漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

眠る盃

2011-09-24 15:23:29 | ◇1級:文章

 
 彼らは瞞着した皮肉を浮べながら、酒舖から酒舖へ蹣跚として よろ めいていつた。が、彼らの頭は夜が来ると一様に冴え渡つた。

碑文/横光利一









ソウロウ
よろめ(く)

蹌踉

  1. 足元のたしかでないさま。よろめくさま。
  2. 誘惑にのる。浮気をする。





 俗にいう 『 よろめきドラマ 』 は、『 蹌踉きドラマ 』 と書きます。


しかし今回わたしが注目したのは、音読みの「ソウロウ」の方。
 「ソウロウ」 で思い浮かべるのが、
司馬遼太郎の小説、幕末における土佐藩・山内豊信を書いた「酔って候」です。
「酔ってございます」とか「酔っておいでになります」という意味合いでしょうか。

でも、「蹌踉=よろめく」という言葉を憶えてしまうと、

 「酔って蹌踉」

の方がシックリくると感じませんか。

それとも、酔ってヨロメクのは、「酔歩蹣跚(すいほまんさん)」の専売特許なのでしょうか。笑
ちなみにgoo辞書では、【蹌踉めく/蹣跚めく】の2つがあるみたいです。



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誤謬で思い出したことがあります。

 昔とったキネヅカ

杵塚だと、つい最近まで思っていました。
「づか」という漢字がこれしか思い浮かばなかった。と言った方が正しいのかもしれません。
恥ずかしながら諺の正確な意味も把握していませんでした。
今思えば、「杵の墓」というのも変だなと感じますが。。

正解は「杵柄」なんですが、「柄」という字、準1級の検定で「権柄けんぺい-ずく」がどうしても思い浮かばなかった悔しい字でもあります。





女房言葉のような気がします。

2011-09-18 16:56:46 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 毎日 お いしましょう。






シュン
さら(う)、ふか(い)



【解字】形声。氵(水)+。音符の(シュン)は、出たに通じ、出すの意味。水中から、たまったどろなどをくみ出す、さらうの意味を表す。

  1. さら-う。
  2. くむ。くみだす。
  3. 井戸・川などの底の土砂などを取り去る。底を深くする。「浚渫」
  4. 他人の物を奪い取る。かっさらう。
  5. 深い。
  6. 待つ。
  7. 大きい。



 おさらい

 1.習ったことを繰り返し練習すること。復習。
 2.習得した技芸を発表すること。温習。



 最近、親や先生が子供の勉強やお稽古事について、この言葉は遣わなくなってきたように思います。
幼少期の学習については、繰り返しの復習が重要であることは今も昔も変わりはありません。
現代は、「復習」が大多数であり、「おさらい」は近い将来死語になってしまうのかもしれません。
でも、伝統芸術である日本舞踊ではまだ「おさらい会」という行事が存在しているみたいですね。


しかしまさか ”ドブ浚い” の字と同じとは意外に感じませんでしたか。



浚渫船はご存知でしょうか。

浚渫(シュンセツ)・・・水底の土砂や岩石をさらうこと。

実際見ているけど、名前を知らない方が多いのでしょうね。(←わたし)




浚渫の渫も「さらう」という意味を持ちますが、「お渫い」とは遣わないようです。


セツ、チョウ、
さら(う)、けが(す)、も(らす)、あなど(る)



【解字】形声。氵(水)+枼。音符の枼(セツ)は、刪(サン)に通じ、けずるの意味。水底のけずる、さらうの意味を表す。また、泄(セツ)に通じ、もらすの意味にも用いる。


  1. さら-う。水底の泥などを除き去る。「浚渫」
  2. 漏れる。泄。洩。
  3. 散る。
  4. 汚す。
  5. あなどる。なれなれしくする。
  6. やむ。やめる。休止する。
  7. きよい。




なるほど、「おさらい」を「お渫い」と遣わない理由がわかりました。

 浚は、”さらえる”

 渫は、”けずる”

という意味合いが強いようです。



しかし、四字熟語の


せいせつふしょく



【意 味】賢者が登用されないままでいること。

     「渫」は水底の泥やごみを除く意で、「井渫」は井戸の水がきれいに澄んでること、
     「不食」は飲用として用いられない意。
     せっかくきれいな井戸水があっても、汲んで用いられないということから。

【補 説】「井(セイ)渫(サラ)えども食(クラ)われず」とも読む。

【出 典】「易経」<井>


こちらは、「渫」の方を用いています。




ところで、浚の字義に

<他人の物を奪い取る。かっさらう。>

というのがあります。


 ■攫う、掠う(浚うと同語源)

 ■復習う、温習う(浚うと同語源)


これも意外ですね、人攫いの攫うと同じ語源だったとは。




あっ、女房言葉については、こちらを参照ください。

女房言葉 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E6%88%BF%E8%A8%80%E8%91%89


古典に親しむ -副詞

2011-09-12 19:46:38 | ◇1級:文章


 副詞

 品詞の一つ。自立語で活用がなく、主語・述語にならない語のうち、主として連用修飾語と用いられるもの。状態副詞(たちまち・のんびり・ちらちら)、程度副詞(もし・あたかも・決して)などに分けられる。





 読み・書きの総合演習として、最後に難関の文章題が大きく立ちはだかっている。200点満点の30点配点なので結構なウェイトを占める。出題は、明治以降の文豪である 田山花袋、中島敦、森鴎外、中江兆民、芥川龍之介などの作品から引用されるが、すぐさま「言葉を知らない」ことに愕然とさせられる。名作を揃えた”Yonda?パンダ”でお馴染みの『新潮文庫の100冊』なんて殆ど手にしたことないわたしのことですから結構キツく感じます。




中でも厄介なのが、「副詞」

読むのはもちろんのこと、書けなければいけません。





 蓋し  けだし
 而も  しかも
 亦   また
 豈   あに
 将に  まさに
 竟に  ついに
 嘸   さぞ
 安んぞ いずくんぞ
 敢えて あえて
 仮借  あたら
 浦めて はじめて
 曾て  かつて
 就中  なかんずく
 偶々  たまたま
 稍   やや
 偖   さて、つらつら
 恰も  あたかも
 愈   いよいよ
 憖い  なまじい
 寧ろ  むしろ
 霎   しばし
 曩に  さきに
 些か  いささか
 咸く  ことごとく
 況や  いわんや
 寔に  まことに
 亟   しばしば
 苟も  いやしく
  畏くも かしこくも




その他にも、、


 雖も  いえども 連語 
 如く  ごとく  連語
 這の  この   連語
 所謂  いわゆる 連語
 爾   その   連語
 許り  ばかり  助詞
 杯   など   助詞
 序で  ついで  名詞
 尤も  もっとも 名詞
 噫   ああ   感嘆詞
 茲爰啻 ここ   接続詞





漢検「一級」に挑戦するのは、自分の漢字力、つまり国語(日本語)の世界を充実することなのであり、より文化的に向上する生活を目指した生涯学習の一階梯である。

   『漢検協会 完全征服 ―漢字は生涯の友―』





ええ、もちろん信じていますとも。







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一昨日、親類の結婚式で13年振りに第2の故郷である旭川を訪れた。
旭川駅は改装中で当時の俤を残していませんでしたが街並は以前のままでした。
買物公園、大雪山、石狩川と澄んだ空、優佳良織 、三浦綾子、そしてラーメンの梅光軒・・・

結婚式は教会で行われましたが、賛美歌を斉唱する女性信者たちの美しい歌声に思わず涙が零れた。
旭川でキリスト教言えば、神父が自らの命と引換えに乗客の命を救う 三浦綾子の「塩狩峠」が有名です。
ここでもテーマは、「愛」です。

『新潮文庫の100冊』の一冊に入っています。





札幌への帰り道、立ち寄った砂川のSOMES.(皇室御用達)

わたしは貧乏なので、読書青年になろうと↓を購入。
https://www.somes.co.jp/store/products/detail.php?product_id=406

治療ついでに漢字のお勉強。

2011-09-05 18:22:21 | ◇1級:書き(故事・諺)
 
  薏苡 の謗りを受ける。



【意 味】無実の嫌疑をかけられること。

【故 事】
東漢の名将である馬援(伏波将軍とも呼ばれます)は率いている軍隊が南方国境に駐屯しました、多くの兵士が病に罹っています。現地民間では、薏苡を用いて、兵士の病を治療し、顕著な効果が得られました。馬援は南方国境地に起きた動乱を平定した後、幾つかの馬車に乗せた薏苡を持って凱旋しました。ところが、馬援が亡くなった後、朝廷に居る人に誣告されました(あの大量の明珠は、伏波があらゆる手を使って収奪したものです)。この事件は、朝野が冤罪と認識され、「薏苡之謗」と名付けられました。詩人―白居易の詩句:「薏苡讒憂馬伏波」があります。

引用元:国立北京中医薬大学日本校ブログ
    http://jbucm.exblog.jp/12917373/







薏苡よくい(ハト麦)

これは、絶対に故事・出典を理解していないと意味がわからないことです。
 『ハト麦の謗り』ではまるで意味が通りませんからね。
なるほど「濡れ衣」「冤罪」と同じ意味のようです。






 先日、持病の頸の痛みが悪化し我慢できず整形外科で診てもらった。
受診前に記入する問診票の、「痛む部位」に ”頸椎、右肩” と書いたが、
後で考えると少し厭味だったかもしれない。
普通に ”首” と書けばよかったかなと。



先生の診断では、頸椎ヘルニアだと思うがはっきりと原因はわからず。

取り敢えず、リハビリを受けることにした。

 1.患部を温める(温熱療法)
 2.電気による低周波(電気療法)
 3.機械マッサージ(ウォータベット)


全てが終わった1時間後、


先生:『どうでした?』

 私:『イヤ、あんまり変わらないです。』

先生:『そうでしょうね。1回では変わりませんよ。』

 私:『・・・・そうですね、暫く通ってみます。。』
  (きっと効いたと言ったら、そうでしょう!と答えたと思う。。)

先生:『それでは、漢方も出しておきますね。』


で、処方されたのが、





「薏苡仁湯」ヨクイニントウ

【効能】はれ・痛みのはげしい関節痛、筋肉痛を解消する。

【成分】・ヨクイニン(薏苡仁)---ハトムギの種皮を除いた種子。
    ・ソウジュツ(蒼朮)---おけら
    ・トウキ(当帰)
    ・マオウ(麻黄)
    ・ケイヒ(桂皮)
    ・シャクヤク(芍薬)
    ・カンゾウ(甘草)



漢検でお馴染みの薏苡の他にも蒼朮ソウジュツ(おけら)も見つけました。


また看護士より、

 『我慢できない痛みのときに飲んでくださいね。』


と手渡されたのがこれ。



疼痛時トウツウジ

 うずくような痛み。ずきずきする痛み。



疼くような痛みって、何だか痒いような気がする。
ズキズキするなら何となくわかるけど。。



漢字を勉強していると、どんな場所ででも難しい漢字に出遭うとすぐ反応してしまうのは悪い癖です(苦笑)