漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

元は一緒だったのです。:鏑、蕪

2010-01-31 18:44:59 | ◆準1級:書き(同音・同訓異字)
 
 ・カブラ()矢の音が響く。

 ・畑にカブラ()の種をまいた。


テキ
かぶら
やじり
かぶらや



【解字】形声文字。金+啇。音符の啇(テキ)は、いくの意味。敵に向かって飛んでいくやじり・かぶらやの意味を表す。

  1. かぶらや。鏑矢。射ると音を出して飛ぶ矢。先に蕪(かぶら)の球根に似た中空の球をつけ、その先に。雁股(かりまた)をつけるからいう。鳴鏑。
  2. やじり。矢の先。
    <新漢語林より>





あ(れる)
かぶら
しげ(る)
みだ(れる)



【解字】形声文字。艸(草冠)+無。音符の無は、おおいかくすの意味。草がおおうほどにあれるの意味を表す。

  1. あ-れる。雑草がおいしげって荒れる。「荒蕪」
  2. 雑草。
  3. くさはら。荒れ地。
  4. のがれる。
    <新漢語林より>



同訓異字ですが、迷いようがありませんでした。

正直、どちらの字も皆目見当もつきませんでした。

「かぶら」というと、千枚漬けで名高い京都のかぶら漬けを思い浮かべます。
でもわたしの中では、「かぶら漬け」であってけっして「蕪漬け」ではありません。

「蕪」という字は、

 与謝蕪村を連想するなとか、似た名前で与謝野晶子のみだれ髪は蕪れ髪と書くのだろうかとか。


「鏑」も、

 ~矢の先に蕪の球根に似た中空の球をつけ・・・

とあるので、語源は蕪からきているようです。
じゃあ別に「蕪矢」でいいと思うんですけど、、




今日は画像大きめ。




かわいくない音読み。:甥姪

2010-01-30 21:27:57 | ◆準1級:読み(音読み)
 

 ・祭りに甥姪( せいてつ )が揃った。




セイテツ
おい・めい

甥姪



”せいてつ” と打ち込んで 「甥姪」と変換されたら、たぶんそれは辞書かPCが壊れています。

なぜ、普通に”おい、めい” と読んだらダメなんでしょう。
もっと言うなら、”甥っ子”、”姪っ子” ですよねえ。


なんだか、相続税で悩んでる親族が、法律事務所で書類を書いてるみたい。

セイテツなんて可愛いくないですよね。


出雲の國に簸川という郡があるそうな。:簸

2010-01-29 22:18:47 | ◆準1級:読み(訓読み)
 

 ・箕で穀物を簸()る。




ひ(る)
あお(る)




【解字】形声文字。箕+皮。音符の皮は波に通じ、なみの意味。箕は「み」の意味。「み」を波うたせ、米のぬかなどを除去する、ひるの意味を表す。


  1. ひる。箕であおって、穀物のぬかやちりを取り除く。
  2. あおる。あおりあげる。おだてる。そそのかす。
    <新漢語林より>




箕シリーズ第2弾。

わたしも小学生の頃、箕を使って親の手伝いをしていたと以前記事に書きましたが、さすがに「ひる」という言葉は使ったことはありません。でも親はきっと使っていたと思います。だって、箕の用途といえば”簸(ひ)る”ことしかないでしょう。私は簸る事はしないで箕に小豆を載せて運搬していましたが。


もうひとつの読み方である、”簸(あお)る”は、ネットで検索しても出てきませんでした。おそらく、お花見した後に敷物のテントを片付ける時、付着したゴミや土を取り除くためにテントの端を持ってバタバタさせることを「あお-る」と言いますよね。その行為の事は、この「簸(あお)る」と違うのだろうか。

最近、箕自体を目にする事も少なくなってきたと思います。
私の親の年代が居なくなってしまったら、「箕で小豆を簸る」なんて言葉を誰も使わなくなってしまうのだろうか。

モノもわからない、行為もわからない。
テレビで喋ったらテロップが出てきちゃいそう・・・。

区別はどこでするんだろう。:蕊

2010-01-28 20:57:11 | ◆準1級:読み(音読み)
 
 ・珍しい雌蕊(シズイ)の形だ。 ※「完全征服」漢検協会 音読み

 ・メシベ(雌蕊)を顕微鏡で観察する。  ※「頻出度順問題集」高橋書店 書取り




ズイ
しべ




【解字】形声文字。艸(草冠)+惢。音符の惢(ずい)は、花・実。がたくさんたれるの意味。


  1. しべ。花の実を作る器官。花の中心にあるひげ状のもの。
  2. 草木が群がり生えるさま。
  3. み。草木の実。
  4. はな。
    <新漢語林より>




「雄蕊」、”ユウズイ” と ”おしべ” も同じこと。



書取りの問題なら音読みか訓読みか間違えようがない。

実際の読みでの準1級の出題形式は

 「次の傍線の読みをひらがなで記せ。
  1~15は音読み、16~30は訓読みである。」

と指定してあるのでこれも間違えようがない。



では、何が困るのかというと「音読」の時だけであろうか。
今はほとんどの人が「黙読」だから関係ないかもしれないが。

漠然としているけれど、

 シズイ ⇒ 学術書

 めしべ ⇒ 学術書以外

という括りなのかと勝手に思っている。

学術書に出てくる名詞のほとんどが音読みであるはず。
いや、学術書に訓読みはそぐわないと言ったほうが適当か。

自分ではTPOに関わらず、 ”めしべ” 一辺倒でいいと思っている。

受検には全然関係ない話なんだけどね。


怖いことわざです。:姑

2010-01-27 22:18:41 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・嫁の留守はシュウトメ()の正月。

 ※「頻出度順問題集」高橋書店




しゅうとめ
しゅうと
おんな
しばら(く)




【解字】形声文字。女+古。音符の古は、ふるいの意味。古い女性の意味から、夫の母、しゅうとめの意味を表す。


  1. しゅうとめ。夫または妻の母。
  2. おば。父の姉妹。
  3. しばら-く。とりあえず。一時。
    <新漢語林より>



こんな怖い諺、初めて耳(目)にしました。


でも、これは

 嫁 = 悪

 姑 = 善


という感じがします。
嫁にだって言い分はあると思います。
ましてや嫁と姑が入れ替わっても意味が通じる場合も多々あるでしょう。




でも、そんな事より

  

という字を通じ、知識や教養を身に着ける為このような諺を出題することは果たして適当なんだろうか。嫁と姑が犬猿の仲なのは世間の常識として知っておかなくてはいけないけれど、だからと言って。




病院ではお目にかかっていますが。。:喉

2010-01-26 22:34:33 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・ノドモト( 喉元 )過ぎれば熱さを忘れる。

   熱いものも、飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまう。転じて、苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。また、苦しいときに助けてもらっても、楽になってしまえばその恩義を忘れてしまう。




コウ
のど




【解字】形声文字。口+侯。音符の侯は、うかがうの意味。外部からその形をうかがうことができる口、のどぼとけの意味を表す。


  1. のど。のどぶえ。
  2. かなめ。要所。急所。
    <新漢語林より>





また、恥を忍んでここに書きたいと思います。

私だけかもしれませんが、喉の字は

 + 

だと、ずっと思っていました。

そう、右のつくりの方は、候(そうろう)、気候(きこう)の候だと思っていました。


 の本字は、 

 の本字は、 + 



では、

 弓の的。うかがうの意味。 刀(人) + 厂 + 矢。



やっぱりよくわかりませんね。

喉という字をマジマジと見たのは実は今回が初めて。
思い込みはいけません。


鯨に馬に、そして牛。:牟

2010-01-25 08:00:34 | ◆準1級:読み(熟語読み)
 
 
 ・牟食(ボウショク

 ・牟(むさぼ)る


   牟食:むさぼり食う。また、穀つぶし。 ぼうしょく
   牟る:苦労して求める。 むさぼ・る




ボウ

な(く)
むさぼ(る)
かぶと




【解字】会意文字。牛+ム。ムは、牛の鳴き声・吐く息の象形とも、牛の鼻輪の象形ともいう。牛の鳴き声の擬声語。


  1. 牛の鳴き声。
  2. むさぼる。うばう。
  3. 増す。倍する。
  4. 多い。また、大きい。
  5. 大麦。
  6. ひとみ。
  7. かぶと。
    <新漢語林より>





この字で真っ先に思い浮かべるのが、

 牟田悌三(俳優)と大牟田市(福岡県)でしょうか。



「暴食」は、かなりのスピードで喰い散らかすイメージがある。

でも、「牟食」は、ゆっくりとお行儀良くただひたすら”食べる”行為に没頭するイメージ。

どちらが、大喰いかとゆうと「牟食」がらくらく勝ってしまう。みたいな。





2級の4字熟語に次のようなものがあった。


 「鯨飲馬食」・・・ 一度にたくさん飲み食いすること。

 「牛飲馬食」・・・ むやみにたくさん飲み食いすること。


一番の食いしん坊は、牛さんだと思っていましたが、馬さんも負けてはいないようです。


音読みではあまり言わない。:蛙

2010-01-24 10:25:44 | ◆準1級:読み(音読み)
 

 ・井蛙( せいあ )には海を語れない。


   井の中にすむ蛙。見聞の狭い者をあざけっていう語。
   出典:【荘子(秋水)】「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」
   井蛙は以って海を語るべからず、虚に拘るれば也 




セイア
井蛙



普通は、

「井の中の蛙大海を知らず」

ですよね。



「井」 は、市井の人でなんとかセイと読める。

でも、「蛙」 が、アだなんて思いもつかない。


知ってる熟語があるか、ア(蛙)の付く漢字を並べてみた。



  1. 蛙群 アグン かえるの群れ
  2. 蛙市 アシ  かえるが群がり鳴くこと
  3. 蛙吹 アスイ かえるの鳴き声
  4. 蛙声 アセイ かえるの鳴く声
  5. 蛙黽 アボウ あまがえる
  6. 青蛙 セイア あまがえる




 なんだか気持ち悪くなってきちゃった。


気配りが足りないとはよく言わ・・・。:慮

2010-01-23 15:22:40 | ◆準1級:読み(表外読み)
 

 ・彼の気持ちを 慮( おもんぱか ) るとつらい。





リョ
おもんぱか(る)




  1. おもんぱかる。
  2. おもんぱかり。考え。計画。
    <新漢語林より>





ずっーーーーと、

おもんかる と信じて疑っていませんでした。(汗

訓読み(表外読み含)においての半濁音読みは珍しいと思います。※送り仮名は除く。
というか、この字の他にあるのでしょうか。

半濁音は、「ぱ(Pa)・ぴ(Pi)・ぷ(Pu)・ぺ(Pe)・ぽ(Po)」だけ。
音読みにおける半濁音は数多い。


・論破(Pa) → 破(Ha)

・門扉(Pi) → 扉(Hi)

・完膚(Pu) → 膚(Hu)

・紺碧(Peki)→ 碧(Heki)

・散歩(Po) → 歩(Ho)


でも、よく見たら全部熟語であって、単語では清音か濁音である。
しかも最初の文字ではなく2文字目。


【慮る】おもんぱか-る
(オモヒハカルの音便。オモンバカルとも)よくよく考える。考えはかる。思いめぐらす。

 ※音便
  発音しやすいように語中・語尾の音が他の音に変化すること。

 
なるほど。
熟語の半濁音についても、音便での変化形だったのですね。おそらく。

どうやらこれが正解みたいです。

 思ひ計る → おもいはかる →(音便) おもんかる




またの名を「〇〇の勇」と申します。:匹

2010-01-22 21:05:45 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・ヒップ( 匹夫 )の勇

   『孟子』道理をわきまえない男が血気にはやってがむしゃらに行動するような、浅はかな勇気。







ヒップ
匹夫


  1. ひとりの男。
  2. 身分のいやしい男。また、道理に暗い男。
    <新漢語林より>



hip ←面白いけど英検ではないので不正解。

まさか、ヒップに当てはまる漢字があるなんて思いもよりませんでした。
ましてや、相原勇のお尻を想像しただなんて・・・

”匹”は、一匹二匹だから犬畜生と蔑んだ呼び方だったのでしょう。


 「匹夫」は男性をあらわします。

 「匹婦」も同じ意味で女性をあらわすようです。


これらを合体した「匹夫匹婦」という熟語があります。
意味は、身分のいやしい男と女。道理に暗いものども。

読みは期待通り?「ひっぷひっぷ」になります。