漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

今こそキズナ・・

2011-03-19 17:54:12 | ◇1級:書き(書き取り)
 
かかる君に仕うまつらで 宿世つたなく悲しきこと この男に ホダ されて
伊勢物語 (六十五段)






ハン、バン
きずな、ほだ(す)、つな(ぐ)



【解字】形声。糸+半。音符の半は、攀ハンに通じ、ひきつなぐの意味。きずなの意味を表す。

 
  1. きずな。ほだし。
  2. 牛馬などの足をつなぐなわ。
  3. 物をつなぎとめるもの。自由を束縛するもの。「羈絆キハン」
  4. ほだ-す。つなぐ。つなぎとめる。





「情に絆される」とは、よく使うと思います。

でも「つなぎとめる」という意味は少し意外でした。

攀は、登攀の攀で、すがる、取り付くという意味を持ちます。

「ほだされる」は、「ほだす」の受動形。

相手から、自由を束縛されてしまうこと。

羈は、牛馬をつなぎとめるおもがい。手綱のこと。

絆キズナ とは、もともと動物をつないでおく綱の意。

断ちがたい人と人との結びつき。



今年の漢字は「絆」に決まって欲しいかな。。




途方にくれる・・・

2011-03-13 15:01:43 | ◇1級:書き(書き取り)
陸前高田市:朝日新聞




日常一瞬、 がれき の山








レキ
こいし、いしころ、つぶて



【解字】形声。石+樂。音符の樂は、どんぐりの象形。石のつぶつぶ、小石の意味を表す。

  1. 小石。いしころ。「砂礫」「礫石」



瓦礫。


地震当時、わたしは埼玉で東日本のライフラインの監視業務をしていました。
震度5強と断続的な余震がビルを揺らし業務が満足にできないほど。
そして次々とサービス停止を示す警報が宮城・福島・岩手方面で点灯した。

その後テレビで信じられない光景が映し出される。
人を乗せたままの車が津波に呑み込まれていく。
こんな惨い光景を目の当たりにしたのは初めてのこと。


インフラが発達している日本でも一瞬にして寸断させられる自然の脅威。
技術の粋を集めた原発がいま仇となって国民に返ってきてるような気がする。

阪神・淡路大震災から16年が経過し「天災は忘れた頃にやってくる」を実感。
当時、オリックスの仰木監督が復興を目指し、「がんばろうKOBE」のワッペンを
つけ市民を勇気付けたことが思い起こされる。


とにかく「頑張って」と。。



いよいよ春本番。

2011-03-06 17:15:31 | ◇1級:書き(書き取り)
大阪城の紅梅

 
チツ や蚯蚓の紅の透きとほる   《山口青邨》








チツ、チュウ
かく(れる)、とじこも(る)



【解字】形声。虫+執。音符の執は、とらえるの意味。虫が地中にとらえられる、とじこもるの意味を表す。

  1. かく-れる。とじこもる。虫類が土中にかくれる。
  2. 冬ごもりしている虫。
  3. 啓蟄は、二十四気のひとつ。春分の十五日前。土中にかくれた虫が動き出す季節。




【啓蟄】大地が暖まって、冬の間地中にいた虫が這い出てくる頃。


二十四節気については、こちら をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/sh_tech/e/554529920da87c1f80538488836263ca


本日、3月6日は啓蟄でした。

暖かい陽気に誘われ、暫し公園のベンチにひとり佇んできました。
空も抜けるような青空の下、孫と爺ちゃんがサッカーボールで遊んでいました。
いつのまにか木々の葉も若草色になり春の息吹を感じさせてくれます。


蟄に似た言葉で  があります。
文字通り、春になって虫がうごめくことです。



啓蟄は、蟄(地中に居る虫)が啓(ひら)くこと。
地中にいた虫が出てくること。


逆の言葉で閉蟄(へいちつ)という言葉があります。
虫が地中にこもることで、旧暦の10月上旬頃のようです。



今日から十五日後の3月21日は、春の訪れを祝う「春分」です。

いよいよ春本番。



♪ニシン来たかとカモメに問えば~

2011-03-05 15:01:56 | ◇1級:書き(書き取り)
アフィリエイトではありません。


 
 親子は二十年振りに カイコウ した。





【意味】思いがけなく出会うこと。めぐりあうこと。




カイ
あ(う)、めぐりあ(う)



【解字】形声。辶(辵)+解。

  1. 会う。めぐり会う。出会う。
  2. うちとけるさま。


コウ
あ(う)



【解字】形声。辶(辵)+后。音符の后は、遘(コウ)に通じ、あうの意味。

  1. 出会う。ふとめぐり会う。
  2. うちとけるさま。



「邂逅」という言葉を最近まで知りませんでした。

 でも、この頃書店で司馬遼太郎の「邂逅」シリーズの本をよく見掛けるようになりました。わたしは近代日本史のほとんどを司馬遼太郎の本から学んだと言って過言ではありません。上の本のタイトルにある高田屋嘉兵衛をモデルに書いた「菜の花の沖」ももちろん何度も読み返しました。昨年、京都に行った折、街の中の至るところに「にしん(鰊)そば」の看板がありました。どうやら京都の名物みたいですが、わたしには少し違和感が残りました。

だって、鰊は北海道の魚ではありませんか。江戸時代、北海道の日本海側では、群来(クキ)といって鰊が産卵のために大群で沿岸に押し寄せ海の色が変わるほどだったといいます。今でも建物は保存されていますが、江差、小樽、留萌辺りにある鰊御殿(にしんごてん)が往時を思い起こされます。それより100年ほど前に、高田屋嘉兵衛が登場するわけです。大阪から北前船の日本海経由で蝦夷地(北海道)の松前藩と廻船問屋として交流し蝦夷地から得た鰊・昆布・錦などのうち、鰊のほとんどは畑の肥料に利用されたと聞きます。嘉兵衛が大阪の堺に荷を卸した物は、そこから淀川経由で京都に運んだものと想定されます。そうでないと京都の名物が「鰊そば」な筈がありませんから。

ただし、「鰊(にしん)そば」の発祥の地はどうやら京都みたいです。

身欠きニシン(干物)として山間部に保存食として重宝されていました。

わが心、時空を超えて・・・







書けそうで書けない・・・

2011-03-02 21:18:23 | ◇1級:書き(書き取り)
 
 これは何かの タタ りではないか。







スイ
たた(る)、たた(り)



【解字】形声。示+出。音符の出は、追い出すの意味。神に追い出される、たたりの意味を表す。

  1. たた-る。また、たた-り。神仏などが人をいましめるために下すわざわい。





タタリじゃぁぁぁぁあああ

でお馴染みの『八つ墓村』が流行ったのは、確かわたしが中学生の頃。
金田一シリーズを書いた横溝正史の作品です。


「祟」なんて字に似た字で「崇」があります。
フォントサイズが小さいとほとんど見分けがつかないと思いますので拡大!


  祟

  崇




字義的にはまるで対極ではないでしょうか。
参考までに崇の字義を示しておきます。




スウ
たか(い)、たっと(ぶ)、あが(める)たか(い)とうと(ぶ)、あが(める)、お(わる)



【解字】形声。山+宗。音符の宗は、あさの意味。山の中のかしら、高い山ぼの意味を表す。

  1. たか-い。山が大きい。またたか-くする。
  2. たっと-ぶ。あが-める。「尊崇」
  3. たてる。樹立する。
  4. 終わる。終える。
  5. みたす。みちる。
  6. 山名。=崇。




祟は、示部、崇、は山部。

両方の漢字に共通するのは、「示」です。

  

【字義】
象形。神にいけにえにささげる台の象形で、祖先神の意味を表し、また指に通じて、しめすの意味を表す。



とある。
祟も、崇も「示」があるけれど、あまり触れられていないようです。
でも、なんとなく「祟り」も「崇高」も出処は同じように思いますけど。

どちらも 示=神 がキーワードのような気がします。