コウ
あき(らか)、たか(い)
杲
【解字】指事。日が木より高いところにあることから、日が出る・あきらか・高いの意味を表す。
- あきらか。日光のあきらかなさま。「杲杲」
- 高い。「杲乎コウコ」
なかなか憶えにくい読み方の熟語ですね。
一級では、あまりお目に掛からない指事文字のせいなのかもしれません。
まず、漢字の成り立ちのお浚いを・・・・
構 成 | 種 類 | 説 明 | 具 体 例 |
---|---|---|---|
作り方 | 象形文字 | ものの形を写しとった絵がもとになってできた漢字 | 日、人、子 |
指事文字 | ことがらや数などの抽象概念を符号のように表した漢字 | 上、天、本 | |
会意文字 | すでにできている漢字を組み合わせて新たな概念を表した漢字 | 比(人がふたり) 看(手と目) | |
形声文字 | 意味をあらわす文字と、音を表す文字を組み合わせたもの。漢字の8割以上を占める | 河(水+可) 江、固、枯、姑 | |
使い方 | 転注文字 | 本来持っている意味を発展させ、他の意味に転用したもの | 楽<ガク>(音楽)→楽しい →楽<ラク>(娯楽) |
仮借文字 | 本来の意味とは無関係に音だけ借りたもの。あて字 | 亜米利加<アメリカ> 卑弥呼、巴里、合羽 |
漢字の大部分は、意符+音符で構成される形声文字で構成されています。
我々は、殆どの字を音符を頼りに”アタリ”をつけて読んでいると思います。
ただし1級では音符だけで読めるほど単純ではありませんが、半分くらいは当たっているのではないでしょうか。
しかし、1級で配当される象形文字と指事文字は極端に少なく、馴染みのないものが多い。
もちろん、漢和辞書によって解釈が違ってくるので、この分類が異なってくるのが多々ある。
例えば、白川 新字源 藤堂 でも・・・・
特に、象形と指事と会意の区別が辞書によって結構まちまちである。
時間があったので(暇だったので)、一級配当の指事文字を調べてみました。
使用した辞書は、新漢語林の電子辞書版です。
兀 コツ
人の上に横の一線を引き、高くて平らな意味を表す。
杳 ヨウ
木の下に日があることによって、日が西に沈んで、くらいの意味を表す。
孑 ゲツ・ケツ
子の右腕を欠き、右の腕がないの意味を示し、また、いとけない・ひとりの意味を示す。
孒 ケツ・キョウ
子の左腕を欠き、左の腕がないの意味を示す。
閂 サン・かんぬき
門に横の一線を加え、かんぬきの意味を表す。
面白いですね。
木と太陽の位置によって意味が逆になる 「杲」と「杳」。
「孑」と「孒」は、子供の腕の位置が左右逆のような感じがしますが、何とも薄気味悪い文字です。
孑孒(ゲッキョウ・ぼうふら) は一級ではお馴染みの熟語です。