漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

平安の閨秀作家

2012-03-22 20:42:51 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
けいめいくとう



【意 味】
つまらないことしかできない人のたとえ。また、つまらないことでも何かの役に立つことがあるというたとえ。
「鶏鳴」は鶏の鳴きまね、「狗盗」は犬のようにこっそり盗みをはたらくこと。人をあざむいたり、卑しいことしかできない者のたとえ。転じて、そんな人間でも何かの役に立つことがあるというたとえ。

【補 説】
「狗盗」は「こうとう」とも読む。また「鶏」は「雞」とも書く。

【故 事】
中国の戦国時代、秦の昭王に捕らえられた斉の孟嘗君が、犬のように盗みをはたらく食客と鶏の鳴きまねのうまい食客の働きで脱出し、無事逃げ帰ったという故事から。

【出 典】
『史記』<孟嘗君伝>





準一級でお馴染みの四字熟語です。

漢検学習では、せいぜい意味と出典である孟嘗君伝の故事とを関連づけて覚えることでしょうか。


最近読んだ本で久しぶりにこの「鶏鳴狗盗」にお目に掛かりました。

丸谷才一さんの新刊エッセーで孟嘗君伝と清少納言について書かれていたのです。


清少納言の百人一首、



 夜をこめて鳥のそら音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ


ならわたしも知っていました。

でも、清少納言が孟嘗君びいきで「鶏鳴狗盗」の故事を踏まえた上で、行成への当意即妙な返歌だったことは恥ずかしながら知りませんでした。

清少納言は漢籍にも通じ、機知に富んだ素晴らしい歌人であったと思いもあらたに。

こうして孟嘗君と清少納言を一本の線として識るということが教養なのでしょうね。(わたしには無理)



くわしくはこちら↓

【百人一首講座】さま
http://www.rakuten.ne.jp/gold/ogurasansou/hyakunin/062.html


正しく使ってライバル達に差をつけよう!(笑

2010-07-15 20:36:02 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
おうばんぶるまい




【意 味】盛大なごちそう。また、気前よく物を与えたりごちそうしたりすること。
     江戸時代、正月に親戚などを招き宴会をしたことをいう。
     「椀飯」は椀に盛った飯をすすめる意。

【解 説】「大盤振舞」「大番振舞」は、本来は当て字であるが、
     現在では「大盤振舞」が一般的に使われる。

Wikipedia 「椀飯」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%80%E9%A3%AF




わたしも勘違いというか、当て字の方しか知りませんでした。
よさこいソーランじゃないけど、知名度ではすっかり本家を凌駕してしまっています。
でも、ここは準1級を勉強している者であれば、意地でも「大盤振舞」を使ってはいけません。笑
それに読みも ”おうばん” ではなく ”おおばん” ですしね。


同じく本家を凌駕してしまったパターンの4字熟語として「捧腹絶倒」と「抱腹絶倒」があります。
「ほうふくぜっとう」 意味はどちらもで腹をかかえて大笑いをすること。
出典は『史記』<日者伝>「腹を捧えて大笑いす」とあるのにもとづきます。
これも ”捧える” が本家ですが、 ”抱える” に変化していったみたい。(書換え漢字?)
これもぜひ、「捧腹絶倒」と書くように心掛けたいものですね。


でも、こんなことわざわざ書かなくたって皆さん知っていますよね。。[m(_ _)m]


そうだ 京都、行こう。

2010-04-09 22:51:49 | ◆準1級:書き(四字熟語)
祇園の舞妓はん



ぎおんしょうじゃ




【意 味】釈迦の説法が行われたことで有名な寺院の名。
【解 説】
悟りを開いた釈迦が最も多く留まって説法をした精舎。アナータピンディカ(給孤独)長者と呼ばれていた大商人スダッタとジェータ(祇陀)太子の寄進によってできたため、「阿弥陀経」ではジェータ王子の樹園(祇樹)・アナータピンディカの園(給孤独園)と2人の名を冠して「祇樹給孤独園」とよばれている。それを略して「祇園」という。



標準字体許容字体読み
 ギ

 くにつかみ





京都の町や電車の中とか至るところで、  という文字を目にします。


わたしみたいな ”お上りさん” には、最初目にした時はかなり違和感が残りました。



今まで、 しか目にしたことがなかったんだから。



でも意外なことに、「示」より「ネ」のほうが、歴史は古いみたいです。



そう言われてみると、 もなかなか味があるような気がしてきますどす。



---
OKWave

『祇』←これがVistaでは[示氏]に表示され、XPでは[ネ氏]に表示されます。
1978年のJISでは正字だったのに、1983年のJISが勝手に略字を採用したために、
XPまでのOS標準のMS書体では外字を使わないと[示氏]が出せなかったのです。
http://www.biblosfont.co.jp/pdffiles/g02sample.pdf
#F863
2004年のJISで正字に戻されました。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/jis2000-2004.html
印刷標準字体に変更したもの(168字)
JIS:3540

文字化けする字はほかにもあります。
たとえば下記の字に含まれるシンニョウの点の数は、XPでは一つ、Vistaでは二つです。
逢 迂 迦 逗 遡 遜 腿 辿 槌 鎚 辻 遁 謎 這 樋 逼 蓬 迄 鑓 漣

XPでもフォントパッケージをインストールすれば、Vistaと同じになります。
http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/jp_font/jis04/default.mspx

「祗」は、「ネ氏」はだめだから正しい字にしようとして、別字であることに気づかなかったミスだと思われます。


眉毛美人

2010-04-01 22:08:48 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
エンテンガビ




【意 味】顔かたちが美しいさま。美人の形容。
【解 説】「宛転」は眉が美しい曲線をなすこと、
     「蛾眉」は蛾の触角のように細長く曲がっている美しい眉。
     美人の眉のたとえ。
【出 典】白居易の「長恨歌」、劉希夷の「代悲白頭翁詩」
<四字熟語辞典>




 蛾と聞くと、鱗粉撒き散らし街灯に群がる気色悪い光景を思い浮かべます。
でも中国では日本ほど嫌われた存在ではなく寧ろ好意的にさえ思われているのかもしれません。

中国における美人の条件に「眉」の占める割合が大きかったような気がします。
四字熟語で「眉美人」を表すのが他にもありました。


◆曲眉豊頬(きょくびほうきょう)

 美しい女性のたとえ。
 「曲眉」は三日月形の美しい眉のこと。
 「豊頬」はふっくらとした頬の意。



◆柳眉倒豎(りゅうびとうじゅ)

 女性が眉を逆立てて怒るさま。柳眉を逆立てる。
 「柳眉」は柳の葉のように細い眉の意から、女性の眉。
 「倒」は逆さま、「豎」は立てる意。「倒豎」は逆さまに立てる。




ニッポンでは、美しい女性に向かって、

 『あなたは、本当に蛾眉ですね。』

と言うとほとんどの場合は勘違いされること必至です。

でも、「豊頬」の女性を美しいと思う美的感覚は日中相通ずるところがあるようです。



ちなみに、下の言葉を女性に使ってはいけません。

◆眉目秀麗

 顔かたちが美しく整ってるさま。男性に用いる語。
 「眉目」は、顔のようす。顔立ち。
 「秀麗」は、すぐれて美しいこと。


極東だから世界の果ての国なの?

2010-03-11 21:38:50 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
ゾクサンヘンチ
粟散辺地



【意 味】粟つぶの散らばったような世界の果ての小さな国。
【解 説】特に中国などから見て日本をいう語。
     「辺地粟散へんちぞくさん」ともいう。
【出 典】
【類義語】粟散辺土(ぞくさんへんど)
<四字熟語辞典>



日本の事を東夷というように、中華思想における異民族を蔑んで言った言葉だと思っていました。

でも、あれ?と思ったのは、


>特に日本人自身が、日本のことを中国やインドと対照させて、このように表現するときがある。(goo辞書)


えっ、日本人が自ら自分の事を遜ってこんなことを言ったんですか。


よくよくネット検索してみたら、結構ありますねえ。

 ・さすが我朝は粟散辺地の境、濁世末代といひながら〔出典: 平家 2〕
 ・況(いはん)や我が国は粟散辺地の境なり 〔太平記・三三〕
 ・茫々ぼうぼうたる巨海に船渡りして、粟散辺地の扶桑に跡をとどめ、迷える衆生を導かんと〔花田清輝・鳥獣戯話〕
 ・粟散辺地の主として此の大内を造られたる事〔出典: 太平記 12〕


この頃から、大国に対し弱腰な媚びた態度だった訳ではないだろうけど。


鉤縄規矩の親戚になります。

2010-03-10 22:00:37 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
 鉤縄規矩はこちら



キクジュンジョウ
規矩準縄



【意 味】物事や行為の標準・基準になるもののこと。手本。きまり。
【解 説】「規」はコンパス・ぶんまわしのことで、円を描くのに用いる。
     「矩」は方形を描く差し金(直角に曲がった物差し)
     「準」は水平を測るための水盛。水準器。
     「縄」は直線を引くための墨縄のこと。
【出 典】『孟子』離婁上
【類義語】鉤縄規矩(こうじょうきく)
<goo辞書より>




 円



 四角



 水平



 直線



辞書に載ってないのはちょっと悲しい。

2010-02-24 21:46:33 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
サンショクゲイドン
蚕食鯨呑


【意 味】様々な方法で他国を侵略する。大国が小国を侵略していくこと。
【解 説】?
【出 典】?
【類義語】?



準1級の四字熟語になると、ネット検索でもヒットしないものが数多くある。
たまにヒットしたとしても中国語のページか、漢検ブログのページがほとんど。
といったこともあり、四字熟語辞典を無理して買わざるを得ませんでした。

「漢検 四字熟語辞典 日本漢字能力検定協会(2,940円)」

でも悲しいかな、いくら引き直しても載っていなかったのが上の熟語。
漢検協会の『完全征服』でも載っているのにおかしいですよね。
すごく納得がいかないんですが、わたしの引き方が間違っているのかもしれません。
念のため「鯨呑蚕食」でも引いてみたんですが結果変わらず。
本当に載っていないのでしょうか。


ところで、この熟語の意味がいまひとつしっくりこない。

【蚕食】 蚕が桑の葉を食べるようにしだいに他国を侵略すること。
【鯨呑】 鯨がのみこむように、大きな口で一口にのむ。強い者が弱い者を併合するたとえ。
<新漢語林より>

『完全征服』---様々な方法で他国を侵略する。
『高橋書店』---大国が小国を侵略していくこと。

と微妙にニュアンスが違う。

 蚕食⇒徐々に
 鯨呑⇒一気に

なんだか、攻め方の違いのような気がする。
鯨呑だけなら、”大国が小国を侵略” というのは納得できる。
なので『完全征服』のほうがしっくりくる。


こんなページを見つけました。


*蚕食鯨呑
「蚕食」と「鯨呑」は異なった形の侵略をいう。「蚕食」といえばカイコが小さな口で桑の葉を少しずつ食べるようす。それでもいつしか桑の葉は筋だけになる。つまり諸侯による「蚕食」(『韓非子「存韓」』から)という侵略である。一方に、クジラが大きな口でガブリとひと呑みするように、「鯨呑」の勢いによる一気の侵略(『晋書「慕容?載記論」』など)がある。のちに二者を連ねて「蚕食鯨呑」と呼ぶようになった。孫文は「興中会宣言」の中で祖国が蚕食鯨呑の危機にあることを指摘している。つまりリーダーたる者は、一方で大局を見、一方で細部を知る。そんな双方の視点を合わせ持つ能力が要請されることになる。




百聞は一見に如かず

2010-02-23 22:03:09 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 

コウジョウキク
鉤縄規矩



【意 味】物事や行為の標準・基準になるもののこと。物事の手本。きまり。
【解 説】「鉤」は先の曲がったかぎの意。ここでは曲線を描くための道具。
     半規または曲尺かねじゃくという説もあり、その形状は未詳。
     「縄」は直線を引くための墨縄すみなわのこと。
     「規」はコンパス・ぶんまわしのことで、円を描くのに用いる。
     「矩」は方形を描く差し金(直角に曲がった物差し)
【出 典】『荘子』
【類義語】規矩準縄(きくじゅんじょう)
<goo辞書より>



 曲線



 直線



 円



 四角



こんなに笑った四字熟語は初めてです。

2010-02-21 20:04:13 | ◆準1級:書き(四字熟語)
 
チョウサンリシ
張三李四



【意 味】ごくありふれた平凡な人のたとえ。
【解 説】張氏の三男と李氏の四男の意で、張と李は中国で非常に多い姓。
【出 典】『景徳伝燈録』
【類義語】張三呂四(ちょうさんりょし)、張甲李乙(ちょうこうりいつ)
<四字熟語辞典(漢検協会)より>



日本で言うところの ”佐藤家の三男坊と高橋家の四男坊” といったところでしょうか。

この四字熟語を目にして、誰もが思い浮かべたであろう 「朝三暮四」。

共通項は多い。

数字の三と四を使ってるところと、

”チョウ三四”
”チョウ三四”

と、お年寄りでは耳で聞き分けることがほぼ不可能なくらい酷似しているところ。

「朝三暮四」を買いに来たお客さんが、うっかり「張三李四」を手にしてしまうパクリ商品みたい。

「朝三暮四」は社会へ浸透し結構な頻度で使われていると思うし認知されている。
でも、「張三李四」の方は、知名度は極めて低いはず。
この四字熟語を使っているのを聞いた事がないし、使っている人をみたらきっと疑ってしまうと思う。


ましてや、張さん李さんを前にして

 『張三李四と侮られてもいいから、私は平凡な人生を送りたい』

なんて 言う勇気はないですよね。