漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

信用販売

2016-03-26 20:09:58 | ◇1級:読み(訓読み)
 
酒を 賖る









シャ おきの-る


【解字】形声 貝+余。音符の余は、のびるの意味。現金の支払いがのびる、かけで買うの意味を表す


  1. おぎの-る。かけで買う。現金を払わないで代価で借りて物を買う。
  2. とおい。はるか。
  3. ゆるやか(緩)。おそい
  4. おごる。おごり。= 奢





初めに断っておくが、賖はJIS漢字コード第4水準に該当し、漢検1級(JIS第2水準まで)では、配当外の漢字である。



 先日、私が所属する漢字同好会で出題されたものである。「おぎのる」という動詞(言葉)を今まで聞いたことがなく、語源についてすこし興味があったので調べてみることにした。インターネットで検索しても驚くほど情報が少なく、現代社会においては殆ど使われていない言葉であると想像することができた。仕方がないので図書館に出向き辞書という辞書を片っ端から調べてみました。※辞書毎には纏めていません。


字義
 掛けで買う。代価を後払いにして借りる。


地方
 福岡/久留米/備前/備中 (筑前、博多では今もこの語を用いる。とある)


時代
 室町時代、平安時代


熟語
 ・賖酤シャコ:酒を掛けで買うこと

 ・賖貰シャセイ賖貸シャタイ:利子つきで金品を貸す。また、借りる。


語源
 語源については諸説ある。

 ・除乗オキノリの義か。[和訓栞]

 ・壓賭オギノる。凌ぎ借るの意。圧賭るの意か。[大言海]

 ・補有オギナフアルの義。[名言通]

 ・オギノルは、貰、典とも書く。

 ・ヲソカリ、ノコセルの反。[名語記]

 ・金銭がない時、代わりの物をオキトトノフル義。[和句解]

 ・貸オキノル。[名義抄]


また、土佐日記には、

 虚言そらごとをして、賖業おぎのりわざをして、銭も持て来ずおのれだに来ず。

とある。


そして、同じく『土佐日記解』の上田秋成の補に、次の一文がある。


 「おきのりの語は舟人の道を近きにとるとて、沖へ乗り出すはあやうき事なるをもて、物はつかはしてあたひをただちにとらぬにたとへ言う歟、舟人の詩より出でしなるべし」とある。


これは、なかなか興味深い説である。個人的には真の語源のような気がする。



--
わたしは、農家の出身なので、親が「ツケで買う」という言葉を普通に使っていた。帳簿に付けておくの「ツケ」であろう。代金は米の収穫後でお願いしますというということだと思う。
九州の人は今でも、「おぎのり」でお願いしますと云うのだろうか。

次回は、おぎのるの対義語で、あきさすについて掲載予定です。



秤 はかり

2015-08-29 18:17:14 | ◇1級:読み(訓読み)
千木秤
画像は「くすりの博物館」様よりお借りしました。
http://www.eisai.co.jp/museum/index.html



ショウ、ビン
はかり



【解字】会意 禾+平。平は、てんびんが平ら、公平の意味を表す。

  1. はかり。てんびん。物の重さをはかる器具。
  2. はかる。





秤は、称ショウの俗字で、音符は、尓(ショウ)である。

 禾=穀物(秬黍クロキビ)

 尓=てんびんで物を持ち上げる

よって、

秤 ⇒ 穀物を天秤で持ち上げる ⇒ 物を量る

という意味があるらしい。



秤と同じ字義を持つ字に、「権」と「衡」がある。中国で重さを計る道具の名として最初に現れる字である。

『漢字の起源』によると、

 
権は拳ケンに通じ、この音の究極の意味は「拳石」であり、はじめは石を使い、後には金物でそれぞれの重さに作った称ハカリの錘フンドウなのだという。※権はもと黄華木(黄英)という木の名。


 
衡は角+大+行。牛の角につけた大木で、角に触れるのを防いだもの。それで、角と大木の大がついている。そこで横に支えられた木の義から、「はかりざお」の意となった。


権衡=唐秤カラバカリ

手で「衡(横木)」に懸けた「権(錘)」を左右に動かして、「衡」を平衡にして称ること。

とあり、”権衡を保つ”ということばも生まれた。




古代、秤ハカリには、大きく分けて、天秤と桿秤(杆秤)があった。
それぞれの特徴は、


天秤 てんびん

貴金属や宝石あるいは科学用と比較的高級な分野で使用。
神話や宗教の世界では、正邪を計りくらべる神の道具。(審判の道具)
人の意図の入れようがない。
たくさんの分銅が必要。
携行に適さない。



桿秤 さおばかり

てこの原理。
一般商業用、商人の道具。
釣り合いを取るために人の手を使う。ごまかしの道具。
携行に便利。



また、桿秤の種類で、

扛秤(杠秤)
ちきり、ちぎ、ちぎり、ちぎばかり

があります。

扛秤(ちぎ)は、「物を持ち上げてはかる」という意味です。
また、秤量ショウリョウが2貫以上のもの指し、千木秤、または鉤秤とも表記される。
しかし、「千木」は当て字で、鉤カギのついた木のはかりという意味の「鉤秤」が本当のようです。

桿秤は、てこの原理を応用したものだが、梃子(梃)は、槓桿コウカン(槓杆)とも呼ばれる。


コウカンの書き問題で、しょっちゅう間違える苦手な字でもあります。

 コウカン ⇒ 扛桿、杠桿

と書いたりする。

「槓の正字は、杠であるが、槓桿コウカンの時は、槓を用いる」

と字通には書いてある。



う~~ん、扛鼎と槓桿 確り覚えよう。。


--
H27-1の結果ですが、165点で自己採点より-1点でした。
熟語の読みで正解だと思った問題が×でした。ひらがなが読みにくかったのかもしれません。
イキオイで第2回目も申し込みました。
フロックと言われぬよう頑張りたいと思います。


百官名

2015-02-15 09:52:48 | ◇1級:読み(訓読み)
百官名 ひゃっかんな
 本人・親・家系のもつ官職名をそのまま用いた、その人の通称。

主のつく百官名


百官名読み方官職主な人物・由来
主 計かずえ国や組織の会計を担当する組織やその業務石川県金沢市主計町
主 税ちから租税や出挙の帳簿との照合などによる監査大石主税(大石内蔵助の子)
主 殿とのも内裏における消耗品の管理・供給山形県東田川郡庄内町主殿新田
主 水もんど水・氷の調達および粥の調理中村主水(藤田まこと)
主 膳しゅぜん宮中の大膳職・内膳司に属して饗膳を担当長野主膳(国学者)
主 典さかん記録・文書の起草、公文の読み役 
主 馬しゅめ馬車・牧場・輸送に関する事務四井主馬(忍者)



 「主」のつく官名は随分ありますね。「主」は、”ぬし”とか”つかさどる”という意味なので多いのも当然なのでしょうか。
1級検定問題でも熟字訓・当て字、読み問題で頻繁に出題されていますが、「書き問題」では出題されたことはないと思います。
しかし、最近の問題傾向をみると出題される可能性は十分あると思います。

官名の中で、最も人々に知れ渡っているのが(人口に膾炙している?)、「必殺仕事人」の中村主水でしょうか。
この番組のおかげで、「主水」は、もはや難読語ではなくなりました。
私的には、サンフレッチェ広島などで活躍し、ゴールを決めると阿波踊りのパフォーマンスをする「藤本主税」の方が身近な百官名になっています。



他にも漢検でお馴染みな百官名を並べておきます。

 中務 なかつかさ
 采女 うねめ
 靫負 ゆげい・ゆきえ
 舎人 とねり
 蔵人 くろうど・くらんど
 勘解由 かげゆ
 斎宮 いつき
 帯刀 たてわき


---
4年ぶりでしょうか。
2回目の漢検一級を受検しようと思います。
 平成27年6月21日

あまり自信はありませんが、ベストを尽くします!


日本の伝統漁法

2013-11-02 14:47:46 | ◇1級:読み(訓読み)
 
にて魚や蝦を捕獲する。










シン
ふしづけ



【解字】形声 罒(网)+林。音符の林は、柴(シバ)などの束を表す。

  1. ふしづけ。
  2. 柴(シバ)を水中に積んで魚を集め捕らえる仕掛け。また、その漁法。








河口に近い泥地に設置し、鰻(ウナギ)・鮒(フナ)・鯉(コイ)などを捕獲する。
広辞苑では、「ふしづけ」を【柴漬】と書き、次のように説明している。

①柴(シバ)などを束ねて川・湖沼の岸近くの水中につけておき、これに集まってくる魚・エビなどを捕らえる装置。またはその漁法。漬柴(ツケシバ)。笹伏(ササブセ)。付(ツケ)。<冬の季語>

②罪人を簀巻(スマキ)にして水中に投げること。罧(シノヅケ)



「ふしづけ」 は 【柴漬/罧】で、柴での漁法を思い浮かべるが、

「しのづけ」 は 【篠漬/罧】であり、やはり簀巻を連想させる。




「ふしづけ」の語源説として、日本語大事典では、

 魚が フシ かくれるように木を水に ツケ ておくもの

と記載している。


 漢検に特化して言えば、難読である「柴漬」という読み問題は、おそらく出題されないでしょう。漬物の柴漬シバヅケのイメージが強すぎるから。また、一級配当漢字である「栫」の訓読みは、「ふさ(ぐ)」と「たてしば」ですが、辞典によっては、「ふしづけ」と読ませているのもあります。(参考までに)
以下、一級検定で出題されそうな漁法を並べておきます。



---
  えり
 河や湖沼・内湾で、よしずや竹垣を魚道に迷路のように張り立てて、魚を自然に誘導して捕らえる定置漁具。

 あをぞらに雪の山々魞をさす    長谷川櫂 「果実」




  うけ
 川や湖沼、浅海の底にある魚道に一定時間設置し、魚類やエビ、カニの類を誘い込んで捕獲する漁具。




  やな
 川の中に足場を組み、木や竹ですのこ状の台を作った梁という構造物を設置し、上流から泳いできた魚がかかるのを待つ漁法。




  はえなわ
 一本の幹縄に多数の枝縄をつけ、枝縄の先端に釣り針をつけた漁具。





  まきあみ
 魚群の回りを逃げられないように網で取り囲み, 網を徐々に狭めて魚を獲る漁業。









日本の色

2012-09-26 18:24:31 | ◇1級:読み(訓読み)
#f5b199 一斤染いっこんぞめ
#ee827c 甚三紅じんざもみ
#b94047 臙脂えんじ
#b7282e 茜色あかねいろ
#f2f2b0 女郎花おみなえし
#9e3d3f 蘇芳すおう
#e0815e 纁そひ
#ab6953 赭そほ
#b77b57 櫨色はじいろ
#ad7e4e 芝翫茶しかんちゃ
#6c2c2f 葡萄茶えびちゃ
#ee7800 橙色だいだいいろ
#d1561b 柘黄しゃおう
#fef263 黄檗色きはだいろ
#d7cf3a 鶸色ひわいろ
#C85179 脂燭色しそくいろ
#D96773 褪紅たいこう
#00a3af 浅葱色あさぎいろ
#2792c3 縹色はなだいろ
#4c6cb3 群青色ぐんじょういろ
#9079ad 竜胆色りんどういろ
#7058a3 菫色すみれいろ
#47885e 緑青色ろくしょういろ
#9d896c 空五倍子色うつぶしいろ
#727171 鈍色にびいろ





 だいだいいろ → 竹村健一センセイ
 はなだいろ  → 貴花田親方


と連想しちゃうのは、おやぢ度が増してきた証でしょうか。


日本の色は、かなりの頻度で ”訓読み問題” に出題されています。

そこで、「問題に出た」 あるいは、「問題に出そう」 な色を厳選し抜粋してみました。


脳に強烈に ”刷り込み” するためには視覚で表すのが効果的だと思います。

これで全て憶えられるとは思っていませんが、

何かの拍子で思い出すというか、気付かないうちに脳に刻み込まれているものです。


ビジュアル重要です。




鷹狩りは冬の季語

2012-06-21 12:06:05 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 狩りをする 鷹居








たかすえ
鷹居

 鷹匠。鷹を馴養し、鷹狩りに従事する役。公家・武家に仕え、明治以降は宮内庁式部職猟場係に属した。鷹飼。鷹師。たかつかい。




 鷹居(たかすえ)は難読ですが、鷹匠も(たかしょう)ではなく(たかじょう)です。

居を(すえ)と読ませる熟語は他に、「居浦」があります。


 居浦(すえうら)----江戸時代、他藩からの入漁者に年季を切って貸与した一定居住地。


もちろん、据えるというのも関係あるのでしょう。



--
それぞれの住まい


  エンキョ
 ひまでのんびりしていること。くつろいで休息すること。閑居。


  キュウキョ
 かりずまい。また、女性が夫の家に入って一家をなすたとえ。
 鳩は自分で巣を作らず、かささぎの巣にいるからいう。


  ジュンキョ
 うずらのように、住居の不定なこと。また住居に無頓着なこと。


  カンキョ
 年をとって妻がなく、ひとりぐらしをすること。またその人。





少し気になったこと。

2012-03-04 14:08:54 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 安静を切に う。








いく、ほとん(ど)、こいねが(う)



【解字】会意。幺幺+戍。幺幺は、こまかい糸の象形。戍は、守るの意味。戦争の際、守備、兵の抱く細やかな心遣いのさまから、かすかの意味や、あやうい意味を表す。また、祈に通じてねがうの意味を表し、借りて、いくつの意味をも表す。幾を音符に含む形声文字に、機、畿(キ)、磯(キ)、禨(キ)、譏(キ)、鞿(キ)、饑(キ)などがある。

  1. きざ-し。けはい。まえぶれ。「幾微」
  2. かすか。また、おだやかに。それとなく。「幾諫(キカン)」
  3. あやうい(危)。
  4. ほとん-ど。すんでのことに。
  5. ちか-い。「庶幾」
  6. こいねが-う。こいねが-わくは。ねがう。「庶幾」
  7. いく。いくばく。




先月、あるところで話題になったこと。

”常用漢字「機」について”

旁のほうの「幾」の戍に似た字の構成および書き順が議論になった。
しかも、まさか小学四年で習う常用漢字「機」のことで。


 幺幺の後は、横棒を書き”人”を書くのが正解なのではないのか。
 しかも横棒の端は突き出ているよ。


 わたしは、”戍”、”戌”などの仲間だと思っていた。




などなどなど議論百出?、、、




「幾」の解字(新漢語林)では、幺幺+戍 となっている。
でも、「幾」と「戌」では微妙に違うような気もする。

   


こうして見ると、「幾」の横棒は確かに突き出ている。
しかし、解字にあった「戍」の字は横棒が突き出ていない。



念のため書き順についても調べてみる。
漢字の正しい書き順(筆順)
http://kakijun.main.jp/

   

なんと、「幾」「戍」の書き順も違っていた!

「戍」の書き順が、幺幺とひっつくと書き順が変わってしまう。
筆順のセオリーとして、上に字がある場合(幺幺)は、まず横棒(一)で抑えるのだろうか。。

  ・
  ・
  ・
  ・
  ・


納得いかないので、近くの図書館に足を伸ばす。(←わたし、しつこいんです。笑)



二つの字体が存在していました。
そして、楷書・行書・草書によっても書き順が違うことも。
やはりどちらの字体も、書き順も正解かなと思います。
もしかしたら ”正解” など存在しないのかもしれません。
かと言って、漢検的にはどちらも正解にしてくれるかと言うとまた別な話になります。
漢検では、”「楷書」の書体で正しく整えて書き表す。”と謳われているのですから。




同じ字典で常用漢字の「幾」を見てみると横棒が突き出ています。
「幾」の字に限っては、やはり突き出るのが正解のようです。




--
最後に間違えやすい字をまとめておきます。



  ジュ  まも-る
 会意。人+戈。戈は、ほこの象形。人がほこを持って守るの意味を表す。

  ジュツ  いぬ
 形声。戊+一。戊は、ほこの象形。一文字にほこでたつの意味を表す。

  ボ  つちのえ
 象形。おののような刃がついた、ほこの形にかたどる。借りて十干の第五位。

  エツ  まさかり
 象形。大きなおのの象形で、まさかりの意味を表す。







「さわす」は秋の季語

2012-02-27 10:14:12 | ◇1級:読み(訓読み)

 
 白布を川の流れに す。







リン
さわ(す)、あわ(す)、さわしがき、たるがき



【解字】形声。酉+林。音符の林は、立に通じ、長時間立ち続けるの意味。長時間にわたって柿を酒の中にひたして、さわすの意味を表す

  1. 桃の塩漬け。
  2. わ-す(さはす)。あわ-す(あはす)。渋柿の渋をぬく。また、その柿。たるがき。
  3. みりん(味醂)




goo辞書では、

さわ-す さはす【醂す】

(1)湯や焼酎につけて、柿の実の渋を抜く。 「柿を―・す」
(2)水に浸してさらす。
(3)黒漆で、光沢が出ないように塗る。

 ※あわ-す あはす【淡す/醂す】も同じ意味



み‐りん【味醂/味淋】

焼酎に蒸した糯米(もちごめ)を混ぜ、米麹を加えて糖化発酵させて造り、粕をしぼりとった黄色透明の酒。甘味があり、調味料・飲料として用いる。



柿の産地で有名な庄内平野付近の訛りからきた言葉のようです。

醂すとは、渋柿の原因である”タンニン”を炭酸ガスや焼酎と一緒に密封し、化学反応によって渋みを消すこと。



「たるぬぎ たるぬぢ」

柿をつくってる人にとっては、
「渋柿を炭酸ガスや焼酎で渋みを消す」行為は、”さわす”しかありえないわけです。



 ”この柿、ちょっとさわしておいて”



 ほんわか ほっこり


 ♪ざわわ~ざわわ~





一粒で・・・・

2012-01-08 14:00:09 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 「漢字」は、世界に於ける言語の中でもかなり良く出来た表意文字(絵文字・象形文字)である。

漢字を使うことによるメリットは数多い。


  1. 何を表しているかイメージが浮かびやすい。
  2. 平仮名との組み合わせにより文章全体のバランスが良い。
     (平仮名ばかりだと読みにくい)
  3. 文章が短くなる。



ざっと以上のようなことが考えられる。

通常、漢字とひらがなに於ける文字数の関係は、


 ひらがな > 漢字


というような公式が成り立ちます。

しかし、1と3を同時に満たす ”優秀” な漢字が存在する。

※ただし、当て字には例外が存在します。




 麾く ⇒ 差し招く
 挈げて ⇒ 引っ提げて
 擲つ ⇒ 投げ打つ
 幾う ⇒ 請い願う
 邃い ⇒ 奥深い
 慊りない ⇒ 飽き足りない
 薨る ⇒ 身罷る
 佼い ⇒ 見目好い
 揣る ⇒ 推し量る
 腥い ⇒ 生臭い
 耘る ⇒ 草剪る
 歔く ⇒ 啜り泣く
  ⇒ 兄嫁
 壽し ⇒ 命長し
 拐かす ⇒ 勾引かす
 容る ⇒ 形作る
 齬い ⇒ 食い違い
  ⇒ 子羊
  ⇒ 長雨
  ⇒ 水掻き
 袒ぐ ⇒ 肌脱ぐ
 霾る ⇒ 土降る
 狡い ⇒ 悪賢い
  ⇒ 粗玉
  ⇒ 雨垂れ
  ⇒ 帆柱
  ⇒ 豆がら







思い付くまま羅列したまでですが、日本人が中国から伝来した漢字に対し深い思いが込められていると思います。




先述したようにひらがなで書くより文字数が多い熟語(当て字)もあります。

 ひらがな < 漢字

おそらく当て字以外には存在しないのかもしれません。
でも、普通の人の日常においては、態々漢字を用いて書くのは稀なのでしょうね。




 胡頽子(ぐみ)
 野木瓜(むべ)
 山毛欅(ぶな)
 老海鼠(ほや)
 鉄脚梨(ぼけ)
 青花魚(さば)
 牛尾魚(こち)
 桃花鳥(とき)
 蝦虎魚(はぜ)
 七葉樹(とち)
 胡枝花(はぎ)
 五倍子(ふし)
 豆腐皮(ゆば)
 狗母魚(えそ)





--
ブログ記事、あまり更新できないと思いますがよろしくお願いいたします。
もちろん1級取得は諦めておりません。

 頑張ります!






蝸牛

2011-11-05 14:20:00 | ◇1級:読み(訓読み)
 
  分与して纔かに った。









 ぶんよしてわずかにあまった。




 一級漢字を勉強していると ”こんな漢字があったの?” という字に頻繁にお目に掛かります。この「かたつむり」(新漢語林では)を象形とした会意文字・形声文字もそのひとつで、ほとんどの方が初見であり読み方も想像がつかないものと思われます。字義は、”のびちぢみ”の意味を表しているが、このかたつむりを使っている一級配当漢字は全部で三つある。かたつむりに 「女」、「貝」、「羊」を付すことにより読み方も字義も変わり、わたし自身うろ覚えだったこともあり今回整理してみました。






  読み熟語
エイ
うみ
東瀛
瀛表
エイ
か-つ
もうけ-る
あま-る
のび-る
つつ-む
にな-う
贏輸
贏利
ルイ
や-せる
よわ-い
つか-れる
羸弱
羸瘦
羸馬
羸脊

※部首は「瀛」は氵部、「贏」は貝部 「羸」は羊部


ご存知のように一級配当漢字の範囲は、JIS第1水準とJIS第2水準の漢字である。
この他にも”かたつむり”を使っている漢字は数個あるが、全てJIS第3水準、JIS第4水準およびJIS補助漢字のため漢字検定では下記の漢字は対象外となる。(機種により正しく表示されない場合はご容赦ください)


 嬴

 籝

 蠃

 臝



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を新漢語林(大修館書店)では、かたつむりの象形と記していたが、念のため【字統】でも確認。

  クリックで拡大(別窓)



おや?

白川先生の見解では ”やどかり” の象形とある。

”かたつむり” も ”やどかり” も似たようなものですね。

古代中国人の描いた絵文字が何を表しているのかは、想像で考えるしかない訳で・・・




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ところで、注目すべき熟語で「贏輸エイシュ(輸贏)」がある。

勝負のことで、贏=勝ち 輸=負け を意味しているという。

贏の勝ちはともかく、輸が負けるというのは少し意外であった。

「輸」は、車で物を移すという意味を表している。

どうして「負ける」なのか不思議です。

どなたかご教授いただければ幸甚であります。




では、そろそろ塒に戻ることといたします。