巧笑 倩 たり 美目盼たり。
セン、セイ
うつく(しい)、むこ、やと(う)、つらつら
倩
【解字】形声。人+。音符の(青)は、澄み切っていてすがすがしい意味。うつくしく、すがすがしい人の意味を表す。
- うるわしい。うつくしい。また口もとの愛らしいさま。また、愛らしく笑うさま。
- 男性の字(あざな)にそえる美称。
- むこ(婿)。
- やとう。またやとい人。
- つらつら。つくづく。
【出典】
『論語』 子夏問曰。巧笑倩兮。美目盼兮。
【意味】
笑う口もと愛らしく、目もとぱっちり美しい。
ちなみに「盼」(ハン)は、目の黒白がはっきりしていて美しいこと。
『詩経』衛風の「碩人」にも、
手如柔荑、膚如凝脂、領如蝤蠐、歯如瓠犀、螓首蛾眉、巧笑倩兮、美目盻兮
漢語百題(岸田知子)
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~asuda/kishida/kango100-2.html#88
ここにも蛾眉という言葉が出てきました。
以前、準1級の四字熟語で紹介したことがある「宛転蛾眉」を知っていますか。
中国では、美人を形容する言葉によく「蛾眉」が出てきます。
蛾の触角のような三日月形の細い眉のことです。
日本では蛾というと、あの燐粉を撒き散らす忌み嫌われている蝶ですが、国が違えば全く逆に捉えられているんですね。
また、ここで「螓首蛾眉」とありますが、
「螓首」(シンシュ)とはなつぜみのように、ひたいが広く四角で、美人のひたいの形容に用いる。
中国の方は結構「虫系」の形容を好んでいたのかもしれません。