

「会社員 自転車で南極に行く」を少しだけ読んだ。

会社に所属しながらも、夢である自転車で南極へ行くことを実現するまでのことが書いてあった。

南極へ行く前に、著者はいろんなことをへ行っていた。会社に属しながら、短い休暇を利用して。これは、会社を辞めて出かけるよりも大変なことだと思った。体力を養って、節約に専念し、極寒の地のサイクリングのための自転車や野営道具も探したりする。

結果的には、南極行きの飛行機の座席が空いたことから、事態は急展開。著者は、あたふたと準備をすることになる。1か月の有給休暇が取れることになり、夢への1歩が動き出した。

継続的な夢の実現のための会社との休暇の交渉、これは日本の特異性かもしれない。今年の8月、キルギスのビシケク近郊からオシュまで約650キロをサイクリングした。この時、約10名のサイクリストとすれ違った。みんな白人だった。一人のフランス人は「毎年2か月の休暇が与えられる。その度に外国でサイクリングをしている。アフリカも走ったことがあるよ」とごく普通のような話っぷりだった。

10年ほど前にウズベキスタンのタシケントで出会ったスペイン人のカップルは、教員と宝石のデザイナーだった。スペインでは教員は1年ごとの更新なので、帰国したら仕事はすぐに見つけられるらしい。その時、一緒にいた仲間は元校長先生だったが、いったん教師になったら継続して、定年まで続けるのは日本だけと話していた。

日本だけが違うから駄目だというわけではない、継続して勤務し出世をしめざす人もいていい、出世はしないけれど時々休暇で席を外す人がいてもいいのでは。社会には、様々な職業の人がいる。それらをうまく生かして、適材適所に活用する方法もあるように思う。


「やった。」坂本達写真・文、mikihause

会社に勤めながら長期休暇を取得して、世界一周を達成したのが日本アドベンチャーサイクリストクラブの坂本達さん。今は、夫婦と子供の3人世世界各地へ自転車で出かけている。もちろん会社に勤めながら。彼も社長を説得するのに苦労したと聞いている。

今の日本では、会社に所属しながら休暇の取得に努力。夢の実現への熱意を会社に伝える説得力と旅へのやる気をプレゼンする能力も社会の評価に結びつくように思う。もちろん、それにより会社も新入社員が増えたり、商品が売れたりと社会に評価される。そんな時代のように思う。

2人には、今後も会社に勤めながら夢あるサイクリング、サイクリングを社会貢献に結びつけた取り組みを実現してほしい。


「自転車冒険大百科 日本一周から地球走破までのノウハウ」池本元光著、大和書店

この本は、ずいぶん前に発行されている。日本アドベンチャーサイクリストクラブ創立者で、50年も前に皿洗いをしながら自転車で世界一周した人の著書だ。この巻末に、世界各地にサイクリングに出掛けた人のリストが掲載されている。

まだ、海外旅行に出かける人も少ない時代に、自転車で海外をめざしていた人の多いことに感心した。一方で、日本社会は休暇を取って異文化体験をしにくい状況になっている。国際化の時代と言われているけれど、会社の仕組みは鎖国状態だ。トランプ氏があまり化の大統領になるが、その前に日本の社会は閉鎖的になっているように思う。

会社に所属しながら休暇を利用して海外に旅に出る。それが普通になるように、自由に会社を休んで休暇を取ろう。出世よりも、異文化交流や人間関係を楽しみたい。