定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

「宝くじ」の販売は視覚障害者 スペインのフランコが始めた素敵な政策

2018-04-13 09:43:44 | シルクロードの楽しみ方


昨年(2017年)、スペインの「巡礼の道」をサイクリングした。一人ではなく、シルクロード雑学大学の仲間10名ほどと一緒だった。

多くの参加者は、「巡礼の道」と並行するようにして通っている一般道を走った。舗装されており、アップダウンも少ないからだ。

 

この「巡礼の道」サイクリングの時に、「宝くじ」を買った。名刺よりも一回り大きなサイズ、1枚1・5ユーロだった。
スペインの街頭で「宝くじ」を売っているのは、視覚障害者だという。
独裁者として名をはせているフランコの時に、「宝くじ」を販売するのは視覚に障害のある人達と決めたとのこと。視覚障害者が自立するために、フランコが導入したシステムだという。販売するだけでなく、会社全体を運営する主体も視覚障害者とのこと。販売以外にも、会社の様々なセクションで、視覚障害者が各自の能力を発揮して社会の一員として活動している。

さらに、この会社は利益の面でみても優良企業であり、多くの企業に投資をしているという。障害者に配慮している企業に投資をしたり、設立に力を貸しているように聞いたが、実際は調べていない。調査はこれからの課題だ。ただ言えることは、「宝くじ」の運営や販売は視覚障害者が行っており、他の障害者にも配慮した企業をあと押ししているとも聞いた。

視覚障害以外にも、様々な障害者が自立する一助になっているのはもちろんだが、彼らの持っている能力を社会に生かすことが期待されて始まった。この考え方が国民の間で共有されている点が素敵だと思う。

フランコが考えたのは、「障害者も社会の一員として働くことが、国や社会の発展のためには大事」だと考えての事だと聞いている。日本もそうなってほしいものだ。

さて、「巡礼の道」の成り立ちを資料で読んで、わたしは昔通りに村の教会を結んでいる凸凹の細い道を自転車で走ることにした。
わたしの他に3名ほどが古いルートを選んで走った。ほとんど車が通らない。ただし、どうしても走行距離が伸びない。その分は、伴走している車で運んでもらいながら「巡礼の道」をサイクリングしたのだった。



事前に日本の気仙沼の砂浜でホタテ貝の貝殻を拾い、「巡礼の道」を歩いている人に手渡してもいる。「東日本大震災の被災地や被災者の復興も願って『巡礼の道』を歩いていほしい」と伝えた。多くの人が「いい考えだね」などと言って受け取ってくれた。
「巡礼者」の印は、ホタテ貝の貝殻、杖、ヒョウタンなのだ。

これから『巡礼の道』を歩いたりサイクリングする人には、東北の海岸でホタテ貝の貝殻を背負って復興を願ってもほしいと思う。
また、視覚障害者の自立のために、スペインで宝くじを買ってほしい。自分自身の楽しみにもなると思う。
宝くじは、毎日当選者を選んでいるという。また、マドリッドなどの都会では、歩道にある電話ボックスのような形をしたところで、地方では街頭にある雑誌のスタンドのような販売所に宝くじを並べて、脇に視覚障害者が立って販売しています。是非、声をかけてください。

日本でのこのシステムが取り入れられることを願っています。動いてくれる国会議員がいましたら、ぜひ連絡をください。地方議員も視察に訪れてください。視察の案内をしてくれる日本人もスペインにいます。視覚障害者の女性です。


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