漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

勝手な仮定

2011-10-31 19:27:06 | ◇1級:書き(故事・諺)
 
  シュウレン の臣あらんより寧ろ盗人あれ









【意 味】
過重な税の取立てをして民心を失う臣より、公の財物を盗みとって私腹をこやす臣の方がまだましである。治国の要は民心を収めることにあるということ。



レン
おさ(める)



【解字】形声。攵(攴)+僉。音符の僉(セン)は、多くの人が口を揃えて言うの意味。攴を付し、そろえさせる、おさめるの意味を表す。

  1. おさ-める。
    ・あつめとる。「苛斂」
    ・おさめいれる。しまう。かくす。
    ・ちぢめる。
    ・やめる。
    ・ひきしめる。「収斂」
  2. おさ-まる。
  3. 死者のなきがらをおさめる礼式。
    ・なきがらの衣を着替えさせるのを小斂、棺に入れるのを大斂という。
    ・なきがらを墓穴に葬る礼式。




 聚斂



一級の書き問題に於いて、「シュウレン」と音読する熟語は三つある。


①聚斂

 集め収める。
 重税を課して、厳しく取り立てる。


②収斂

 租税を取り立てる。
 農作物を取り入れる。収穫。
 物を集めおさめる。
 ひきしめる。収縮させる。
 まとめる。


③秋斂

 秋の取り入れ。
 秋に税として課した穀物を取り立てること。






「税を取り立てる」という意味は、三つの熟語に共通している。

諺の「シュウレンの臣あらん・・・・・」は、「聚斂」でないといけない。

「収斂」だけが ”収縮” するという意味を持つ。



以上により、

 「聚斂」という熟語は、故事・諺でしか出題されない。

  ”収縮” をKeyとした問題(語選択/対義語等)については「収斂」しかありえない。
  


と勝手に推測するが、如何なものであろう。皆さんにとっては常識かもしれませんが。。

(”収穫した穀物を収める ” 「秋斂」は今後出題される可能性はあるかもしれない)


また、読み問題については、全ての熟語が出題されても解答に迷うことはない。




ちなみに似たような熟語頻出問題で

「収攬 シュウラン」・・・人々の心を集めてとらえること。

「驟雨 シュウウ」 ・・・急に降り出してすぐにやんでしまう雨。にわか雨。


も参考までに記しておく。


--
ところで、みなさんが気になっているであろう検定結果については、残念ながら不合格となりました。
「本番は想像以上に手強かった」というのが正直な感想でしょうか。
目先の”合格”という人参に心を奪われ、過去問中心に潰していきましたが、
過去問全てをクリアしたとしても合格しえないことを身を以って確認することができました。
過去問+αがないと合格圏には達しません。
今後は勉強方法を見直し、少し時間が掛かりそうなことに取り組んでいこうと考えています。
「急がばまわれ」で頑張りたいと思います。決して諦めません。




--


あまり自由のない施設に収監され早くもひと月が過ぎようとしています。
入院前は緑だった街の樹々も今ではすっかり色付き、札幌にももうすぐ初雪が降ってくる季節になりました。
時々不安、恐怖に押しつぶされそうになりますが、希望を失うことなく時間を大切に使っていこうと思っています。






繰る

2011-10-22 15:03:33 | ◇1級:その他


1級受検者にとって本当に恥ずかしいことですが、先日念願の漢和辞典を購入しました。


 「小学館 新選漢和辞典 第8版 小林信明編」


値段も3,000円と使い方によっては、安い買い物かなと納得しております。
今までは20,000円以上もする電子辞書を使っていましたが、”引く”速さからいえば
電子辞書の方に分があるでしょう。
でも、漢和辞典には電子辞書にない利点が数多くあるのです。


電子辞書では音読み、訓読み、部首、総画数がわからないと、ペンでなぞって目的の字を探すのが一番簡単な方法でしょうか。
しかし漢和辞典は、読み・部首・画数がわからなければ目的の文字に辿りつくことは不可能です。
要するに”頭”を使うのです。



 ページを繰る


「繰る」というのは、指を動かすよってある程度に脳に活性化を与えていると思う。
電子辞書にはない、書籍独特の所作になります。


漢和辞典は部首毎の画数に拠って纏められています。
目的の文字に到達する前に前後にある漢字に思わず目が行ってしまいます。
そうです、「思い」が広がるのです。

お察しの通り電子書籍は、わたしは認めていません。
(漢検DSなんてもってのほかです!)
流行本・アニメ本を読むのには電子書籍で十分でしょうが。
本屋さんに行って何を買うわけでもなく、ぶらぶら見て歩くのが好き。
あの本を開いた時に感じる匂いを嗅ぐのが好きなのです。

アマゾン・キンドル等の電子書籍は、今後もある程度書店からシェアを奪うと思う。
でも、どこかで絶対頭打ちがくる。
本好きは絶対に電子書籍には移らないだろうし、ましてや贔屓の作家の本は電子書籍なんかで読みたくないと思うから。
電子メールのどんな素晴らしい文章より、少し拙くても丁寧に書いた直筆の手紙には絶対敵わないのと同じだと思う。

わたしは、ディジタルからアナログに逆行しているかもしれません。


漢和辞典、本当に購入して良かったと思っています。
困ったことは「寄り道」が少し多くなったことでしょうか。笑


司馬遼太郎とか浅田次郎の小説を読むと、驚くほど1級の漢字が使われています。
(もちろんルビ振りですが)
最近は、気持ちが落ち着いてきたのでまた本を読み始めています。
取り敢えず、司馬さんの本をまた読みたいと思っています。


今日は外出許可を頂いて明日の準備をしております。


明日はベストを尽くします。


嘘つきかも。

2011-10-21 15:18:24 | ◇1級:その他
 
暫く記事更新が滞ってしまい申し訳ございません。

10月23日の検定が間近に迫ってきましたが、今回 受検できるかどうか微妙な環境下で過ごしており、この記事も不馴れな携帯電話からの投稿を余儀なくされています。


縦え受検することができたとしても合格する自信は全くありませんが、この日に標準を合わせ準備してきただけに少し残念に思います。


当日は這ってでも会場に向かう所存でありますが、ただ挑戦するだけに終わってしまいそうな気がします。


今まで応援していただいた方々、ご期待に応えることができず誠に申し訳ありませんでした。


次回受検できればと思います。


亜流

2011-10-01 21:25:43 | ◇1級:書き(書き取り)
 
  別に餅、麪などの ゼンシュウ をつくって宴酣の具にした。








シュウ
すす(める)、そなえもの、は(じる)、はずかし(める)、はじ、はずかし(め)



【解字】形声。羊+丑。音符の丑(チュウ)=(シュウ)は、手の象形。いけにえのすすめそなえるの意味を表す。借りて、はじるの意味をも表す。

  1. すす-める(すすむ)。
  2. 食事をさし上げる。
  3. さし上げる。たてまつる。
  4. 推薦する。
  5. おいしい食物。ごちそう。また、煮物。
  6. は-じる。は-ずかしめる(はづかしむ)。恥をかかせる。また、恥辱。はじ。




 膳羞 うまい食物。料理。ごちそう。




 月をも羞かしめ花をも閉ざしむ。

しゅうげつへいか


美人の形容である「羞月閉花」は、中国から伝わった四字熟語です。
ここでの ”羞” の字義は ”羞(ハズ)かしい” になります。


「羞」の字を引くと、どの辞典をみても最初に記載されているのは「すすめる」。
「ごちそうをすすめる」とか「いけにえを神に供える」とかである。
意外?なことに「はずかしい」は、最後に申し訳程度に記されています。

「羞」の字義は、羞恥、含羞にあるように「はずかしい」という意味しかわかりませんでした。
しかし、電子辞書(新漢語林)の解字で、「借りて、はじるの意味をも表す」という箇所が非常に気になった。
メインの意味だと思っていた「はじる」は、一番最後に曖昧に記され、しかも「借りて」とはどういう意味だろうと。




納得いかないので、図書館に行き白川先生に教えていただいた。






白川静【字統】

[左伝 襄十八年]「苟(モ)し捷(カ)ちて功あらば、神の羞を作(ナ)すこと無からん」と羞恥の儀に用いるが、それも神に対して恥を羞(スス)める意からの引伸義である。



なるほど納得です。

「羞恥の儀で神に恥を羞める」のが ”羞じる” の語源のようです。


<Wiki>
引申義とは、本義から引き伸ばされて、つまり派生してできた意味である。たとえば「長」の本義は長短の意味で距離的に「ながい」ことを表すが、引申されて長久の意味、時間的にながいことも意味するようになる。さらにそれは植物の生長の意味に引申され、さらに人間の成長を意味するようになり、長幼の区別を生じ、長老、首長へと引申されていったと考えられる。



また、【字通】では、

 羞悪・羞恥の意があり、醜の仮借義とする説もあるが、[左伝 襄十八年]「神の羞を為す」のように神に対して恥を羞める意であろう。



新漢語林に書かれていた、「借りて、はじるの意味をも表す」の”借りて”は、仮借義のことだろうと思われる。

<Wiki>
仮借義(かしゃぎ)とは、ある語を表すのに同音または音が近い字を借用することを仮借というが、字義のなかで仮借によってできたものをいう。たとえば「求」の本義は「かわごろも」であるが、「もとめる」の意味をもつ同音語に仮借された。やがて「もとめる」の方が基本義となってくると本義は「裘」という別に漢字を作られるようになった。





戦く。


準1級の字ですが、「おのの-く」ですね。

「たたか-う」と「おのの-く」が対極の意味であるのに驚いたことを今回彷彿させてくれました。