漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

7時28分の恋人

2011-06-23 20:37:55 | ◇1級:読み(熟字訓・当て字)
 

こなから
二合半


こなから 【二合半/小半】

  1. 半分の半分。四分の一。特に、米や酒で一升の四分の一、すなわち二合五勺をいう。また、少量の意にも用いる。
  2. 「こ」も「なから」も半分の意。半分の半分で四分の一。







せっかく憶えた漢字を忘却せぬよう脳味噌に留めておくためには「印象付け」が大切になります。

例えば、、


 ・豪華けん爛  矢野絢也。

 ・文質ひんぴん 中尾彬。


という風に、有名人を自分勝手に結びつけて憶えています(笑)。




「二合半」と書くと二合五勺であり、「こなから」がなかなか想像されません。

おそらくは、「小半=こなから」が(一升の)半分の半分の二合五勺なので、
「二合半」という字も「こなから」と読むようになったのでしょう。





で、、、






「半=なから」で思い浮かべるのが、半井小絵(なからいさえ)。





2011年3月まではNHKの気象予報士として活躍されていました。
何処にでも居そうな普通の大阪のお姉さんというイメージですが、
いつの間にか彼女の”不思議な癒し系”の魅力にとり憑かれた諸兄諸氏も多かったと思います。
「なからい」という難読苗字も視聴者に彼女を印象付けた一因となっていたのでしょう。
わたしも彼女に対し少なからず萌えていたというか、いつも居て当たり前という安心感を持ち続けていました。





--
半井氏[なからいうじ]

和気氏の出という。和気明親の家に井戸があり、その井戸のなかほどをへだて半分の井戸を製薬に用いたので半井氏を称したという。代々医を業とし、戦国時代、明親および瑞策は明に渡ってさらに医を学び、帰朝して正親町天皇に重用されて典薬頭となった。その子孫は、江戸幕府の御番医となった。




とあり、かなり良家の出身のようである。




mom

2011-06-12 16:38:57 | ◇1級:書き(国字)

 
 真珠は国際単位の モンメ で計量する。







もんめ、め



【解字】夂(文)+メ。もと日本で重さの単位「もんめ」を文(モン)とメの合成字で表した。

  1. もんめ。
  2. 重さの単位。一貫の千分の一。三・七五グラム。
  3. 江戸時代の貨幣の単位。一両の六十分の一。




最近、どこかで見たような気がすると思っていたら常用漢字から削除された5文字の中に入っていたんですね。
漢検完全征服の国字一覧表になく常用漢字表に載っているため見落としがちでした。
※最後に注意書きで載ってはいるんですが・・

2010年11月30日に新常用漢字に改定後削除されています。
削除された5文字は「現在使用されることがない」という理由から。

勺 錘 銑 脹 匁

常用漢字から消えるということは、高校までの学習する範囲に入っていないということ。
当然、大学入試からも対象外。
漢検的には、常用漢字を扱う2級の問題には出題されなくなります。
「匁」は「JIS第一水準」の漢字なので、おそらく「準1級配当」になるのではないでしょうか。
詳しくは漢検協会の発表↓を待つことにいたしましょう。

2010/11/30
常用漢字表の改定に伴う日本漢字能力検定の対応について
http://www.kanken.or.jp/pdf/20101130.pdf



1級に限っていえば、常用漢字表の改定に関わらず全て覚えなければならないわけですから、あまり関係ないのかもしれません。新たに2級配当となる196字にしても1級の出題範囲に変わりはないのです。削除される5文字も同じく1級の出題範囲のはずです。




前置きが長くなりました。

わたしがビックリしたのは、モンメが国際取引単位に使われているという事実。
宝石は全てカラットとは思っていなかったけど、真珠の計量は見当もつきませんでした。


匁(もんめ)

真珠の国際取引単位には「もんめ」が使われており重さ(匁)を基準に単価が決まる。
養殖真珠(あこやがい)の産業化に成功したのが日本であったことから日本の尺貫法の単位である匁を用いている。
単位の表記は、mom もしくは、momme。1mom=3.75g
日本の五円硬貨の質量は3.75gで、ちょうど1匁である。




日本で唯一国際単位として使われている「匁」を、”使用頻度が少ない”という理由だけで常用漢字から削除されていいのだろうか。尺貫法の単位が未だに常用漢字として使われているのは文科省は気に入らないのかもしれない。でもこれで日本が国際的に誇れるものの語源を国民が知り得る機会を失ったのかもしれない。




--
♪か~ってうれしいはないちもんめ


童謡の「はないちもんめ」は花一匁と書きます。

もっと言うと、「買って嬉しい花一匁」です。



歌の意味はここに記しませんが、すごく悲しい意味が含まれているようです。





基督

2011-06-08 22:01:06 | ◇1級:文章
 
 少女はそれにも関らず、西瓜の種を噛みやめては、時々涼しい眼を挙げて、卓の一方に面した壁をぢつと眺めやる事があつた。見ると成程その壁には、すぐ鼻の先の折れ釘に、小さな シンチュウ の十字架がつつましやかに懸つてゐた。さうしてその十字架の上には、稚拙な受難の 基督 が、高々と両腕をひろげながら、手ずれた浮き彫の輪廓を影のやうにぼんやり浮べてゐた。少女の眼はこの ヤソ を見る毎に、長い マツゲ の後の寂しい色が、一瞬間何処かへ見えなくなつて、その代りに無邪気な希望の光が、生き生きとよみ返つてゐるらしかつた。が、すぐに又視線が移ると、彼女は必吐息を洩らして、光沢のない黒 繻子 の上衣の肩を所在なささうに落しながら、もう一度盆の西瓜の種をぽつりぽつり噛み出すのであつた。
少女は名を宋金花と云つて、貧しい家計を助ける為に、夜々その部屋に客を迎へる、当年十五歳の 私窩子 であつた。秦淮に多い私窩子の中には、金花程の容貌の持ち主なら、何人でもゐるのに違ひなかつた。が、金花程気立ての優しい少女が、二人とこの土地にゐるかどうか、それは少くとも疑問であつた。


南京の基督/芥川龍之介






 シンチュウ  [真鍮] 
 基督     [キリスト]
 ヤソ     [耶蘇]
 マツゲ    [睫]
 繻子     [しゅす]
 私窩子    [しかし]







青空文庫からの引用ですが、1級の勉強してから改めて読むと芥川の良さがわかるような気がしてくるから不思議です。




芥川龍之介は基督教抜きには語れないと云います。


「私窩子」

 という言葉は初めて目にしました。


 淫売婦。売春婦。私娼。

「自分の棲家にいる娘」 所謂、売春宿にいる娘なのでしょうか。


「窩」といえば、「眼窩が窪む」しか思い浮かべることができません。






基督教に関する漢字を並べてみました。

全て漢字で書けなければ洗礼できません。笑



 ミサ
 いけにえ
 たっけい
 ぼうとく
 けいけん
 ざんげ
 おひつじ
 こうし
 イスラエル
 キリシタン
 天にまします我らの父よ













 ミサ    [弥撒]
 いけにえ  [生贄]
 たっけい  [磔刑]
 ぼうとく  [冒瀆]
 けいけん  [敬虔]
 ざんげ   [懺悔]
 おひつじ  [羝]
 こうし   [犢]
 イスラエル [以色列]
 キリシタン [切支丹]
 まします  [在す]







ちなみに難関大学で有名な「ICU」は、

国際基督教大学 (International Christian University)のことです。







星降る夜に

2011-06-06 21:43:28 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 戦場を い風が吹き渡る。







ショウ、セイ
なまぐさ(い)、みにく(い)、けが(らわしい)





【解字】形声。月(肉)+星。音符の星は、ほしの意味。肉の中に星のようにまじる白い脂肪のある、しもふり肉の意味を表す。

  1. なまぐさ-い。
  2. 豚のしもふり肉。
  3. 生肉。
  4. あぶら。鶏肉のあぶら。
  5. きたない。けがらわしい。








「生臭い」では迫力がないし、なんとも魚が腐ったような感じが拭えない。

「腥い」は、血生臭さ(生き血)が漂いやはり迫力が違う。



でも、肉の中の星降るような脂身で「霜降り肉」なんてすごく ”お上手” だと思いませんか。




あくまで主観ですが、


 ①魚をつかんだ手が生臭い

 ②生臭坊主

 ③派閥をめぐる腥い



このような使い分けかなと感じます。


ちなみに、 ”「なまぐさい」を漢字で書きなさい” という問題は見たこともないし出題されないと思う。


なぜなら、「腥い/生臭い」のどちらでも正解となるのだから。