漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

人としての生き方

2011-04-10 18:09:33 | ◇1級:読み(訓読み)
 
讒夫毀士、如寸雲蔽日、不久自明。
媚子阿人、似隙風侵肌、不覚其損。


 
菜根譚 前集193項より



讒夫毀士は、寸雲の日を蔽うがごとく、久しからずしておのずから明らかなり。
媚子阿人は、隙風の肌を侵すに似て、その損を覚えず。

中傷したり悪口を言う連中は、ちぎれ雲が太陽を一時おおい隠すようなもので、やがては真実がひとりでに明らかになるものである。
だが、こびへつらう手合いは、すきま風が膚を冷えさせ風邪をひくようなもので、いつとはなしにわが身を損なわせるものである。
讒夫毀士(ザンプキシ)は放置してよい。
媚子阿人(ビシアジン)は麻薬のように己の体を蝕む。

「論語に学ぶ会・早川塾」様より参考にさせていただきました。
http://www.niigata-ogawaya.co.jp/rongo3/s-192.htm





どうやら媚子阿人の方が質が悪いようです。
讒夫毀士は一人称で、媚子阿人は隠れて自分を表に出しませんからね。


漢字を勉強するようになってから気付いたことがあります。
それは、「そしる」とか「へつらう」とか「おもねる」、「こびる」という言葉がやけに多く出てくること。
中国の人はそんな ”邪な” 気持ちを忌み嫌っていたからなのでしょうか。
それにしても同じ読みと同じ意味でたくさんの種類の漢字がありますが、TPOによって使い分けはあるのだろうか。

結構ダブって出てる漢字もありますね。
甲骨文・象形文字から成り立った漢字です。
あまり良い意味ではない漢字には、何となく厭な感じが漂っていると思いませんか。笑



そしる
 非る
 誹る
 毀る
 謗る
 讒る
 誚る
 誣る
 貶る
 譏る



へつらう
 諂う
 佞う
 諛う
 讒う



おもねる
 阿る
 佞る
 諂る



こびる
 媚る
 諂る




世の中には、誹謗中傷する者や自分より上の者にへつらい、日和見する輩はたくさんいます。
それは社会の縮図であるネットの世界では、匿名性がある分より顕著なのかもしれません。
特に強者に対し「媚びへつらう」ことは大人の社会ではもちろんのこと、
子供の間でもそのような自己防衛的な気持ちは自然と生まれてくるものです。
明治生まれの祖父はその辺りをしっかりと諫め戒め叱ってくれました。
いえ、世間一般・近所が協力して子供を育ててくれていたと思います。

今、団塊の世代の子供が親になっている年代です。
もう少し恐いオヤジがいても私はいいと思います。



良い香りを放ちます。

2011-04-09 13:20:12 | ◇1級:読み(熟字訓・当て字)
 
騎士の鞭 ふれてこぼるゝ ライラック
スコット沼蘋女






ライラック、リラ
紫丁香花



和名は紫丁香花(むらさきはしどい)

 英語では、ライラック(Lilac)
 仏語では、リラ(Lilas)


札幌市の花はライラック。
毎年5月下旬から「さっぽろライラックまつり」も開催されています。
もともとはヨーロッパが原産なので、ライラックよりリラの方が正解のような気がする。


ところで北海道には「リラ冷え」という美しい言葉があるのをご存知ですか。
ライラックの花が咲き誇る5月下旬にオホーツク海高気圧の影響で急に冷え込む日のことです。
本州の「花冷え」と同じような意味合いだと思います。
作家の渡辺淳一さんが「リラ冷えの街」を書いてから一気に全国に広がったそうです。
わたしも最近まで全国区の言葉だと信じていたのですが、本州の方はご存知ない方が多いようですね。
というか、ヨーロッパ生まれの言葉だと思っていました。笑




全国各地よりやっと桜の便りが聞かれるようになってきましたが、
ここ北の大地では、ソメイヨシノが5月上旬頃から見ごろとなります。
そして桜が散るといよいよライラックの花が咲き始めます。


もうすぐ札幌にも遅くて短い春が訪れます。






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heyqlowさん、よろしくね。