漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

お医者さまでもわかるまい。:豎

2010-01-21 22:21:26 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・ニジュ( 二豎 )に冒される

   病気・病魔におかされる。竪=竪子=子供。晋の景公が病気になったとき、病気の神が二人の童子の姿となって現れる夢を見たことから。



標準字体許容字体読み
ジュ
た(つ)
たて
こども
こもの



【解字】形声文字。臤+豆。臤は、しっかりするの意味。音符の豆は、たかつきの象形で、立てるの意味。しっかり立てるの意味を表す。また、たかつきは頭の部分が大きく、それが幼児と似ているところから、子供の意味に用いる。


  1. た-つ。立てる。しっかり立てる。
  2. たて(縦)。
  3. こども、わらわ。
  4. いやしい(卑)。下品。
  5. したやく。こもの。小役人。
  6. みじかい。小さい。
    <新漢語林より>




”冒される”とあるので、おおよそ病気のことだとは見当はつきました。
でも、「二豎」なんて病気聞いたことないし、豆がついているので天然痘のことかと思いました。 わは。
二豎=病気 のことだなんて、この諺を知っていないと絶対に分かり得ないこと。

「豎」という漢字も、この諺と運命を共にしていると思う。
私も漢検を勉強していなかったら、この字とは出会うことはなかった。

今後の社会生活においても書くことはないと思うし、お目に掛かることもないような気がします。


この字にあまり良いイメージはない。:曝

2010-01-20 22:30:04 | ◆準1級:読み(熟語読み)
 
 ・曝書(ばくしょ

 ・曝(さら)す


   【曝書】本を外気にさらすこと。古来からの資料保存対策のひとつ。古い図書館では蔵書点検(棚卸し)のこと。



バク
ホク
さら(す)(ける)

さらば(える)



【解字】形声文字。日+暴。音符の暴は、さらすの意味で曝の原字。


  1. さら-す。日にさらす。日にさらしてかわかす。
  2. あば-く。隠されたものを明るみに出す。恥をさらす。
    <新漢語林より>



読むことは割り合い簡単だと思います。引っ掛かるところといえば、「曝書」がどういう意味かわからないこと。
この言葉も、図書館関連の業務に携わっている方か、漢検受検者しか知らないと思います。
空調が完備されている図書館において、現在は”棚卸し”の意味にしか使われていないでしょうね。

でも、「曝」から思い浮かべるのは「曝露」「被曝」という放射能を浴びるという言葉なのかな。



----訓読み----

 ・痩せ 曝( さらば )えた犬が道を横切った。





実はこちらが本題。笑

この訓読みは難しいと思います。
だって、「サラバエル」って何なのか分からないでしょう。普通の人は。

やはり、漢字を覚えるのではなく、日本語を勉強するのだとつくづく感じます。


大阪の人は読めるし書けます。:箕

2010-01-19 22:55:33 | ◆準1級:書き(故事・成語・諺)
 

 ・升で量って 箕()でこぼす

   収穫のときには一升二升と枡で量っていたものを、箕で一度にどっとこぼしてしまう。 苦労して少しずつためたものを無駄に使ってしまうたとえ。






ちりとり




【解字】形声文字。竹+其。


  1. み。穀物にまじっているちりとりやからなどあおり出す道具。
  2. ちりとり。
    <新漢語林より>




この諺、好きです。

なんだか普段、自分がやってることを言われてるようで。


今ではあまり目にする機会も少なくなりましたが、私は農家の息子なので「箕」は身近な存在でした。
いつも納屋にあって、小豆などの豆類を運ぶのに使っていたと思います。
本来の機能である、塵や穀を取り除く用途に私は使ったことがありませんでしたが。


今どきの子に、

 「 ちょっと、箕を持ってきて 」

と言っても首をかしげてしまうのでしょうね。







↓わたし使ってました。笑




なんだか不公平な気がします。:漑

2010-01-18 23:15:23 | ◆準1級:書き(書き取り)
 
 ・旱魃で カンガイ( 灌漑 )用水が足りない。





標準字体許容字体読み
カン
そそ(ぐ)
なしカイ
ガイ
そそ(ぐ)
すす(ぐ)



旱魃(かんばつ)も読めない人は、わたしも含め大多数でしょう。笑

でも、今日のお題はそちらではありません。




 の字に、許容字体がないのが解せないのです。

 +  を許容してもいいと思いません?



だって、

 =  + 


だって、、

 =  + 



だって、、、

 = (卯-卩) + 
          ↑うまく表せない。。


これらに許容字体があるのにです。

すごく不思議に思います。


側道? 傍道? 蕎麦道?:岨

2010-01-17 17:00:06 | ◆準1級:書き(書き取り)
 
 ・ソバミチ( 岨 道 )を歩いて隣県に入った。




----こちらは、熟語と一字訓の読み

 ・険岨(けんそ

 ・岨(そばだ)つ




そば
そばだ(つ)




【解字】形声文字。山+且。音符の且(ショ)は、積み重なるの意味。上に土の積もった岩山の意味を表す。


  1. いしやま。頂に土をかぶっている石山。
  2. そばだつ。けわしい。
  3. そわ(そは)。そば。山の険しい所。がけ。
  4. けわしい。山のけわしいさま。
    <新漢語林より>


【険岨】
 1.道が険しいこと。けわしい所。
 2.顔つき・性格などがとげとげしいこと。




日本の隅々まで道路が整備されどこへでも車で移動できるようになった現在において、「岨道」は死語になってしまった感があります。修験者やお遍路さん、登山者くらいしか「岨道」を通ることはないと思います。「岨つ」という言葉だって日常生活においてほとんど耳にすることはなく、もはや小説の域ではないでしょうか。


ちなみに、

「側」は7級で、「傍」は4級で、「蕎麦」は準1級で出てくるみたいです。




ところで、次の字をなんて読むかわかりますか。

 ・峙つ
 ・聳つ
 ・屹つ
 ・崛つ
 ・仄つ





そう、そのマサカです。笑 確認はこちら ⇒ 漢字辞典ネット

全て一級で出てくる漢字みたいです。

一体、どう使い分けているのでしょう。


一級の恐ろしさを垣間見たような気がします。


バカ殿ご愛用の・・・ :脇息

2010-01-16 21:11:23 | ◆準1級:見たことも聞いたことも
 

 ・脇息(きょうそく)で体を支えて座る。



この熟語に関してはすんなり読めました。
というか、間違えようがありませんね。
もちろん書けると思います。

でも、文章から推測して実物はなんとなく分かるような気がするんですが、、





 ↓ご存知でしたか。



お城でバカ殿がよく使ってるアレです、アレ。

家来を前に、体を崩し右手に扇子を持ち、左肘を脇息において寛いでいる時に使っていますね。



凧が倒れてる?(違 :匝

2010-01-15 22:52:11 | ◆準1級:日本語は美しい
 

 ・周匝(しゅうそう

 ・匝(めぐ



標準字体許容字体読み
ソウ
めぐ(る)




【解字】指示文字。篆文は、ゆくの意味を表す之の字形をさかさまにして、進みゆかない意味を示す。音形上では習・襲などに通じ、同じ所や時をくりかえし踏む、めぐるの意味を表す。

  1. めぐ-る。めぐらす。また、めぐ-り。
  2. あまねし。ゆきわたる。
    <新漢語林より>


【周匝】
 1.まわりをとりまくこと。また、そのまわり。めぐり。
 2.すみずみまでゆきわたること。周到。

【匝る】
 1.めぐ-る。一巡して帰る。



この字も見たことがありませんでした。

「之(すすむ)」という字をさかさまにし ”否定形”にするとはなかなか洒落ています。
進まないでグルグル周るイメージを思い浮かべます。

仏教から出てきた言葉でしょうか。(自信がありませんが)
こういう記事(Wiki)を見つけたからです。
栄螺堂(さざえどう)は、江戸時代後期の特異な建築様式の仏堂である。堂内は回廊となっており、順路に沿って三十三観音や百観音などが配置され堂内を進むだけで巡礼が叶うような構造となっている。仏教の礼法である右繞三匝(うにょうさんぞう)に基づいて、右回りに三回匝る(めぐる)ことで参拝できるようになっていることから、本来は三匝堂(さんそうどう)というが、螺旋構造や外観がサザエに似ていることから通称で「栄螺堂」、「サザエ堂」などと呼ばれる。



ゴホン? コホン?:咳

2010-01-14 21:32:03 | ◆準1級:日本語は美しい
 

 ・咳気(がいき or がいけ

 ・咳(しわぶ or せ



カイ
ガイ
せき・せ(く)
しわぶき・しわぶ(く)




【解字】形声文字。口+亥。音符の亥(ガイ)は、せきをする声の擬声語。また古字は孩に作り、赤ん坊が笑う声の擬声語。

  1. せき。せ-く。しわぶき。せきをする。
    <新漢語林より>



【咳気(がいき)】
 1.せきをすること。
 2.せきの出る症状。風邪。

【咳く(しわぶ-く)】(しはぶ-く)
 1.せきをする。[季]冬。
 2.わざとせきをする。せきばらいをする。



鎌倉時代の歌集、建礼門院右京大夫集(宰相中将の思い出)の歌に次のような文面があります。

 うちしはぶかせ給はば


合図の咳払いをするという意味があるそうです。
意図的に咳をするニュアンスが強いようですね。



どうやら、、


 ”しはぶく”の

   しは ⇒ 喉とか舌または唇

   ぶく ⇒ 吹く


 が正解のようです。


出典は ⇒ オメメのブログ


まさにどろぬま?:泥

2010-01-13 21:08:46 | ◆準1級:日本語は美しい
 
 ・暮れ 泥(なずむ空を眺める。


デイ
どろ
なず(む)




【解字】形声文字。氵(水)+尼。音符の尼は、二人がなじむの意味。ねばりつくどろの意味を表す。

  1. どろ。ひじ。
    ・ぬかるみ。
    ・けがす。にごす。また、けがれる。
    ・どろ状のもの。
    ・南海に住むという、伝説的な一種の虫。骨がなく、ぐにゃぐにゃしているという。
  2. なずむ。とどこおる。
  3. くろむ。黒くなる。
    <新漢語林より>




海援隊を思い浮かべた人はわたしと同年代。

でも、”なずむ”は ”暮れなずむ” しかわかりません。

では、”なずむ”って何なんだろう。

音で聞いた限りでは、なんか哀愁のあるいい言葉だと思っていたけど、「泥」という字があてられているなら、泥のように澱んだ感じなのでしょうか。



♪暮れなずむ町の 光と影の中~♪ みなさんご存知、海援隊の歌ですね。この「暮れなずむ」とは、どんな光景なのでしょう。実は、日が暮れそうでなかなか暮れないでいる状態のことを表しているのです。つまり、あくまでも“まだ暮れていない”のです。これを「日が暮れた」ことと勘違いして、『すっかり暮れなずんでしまった』、『暮れなずむまで待った』というのは間違いなのです。聞き慣れない「なずむ」という言葉が、意味を分かりにくくしているかもしれませんね。「なずむ」は、古くは古事記や万葉集にも出てくる言葉で、「はかばかしく進まないこと」を表します。漢字で「泥む」と書くのです。泥がぬかるんで前進できない状態から、物事が滞ることを表現しています。さて、「暮れなずむ」には暮れてきた夕方、夕焼けなど秋のイメージがあるかもしれませんが、実は日足の長い春にぴったりの言葉です。秋の日はつるべ落としといいますから、暮れるまでの時間が長い春の方が適しています。 “暮れなずむ春の空”・・・美しい言葉ですよね。
NHK気になる言葉




 納得です。



櫛風沐雨は風流ではない。:櫛

2010-01-12 22:21:45 | ◆準1級:日本語は美しい
 
 ・雨にかみあらい 風に櫛(くしけず る

   《「荘子」天下の「甚雨(じんう)に沐い、疾風に櫛り、万国を置(た)てたり」から》雨や風に身をさらす意で、苦労することのたとえ。櫛風沐雨(しっぷうもくう)。
   櫛る⇒櫛(くし)で髪をとかすこと。くしけずること。




シツ
くし
くしけず(る)




【解字】形声文字。木+節(莭)。音符の節(セツ)は竹のふしの意味。節度よく並ぶ歯をもつ、くしの意味を表す。

  1. くし。髪の毛をすきとかす。
  2. くしけずる。
  3. ならぶ。重なり合ってならぶ。
    <新漢語林より>




なんて美しい言葉なのでしょう。
もちろん初めて耳にした言葉です。
今では竹の櫛を使う女性も少なくなってきたと思います。
皆、ブラシですもんね。笑


でもパソコンで、”くしけずる”と入力し変換すると、「梳る」だけが候補に出てきて、「櫛る」は出てきません。
じゃあ、”くし”と入力すると、「櫛」だけが出てきて、「梳」は出てきません。
動詞では「梳」、名詞では「櫛」という感じでしょうか。(IMEでは)


「梳」という字は、どうも常用外みたいなんですが、「櫛」は何者でしょう。
準1級のテキストと問題集には、”くしけずる”は「櫛る」しか正解にはありません。
しかも「梳」の字は、準1級には全く出てきていません。

まあ試験は、読みの問題なので 「櫛る」⇒くしけず・る しかありえないのですが。
何だかすっきり落ちません。

もし、書きの問題で くしけず・る なら、どっちが正解なんだろう、とか。。