漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

指事文字

2014-06-08 10:48:32 | ◇1級:読み(音読み)
杲乎 として天に登るが如し







コウ
あき(らか)、たか(い)



【解字】指事。日が木より高いところにあることから、日が出る・あきらか・高いの意味を表す。

  1. あきらか。日光のあきらかなさま。「杲杲」
  2. 高い。「杲乎コウコ」




 なかなか憶えにくい読み方の熟語ですね。

一級では、あまりお目に掛からない指事文字のせいなのかもしれません。




まず、漢字の成り立ちのお浚いを・・・・


漢字の成り立ち(六書より)
構 成種 類説 明具 体 例
作り方象形文字ものの形を写しとった絵がもとになってできた漢字日、人、子
指事文字ことがらや数などの抽象概念を符号のように表した漢字上、天、本
会意文字すでにできている漢字を組み合わせて新たな概念を表した漢字比(人がふたり) 看(手と目)
形声文字意味をあらわす文字と、音を表す文字を組み合わせたもの。漢字の8割以上を占める河(水+可) 江、固、枯、姑
使い方転注文字本来持っている意味を発展させ、他の意味に転用したもの 楽<ガク>(音楽)→楽しい →楽<ラク>(娯楽)
仮借文字本来の意味とは無関係に音だけ借りたもの。あて字亜米利加<アメリカ> 卑弥呼、巴里、合羽





 漢字の大部分は、意符+音符で構成される形声文字で構成されています。
我々は、殆どの字を音符を頼りに”アタリ”をつけて読んでいると思います。
ただし1級では音符だけで読めるほど単純ではありませんが、半分くらいは当たっているのではないでしょうか。

しかし、1級で配当される象形文字と指事文字は極端に少なく、馴染みのないものが多い。
もちろん、漢和辞書によって解釈が違ってくるので、この分類が異なってくるのが多々ある。
例えば、白川 新字源 藤堂 でも・・・・
特に、象形と指事と会意の区別が辞書によって結構まちまちである。




時間があったので(暇だったので)、一級配当の指事文字を調べてみました。

使用した辞書は、新漢語林の電子辞書版です。


 コツ
人の上に横の一線を引き、高くて平らな意味を表す。


 ヨウ
木の下に日があることによって、日が西に沈んで、くらいの意味を表す。


 ゲツ・ケツ
子の右腕を欠き、右の腕がないの意味を示し、また、いとけない・ひとりの意味を示す。


 ケツ・キョウ
子の左腕を欠き、左の腕がないの意味を示す。


 サン・かんぬき
門に横の一線を加え、かんぬきの意味を表す。







面白いですね。

木と太陽の位置によって意味が逆になる 「杲」と「杳」。


「孑」と「孒」は、子供の腕の位置が左右逆のような感じがしますが、何とも薄気味悪い文字です。

孑孒(ゲッキョウ・ぼうふら) は一級ではお馴染みの熟語です。





醗酵保存食

2013-12-15 10:00:56 | ◇1級:読み(音読み)
 
多種類の 醯醢 を瓶に保存した。







カイ
ひしお、ひしびしお、しおから



【解字】形声 酉+(右+皿)。音符の(右+皿)ユウ=カイは、小さなかめの意味。肉をかめに入れ、酒・塩などでつけこんだ、しおからの意味を表す。

  1. しおから。ししびしお。肉をきざんで塩や酒などにつけたもの。
  2. ししびしおにする。人を殺して塩漬けにする刑。古代の刑罰のひとつ。


 醯醢(けいかい)
  酢と、ししびしお。
  酢であえた塩魚。

 醯=「酢」を、 醢=「醬」を表す。



”ひしお”とは、耳慣れない言葉ですが、H25-1で、肉醬(ししびしお)の訓読みで出題されています。
「ししひしお」でも正解では。 とぼんやり考えてしまいましたが、語呂が悪いですね。

  ひしお
  1. 古代の発酵調味料。大豆のちに小麦を材料とした。現在の味噌、醤油の原形。
  2. 魚。鳥の肉の塩漬。肉醬(ししびしお)。塩辛。

もともと中国から伝わった発酵調味料の ジャン(醬)は、大きく5つに分類されています。
  1. 穀醬 大豆、小麦などの穀物原料とした醬。味噌・醤油。
  2. 肉醬 塩辛の類の調味食品。肉醤・魚醤。
  3. 草醬 野菜を塩などに漬け込んだ保存食品。漬け物。
  4. 腐乳 豆腐を原料とした発酵調味食品。
  5. 豉  くき。大豆を原料とした発酵調味食品。納豆。
醬と豉に、どのような違いがあるかというと、

 醬=豆をつぶしたもの(味噌・醤油)
 豉=豆の形のあるもの(納豆)

と定義されているそうです。


この中で、海に囲まれた島国日本で発達した「魚醬うおびしお」について代表的なものを纏めました。
発酵食品読み方材料特産地
塩汁・塩魚汁しょっつる鰰 ハタハタ秋田
魚汁いしる鰯 イワシ能登
玉筋魚いかなご玉筋魚 イカナゴ香川
鯖腸さばわた鯖 サバ山陰
烏賊腸いかわた烏賊 イカ山形
海鼠腸このわた海鼠 ナマコ伊勢湾
鱲子からすみ鯔 ボラ長崎
醤蝦あみ醤蝦 アミ霞ヶ浦
塩汁(しょっつる)は、醢汁 とも書き、「ひしお汁の転訛か」と広辞苑に載っています。




もうひとつ、発酵保存食として忘れてはならないのが、「馴れズシ」です。
蘊蓄となりますが、馴れズシは、馴鮨と書きます。
鮨は、”うおびしお”とも読みます。
一方、江戸前などの押しズシは、寿司と書きます。
わたしも初めて”鮨”と”寿司”の違いが解りました。
ちなみに駅弁で有名な富山の鱒ズシは、”押しズシ”なので、「鱒寿司」と表記されます。
馴鮨で有名なもの。
 ・鮒鮨(フナ)近江
 ・泥鰌鮨(ドジョウ)滋賀
 ・釣瓶鮨(アユ)奈良
 ・万年鮨(イワナ)木曽
 ・鰰鮨(ハタハタ)秋田

海に面していない内陸部の地域では、淡水魚を材料にしています。



北海道の寒村である私の実家では、正月になると母が「飯鮨(いずし)」を作っていました。
入れる魚は、鰊が定番で、鮭や、𩸽(ホッケ)などもあったように思います。



「切り込み」=生魚を包丁で切り刻んで発酵(北海道)

も普通にお店で売っていました。(今でも)



最後に日本の伝統色を・・・・



#70533B 醬色ひしおいろ




「柳」 雑感。 

2012-06-26 10:21:15 | ◇1級:読み(音読み)
柳絮(札幌市発寒川 2012.6.24)


 
 柳絮の才






ショ、ジョ
わた、わたいれ、くど(い)



【解字】形声。糸+如。音符の如は、しなやかの意味。しなやかな繊維のわたの意味を表す。

  1. わた。
  2. 繭を水にひたして伸ばして作ったわた。真綿。
  3. 古綿。古い真綿。新しいものを綿という。
  4. 柳のわた毛や雪片をたとえていう。「柳絮」
  5. わたいれ。
  6. くどい。くだくだしい。「絮説」
  7. ととのえる。味を調える。「絮羹」


柳絮の才(りゅうじょのさい)

【意 味】
非凡な才能をもった女性のこと。
晋の時代、叔父の謝安の家に招かれた兄妹は、降り出した雪をどのように見るかと聞かれた。兄は「塩を空中にまいたようだ」と答えたのに対し、妹の謝道うんは、「白い綿毛のついた柳の種子が風に舞うようだ」と答えたという故事から。




石川さゆりなら、、

 「 冬の日本海の荒波が岩場に打ちつけられ、砕け散った波の花が風に舞うようだ 」

と答えたでしょう。笑

この場合「浪華の才」なのでしょうか。それとも「演歌の才」でしょうか。




柳はよく女性にたとえて用いられます。



蒲柳の質 (ほりゅうのしつ)

【意 味】
か弱い体質、体質が弱いこと。
蒲柳=かわやなぎの異称。川柳の葉は秋が来ると真っ先に散るところからこういう。



これも1級ではお馴染みです。

実際、

「わたし、蒲柳の質だから・・・」と言う女性に出会ったことはありません。


でも、

「アタシ、柳腰だから・・・」と言ってたシトに出会ったことはあります。笑

  ※柳腰・・・細くてしなやかな腰。多く、美人のたとえ。


おっと、これを忘れていました。


柳眉を逆立てる (りゅうび)

【意 味】
美人が眉をつりあげて怒る。


美人が怒っては台無しです。



他にも柳シリーズで、、


 花柳界・・・・芸者・遊女の社会。遊里。花柳の巷。

 柳葉魚・・・・ししゃも


特に、柳葉魚は熟字訓・当て字では頻出です。



--
北海道の七夕は、旧暦の8月7日です。
北海道には笹竹がないので、短冊は柳に飾りつけます。


わたしも小さい頃、

 「ろうそく出せ、出せよ」

と飾り付けた柳をかついで、提灯を提げ、歌いながら近所を回っていました。

あの頃、短冊には何を書いたのかまったく思い出せません。







月に願いを at KOTONI

2012-05-22 20:31:54 | ◇1級:読み(音読み)
 
   朏魄 は三日月の異称である。








みかづき


【解字】会意。月+出。月が出はじめて、まだ光の明らかではないもの、みかづきの意味を表す。

  1. みかづき。三日月。陰暦三日めの月。



ひはく 三日月。


少し古い話で申し訳ありません、、


この日(4/24)は新月から三日目の月。
太陽が沈んだばかりの札幌の西空に輝く三日月です。



撮影日時:2012.4.24 19:15
撮影場所:札幌市琴似


姮娥 コウガ

《西王母の仙薬を盗んで月へ逃げたという「淮南子(えなんじ)」覧冥訓に見える女の名から》月の異称。嫦娥(じょうが)。



烏兎 ウト

烏=太陽、兎=月
金烏玉兎の略。太陽にはカラスが月には兎が住むという中国の伝説から。



--
そして、5月5日、月が地球に最も接近する時と満月が重なるスーパームーン。

撮影日時:2012.5.5 23:35
撮影場所:札幌市琴似





そうそう、月の満ち欠けのことを表す熟語なんですが準一級では、

盈虚 エイキョ

がよく出題されます。


でも一級では、

盈虧 エイキ  、虧盈 キエイ

が出題されますね。


--
5月21日

わたしも札幌で金環食を堪能しました。
お天気も最高で感慨深いものがありましたね。
人生最後の金環食かと思うと。
でもナマで見れて本当によかった。

時間旅行...


撮影日時:2012.5.21 7:45
撮影場所:札幌医大


わたしのコンデジではこれが限界。苦笑





湯桶読み? :琴似神社

2012-04-28 10:15:09 | ◇1級:読み(音読み)
  


 
毎朝かかさず願懸けに詣でている琴似神社。

この神社の敷地内に「琴似屯田兵屋」があるみたいなので、ある朝ここの禰宜に聞いてみた。


わたし:「琴似屯田兵屋」はどこにあるのでしょう。

 禰宜:あぁ、あの建物の左脇の小径を行けば突き当たります。

わたし:「フツザ」の左脇ですか。

 禰宜:んn? あぁ、「はらいざ」のことですね。そうです、そうです。
       あそこは車をお祓いするところです。





なるほど、ちゃんと車を置くスペースがあります。
祓座 の ”読み方” については、本職の方がそう仰っているのですから異論をはさむ余地はないでしょう。
この「祓座」という熟語、いろんな辞書(神職とか)とネットを駆使し調べたのですが全くヒットしない。
どうやら一般的な用語ではないみたいです。
漢検ではまず出題されることはないでしょう。


祓座脇の小径を行けば・・・



琴似屯田兵屋が。



そして、これが本殿。



ぱんぱん!

どうぞご利益がありますよう。。


してはいけない:食事作法篇

2012-04-19 13:00:26 | ◇1級:読み(音読み)

    摶飯 で昼を済ます。








セン、タン
まる(い)、まる(める)、もっぱ(ら)



【解字】形声。扌(手)+專。音符の專(セン)は、糸を糸巻きにまきつけるの意味。手を付し、まるめるの意味を表す。

  1. まるめる。また、まるい。
  2. むすぶ。かたまる。
  3. あつまる。
  4. うつ。
  5. もっぱら。
  6. ほしいままにする。





たんぱん(飯をまるめる⇒握り飯)




白川先生の字統によると、


声符は專セン(専)。専に團タン(団)の声がある。専は橐フクロの中にものを入れ、これを外から撃ちたたいて砕き、団めることをいう字である。
【摶飯】飯をまるめる。[礼記、典礼上]飯を共にするときは、手を澤タクする(こする)毌ナカれ、飯を摶マルめること毌れ、放飯すること毌れ、流歠リュウセツすること毌れ。



どうやら出典は、行儀作法に関することが書いてある「礼記ライキ」から。
「摶飯」は、人前ではお行儀悪い作法でやってはいけない事のようです。
では、握り飯は人の目の触れるところでは握っていなかったのか(笑)。
まあ当然、茶碗に盛ったご飯を箸(手)でまるめることの意味であろうが。
当時の中国に”にぎりめし”があったかどうかはしらん。


その他にも、


タン

 摶沙 タンサ
 砂をまるめて団子にすること。少しも団結力ないたとえ。

 摶埴 タンショク
 陶器作り。

 摶治 タンチ
 瓦作り。

 摶摶 タンタン
 うち堅めたもの。

 摶謎 タンメイ
 なぞかけ。

 摶食 タンジキ
 指でまるめて食べる。仏者の法。

 摶力 タンリョク
 ???力をあつめる???


セン

 摶一 センイツ
 もっぱら。一事にはげみ他をかえりみないこと。

 摶心 センシン
 心をもっぱらにする。一意摶(専)心。





 摶沙の譬喩は個人的には好き。





 によく似た字で  がある。

小さいフォントだとほとんど見分けつきません。

そう、 と  のように・・・・。













摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶搏摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶摶

崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇祟崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇崇


ウォーリーを・・・・。。


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話、戻します。



ハク 音符の甫+寸(フ)=(ハク)は、斧に通じ、おのやつちで「うつ」の意味。手を付し、うつの意味を表す。

同じく一級配当。
四字熟語で「竜攘虎搏」は、よく出題されているようです。



そういえば、常用の さんもそっくりさんなんですねえ~。(←しつこいっ!)





意符によって読み方が変わります。

2011-05-02 18:02:29 | ◇1級:読み(音読み)

 怠け者が 譫言 をほざく。







セン
たわごと、うわごと



【解字】形声。言+。音符の(セン)は、くどくど言うの意味。言を付し、ことばが多いの意味を表す。
  1. たわごと。うわごと。病気などで意識がはっきりしないときなどにいうとりとめのない言葉。「譫語」「譫言」
  2. 多言。おしゃべり。




一級の読みを学習していると何度も繰り返し間違えてしまう字がある。
もちろんわたしがうろ覚えなのははっきりしているが、原因がわからなかった。

 セン
 

どうやら音符の「セン」という読み方の呪縛から逃れられなかったみたい。
準1級までは、漢字の音符を読めば大体正解だったが、そう一筋縄でいかないところが1級の難しいところ。
意符によって音符の読み方が「セン」「エン」「タン」と変わるみたいです。






セ ンエ ンタ ン
瞻仰檐鈴惨憺
瞻望頽檐澹然
蟾宮簷溜恬澹
蟾兔茨簷擔(担)保
譫言  負擔(担)
譫妄  熊膽(胆)
贍賑  嘗膽(胆)
贍饒    
※1級配当表に掲載されていない字は除外しています。



ただし、 については、
「エン」だけではなく「タン」という読み方も存在します。
しかし現在、「檐」は「担」の新字体で表記されていますので、
1級の問題には 檐=「タン」は出題されないと思われます。


「セン」「エン」「タン」の読みかえについては、熟語で憶えるしかないのでしょうね。

この記事を書いたのも自分の頭を整理し、覚書というか備忘録として書いたのですから。




中国美人

2011-02-26 10:03:25 | ◇1級:読み(音読み)
 
 巧笑 たり 美目盼たり。







セン、セイ
うつく(しい)、むこ、やと(う)、つらつら



【解字】形声。人+。音符の(青)は、澄み切っていてすがすがしい意味。うつくしく、すがすがしい人の意味を表す。

  1. うるわしい。うつくしい。また口もとの愛らしいさま。また、愛らしく笑うさま。
  2. 男性の字(あざな)にそえる美称。
  3. むこ(婿)。
  4. やとう。またやとい人。
  5. つらつら。つくづく。




【出典】

『論語』  子夏問曰。巧笑倩兮。美目盼兮。



【意味】

 笑う口もと愛らしく、目もとぱっちり美しい。




ちなみに「盼」(ハン)は、目の黒白がはっきりしていて美しいこと。


『詩経』衛風の「碩人」にも、

手如柔荑、膚如凝脂、領如蝤蠐、歯如瓠犀、螓首蛾眉、巧笑倩兮、美目盻兮

漢語百題(岸田知子)
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~asuda/kishida/kango100-2.html#88



ここにも蛾眉という言葉が出てきました。

以前、準1級の四字熟語で紹介したことがある「宛転蛾眉」を知っていますか。
中国では、美人を形容する言葉によく「蛾眉」が出てきます。
蛾の触角のような三日月形の細い眉のことです。

日本では蛾というと、あの燐粉を撒き散らす忌み嫌われている蝶ですが、国が違えば全く逆に捉えられているんですね。


また、ここで「螓首蛾眉」とありますが、
「螓首」(シンシュ)とはなつぜみのように、ひたいが広く四角で、美人のひたいの形容に用いる。

中国の方は結構「虫系」の形容を好んでいたのかもしれません。





なまぐさ?

2011-01-16 20:17:46 | ◇1級:読み(音読み)
 
  葷酒 山門に入るを許さず。







クン
くさ(い)、なまぐさ



【解字】形声。艸+軍。音符の軍クンは、薫に通じ、臭いがたちこめるの意味。くさい菜の意味を表す。

  1. からい菜。または臭い菜。にんにく・にら・ねぎなどの類。
  2. なまぐさ。生臭いもの。肉食。




【意 味】生臭いものを食べ、酒気を帯びた者は、寺の境内に入ってはならないということ。

禅宗の寺門などにある戒壇石という石碑に刻まれている文句。「葷」はニラ、ネギ、ニンニクなどの野菜や肉類。禅寺の山門脇の戒壇石などに「不許葷酒入山門(葷酒、山門に入るを許さず)」と刻まれている。 葷酒は、心を乱し修行の妨げになるので、寺の門内に持ち込むことは許さない。





わたしもよく寺院を訪れているんですが、戒壇石に気付いたことはありませんでした。

ここで思い出されるのが、「生臭坊主」ですよね。
”肉食をする僧。戒律を守らない層。不品行の僧。世間僧。”


おそらく語源は、上記の 「不許葷酒入山門」からきていると思う。

修行に酒はもちろんいけないと思うが、韮・葱・大蒜って寒いときに体力をつける野菜だと思っていました。
特にお寺での冬の厳しい修行にはそういった栄養のあるものを摂って風邪に負けないようにしないといけないのではないかな。

あっ、そうか。

修行僧は「精」をつけちゃいけないよね。

欲は煩悩です。







そんな趣味は・・・。

2011-01-05 20:58:05 | ◇1級:読み(音読み)
 
 旧弊が新たな発想の 桎梏 となる。






【意味】シッコク。自由な行動を束縛するもの。



中国の刑罰からきた言葉だろう。

   = 足枷

   = 手枷
  


おそらく丸く切り抜いた板に腕と足を入れて固定したものだったと思われます。


中国の隋・唐律を模範に日本古代の律に規定された五種の刑。

 軽  笞刑(ちけい・むち打ち) 
 ↑  杖刑(じょうけい・つえ打ち) 
 │  徒刑(ずけい・強制労働) 
 ↓  流刑(るけい・島流し) 
 重  死刑(しけい・死刑) 



笞刑ちけい って知っていますか?

 
 むち、しもと、むちう(つ)

 


1級配当の字になります。

竹のむち
楉・葼(シモト) = 細い木の枝

準1級で学習した、鞭は皮のムチですね。
どちらも読んで字の如くでしょうか。

 笞 = 竹のむち
 鞭 = 皮のむち


竹で思い出しましたが、竹箆返し(シッペ返し)の竹箆(シッペイ)ってご存知ですか。※準1級配当
仕返しという意味ですが、座禅の時に「竹箆」を打つ役を交互に務めたのが語源だそうです。
「よくもやったな、次見てろよ」という感じでしょうか。笑




刑罰ついでに磔刑タッケイも1級配当です。
そう、キリストで有名な張り付けですね。
日本でもあったそうですが、この字はあまり覚えたくはないです。
「磔」の字義は、”死体を張り付けて切り裂く” だそうです。
「磔刑タッケイ」をすんなり読める方が現代では少し怪しい人なのかもしれません。


今回は画像を少し控えさせていただきました。
あまりにも画像が残酷なのと、変な方向に行きそうな気がしたものですから・・・・。