定年後は旅に出よう/シルクロード雑学大学(シルクロードを楽しむ会)長澤法隆

定年後もライフワークのある人生を楽しみたい。シルクロード等の「歴史の道」を調べて学び、旅して記録する楽しみ方を伝えます。

中央アジアに抑留された日本人捕虜の資料館 キルギス

2018-08-08 08:46:36 | 中央アジアのシベリア抑留
  

中央アジアにあるキルギス共和国、東部にあるイシククル湖の周辺へ行くという法政大学大学院生の斎藤さんに会ってお願いしたことがあった。斎藤さんは法政大学探検部のOBであり、玄奘三蔵の足跡に関心を持っている。探検家の酒場「モーリー」の店主坂口さんの後を継いで、シルクロードの踏破に取り組んだ体験を持つ。昨日、坂口さんを含めて3人で「モーリー」であったのだ。

イシククル湖の南岸にあるタムガ村には、ソビエトに抑留された元日本兵の事を伝える「キルギス平和センター」がある。この小さな村には、サナトリウムがある。サナトリウムにはいくつか建物があるのだが、その中の一つ泥治療の診療所は日本と関わりがある。この建物の建設には、1946年から1948年まで抑留された元日本兵などが関わっていたのだ。「キルギス平和センター」では、抑留された日本人がこの建設に関わっていたことをm写真や新聞記事を通して伝えている。

  

「キルギス平和センター」を開設したのは、2010年の事だった。先月行ってみたら、展示している写真の数点が変色していた。お金をかけないで設置しているので、自宅にあるプリンターで印刷して展示している。変色は仕方のないことだ。

変色した写真(下の3点の写真を参照)を新しいプリントに取り換えたいと思い、8月19日からフィールドワークのためにイシククル湖周辺に出かける斎藤さんに会い、新しいプリントを渡した。取り換える作業をお願いしたのだった(一番最初の3点の写真)。こころよく引き受けてくれた。キルギスから帰ったら、「シベリア抑留」の日本人による建物などが、中央アジアにもあることを友人や同級生にも話してほしいものだ。64歳のおじさんから28歳の若者へと、戦争の記憶をうまく伝えることができて感謝している。

  

日本人抑留者による泥治療の診療所の建設が進むと、隣にある敷地でテント生活をしていた抑留者は建物の中で寝起きすることを許された。「キルギス平和センター」は、抑留者が寝起きしていたその部屋を使わせてほしいとお願いした。
今はマッサージをする部屋になっていた。マッサージに使われていない時間に、「キルギス平和センター」を見学できるようにしてもらった。開設時の様子は下記の通りです。

  


キルギスにおける日本人抑留者の事をもっと知りたい人は、下記の本に目を通してください。

  

「天山の小さな国 キルギス」は、Amazonで5000円位から購入できます。この本は絶版です。
「タムガ村600日」、Amazonで3500円位から購入できます。こちらも絶版です。

「中央アジアのシベリア抑留」に関して知りたい方は、こちらをクリックしてください。
「シベリア抑留」に関する資料を知りたい方は、こちらをクリックしてください。
「キルギスで日本人抑留者の足跡を巡る旅 1」 キルギスに抑留された元日本兵が建設に関わった建物、建築資材を作った工事現場などを巡った旅行の様子。
「天山を越えて日本へ キルギスに抑留された日本人」 キルギスに抑留された元に歩兵へのインタビュー

ヘディンの探検紀行全集を、探検家のBar「モーリー』へ

2018-08-07 13:25:54 | シルクロード中央アジア
  

ヘディン『中央アジア探検紀行全集』をある人にあげることにした。日本の古書店というサイトで、5000円から購入できました。定年後も夢を追いかけましょう。

神楽坂にある探検家の酒場『モーリー』の店主へだ。酒場と言っても、お酒の飲めない私は日本の焼うどんに似たラグマンなどの中央アジアの食事を楽しんでいるのだが。

20年ほど前に「西安からとトルファンまでは自転車、トルファンからカシュガルまではロバで踏破したい」
との相談を受けたと、以前に書いた。しかも、自転車といっても何時もツーリングに使っているランドナーやマウンテンバイクを日本から持っていくのではない。中国で買うという。

中国で買った場合、ネジの締め方が甘かったり、フレームの素材やベアリングに問題があったり、いろいろなトラブルを聞いていた。修理の大ざっぱさも体験している。大丈夫だろうかと思ったものだった。

先日会ったら「実は玄奘三蔵の足跡を追って、天山山脈をベデル峠で越えたかったんです」と、計画の原点を店主が話してくれた。
シルクロード雑学大学で取り組んだ「ツール・ド・シルクロード20年計画」でも、本当はベデル峠を越えたかった。だが、この峠では中国とキルギスの国境が開いていない。そこで、もっと西にあるトルガルト峠を越えることにしたのだった。
もっとも、国境の閉じる時間が午後6時と決まっており、自転車で天山山脈を越えてはいない。まだ、30キロほど宿題が残っている。もう一度チャレンジしたい。また、だれでも天山山脈越えを自転車でできるように、キルギス側からカシュガルを目指そうとも思っている。

『モーリー』の店主の話を聞いて、「この人だったら中央アジアの探検紀行に関心がある」と思い。お店に引き取ってもらうことにした。中央アジアに関心のある学生、定年後に中央アジアへ探検や冒険、旅行で行ってみたいという中年の人たちに読んでもらいたいと思ったのだ。
また、本が減るので、私の終活にも役立つ。

 

大学の探検部にもあるだろうが『世界探検全集』も寄贈してお店に置いてもらった、探検部や旅行好きの学生達に、先達が足跡を残した探検や冒険にふれて、ガイドブックとは違う視点で世界を旅してほしいとも思った。もちろん定年後の人たちにも、青春の頃の夢を追いかけるチャンスにしてほしいと思っている。そんな仲間が集まる場になってほしいと思う。

「夢を追い、旅をするこころ」は、若い人にも熟年にも、定年後の人にも共通していると思う。好奇心や限界を知ったうえでチャレンジしてほしい。
若い人も定年後の人も、シルクロードへ旅に出かけるなどして、夢ある人生を楽しんでほしい。