漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

最近、とんと聞かなくなりました。

2013-08-11 16:37:11 | ◇1級:書き(故事・諺)
 
煽てと もっこ には乗るな










ホン
ふご、もっこ



【解字】形声 田+弁。田は、ほとぎ・かごの象形。音符の弁は、かんむりの意味。かんむりのような形をした、ふご・もっこの意味を表す。

  1. ふご。
  2. もっこ。
  3. 藁や縄などで作った、土を運ぶ道具。











 人のおだてに乗って喜んでいると、あとでひどい目にあう恐れがあるから、甘い言葉には気をつけよといういましめ。


「もっこ」と言えば、縄・ロープなどで作った石を運ぶ道具を思い浮かべる。
佐渡に流された囚人が、金山で強制労働させられている図である。
写真は、北海道日本海側のニシン漁が盛んだった頃の写真であるが、
岸で待つ女性達が背負っているのも「もっこ」と言う。
舟からのにしんを背負って運ぶ役目である。

「もっこ」は、モチコ(持籠)の音便で、実際もっこで石を運んだことがある。
しかし、「ふご」は、初めて耳にした言葉だった。
広辞苑では、「釣った魚を入れる具。びく」とある。

納得いかないので、「ふご」の語源について図書館で調べてみた。

 ・フカゴ(深籠)の略
 ・フクミコ(含籠)の意
 ・ハルコ(春籠)の義
 ・フクレコ(胞籠)の義
 ・フコ(満籠)の義
 ・フコ フ 荷→ニナフの上略
     コ 籠→カゴ


どれもみな、正解のような気がします。笑


「ふご」を使っている熟語に「餌畚(エフゴ)」というのがありました。
 ①鷹の餌を入れる畚。えぶくろ。
 ②①の形から考案した茶器の称。餌畚茶入。








北海道余市に畚部「フゴッペ」という地名があります。
フゴッペ洞窟遺跡がありますが、難読地名の方が有名のようです。
北海道地名のほとんどは、アイヌ語地名を漢字で表記していますが、
アイヌ音を漢字の訓読にあてたところが難読地名が多い所以でしょうか。
ちなみのアイヌ語の「フゴッペ」の意味は、下記の2つの説があります。

①フム・コイ・ペ
 波の・音が高い・処

②フンキ・オ・ペ
 番人が・見張りする・処








勝手な仮定

2011-10-31 19:27:06 | ◇1級:書き(故事・諺)
 
  シュウレン の臣あらんより寧ろ盗人あれ









【意 味】
過重な税の取立てをして民心を失う臣より、公の財物を盗みとって私腹をこやす臣の方がまだましである。治国の要は民心を収めることにあるということ。



レン
おさ(める)



【解字】形声。攵(攴)+僉。音符の僉(セン)は、多くの人が口を揃えて言うの意味。攴を付し、そろえさせる、おさめるの意味を表す。

  1. おさ-める。
    ・あつめとる。「苛斂」
    ・おさめいれる。しまう。かくす。
    ・ちぢめる。
    ・やめる。
    ・ひきしめる。「収斂」
  2. おさ-まる。
  3. 死者のなきがらをおさめる礼式。
    ・なきがらの衣を着替えさせるのを小斂、棺に入れるのを大斂という。
    ・なきがらを墓穴に葬る礼式。




 聚斂



一級の書き問題に於いて、「シュウレン」と音読する熟語は三つある。


①聚斂

 集め収める。
 重税を課して、厳しく取り立てる。


②収斂

 租税を取り立てる。
 農作物を取り入れる。収穫。
 物を集めおさめる。
 ひきしめる。収縮させる。
 まとめる。


③秋斂

 秋の取り入れ。
 秋に税として課した穀物を取り立てること。






「税を取り立てる」という意味は、三つの熟語に共通している。

諺の「シュウレンの臣あらん・・・・・」は、「聚斂」でないといけない。

「収斂」だけが ”収縮” するという意味を持つ。



以上により、

 「聚斂」という熟語は、故事・諺でしか出題されない。

  ”収縮” をKeyとした問題(語選択/対義語等)については「収斂」しかありえない。
  


と勝手に推測するが、如何なものであろう。皆さんにとっては常識かもしれませんが。。

(”収穫した穀物を収める ” 「秋斂」は今後出題される可能性はあるかもしれない)


また、読み問題については、全ての熟語が出題されても解答に迷うことはない。




ちなみに似たような熟語頻出問題で

「収攬 シュウラン」・・・人々の心を集めてとらえること。

「驟雨 シュウウ」 ・・・急に降り出してすぐにやんでしまう雨。にわか雨。


も参考までに記しておく。


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ところで、みなさんが気になっているであろう検定結果については、残念ながら不合格となりました。
「本番は想像以上に手強かった」というのが正直な感想でしょうか。
目先の”合格”という人参に心を奪われ、過去問中心に潰していきましたが、
過去問全てをクリアしたとしても合格しえないことを身を以って確認することができました。
過去問+αがないと合格圏には達しません。
今後は勉強方法を見直し、少し時間が掛かりそうなことに取り組んでいこうと考えています。
「急がばまわれ」で頑張りたいと思います。決して諦めません。




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あまり自由のない施設に収監され早くもひと月が過ぎようとしています。
入院前は緑だった街の樹々も今ではすっかり色付き、札幌にももうすぐ初雪が降ってくる季節になりました。
時々不安、恐怖に押しつぶされそうになりますが、希望を失うことなく時間を大切に使っていこうと思っています。






治療ついでに漢字のお勉強。

2011-09-05 18:22:21 | ◇1級:書き(故事・諺)
 
  薏苡 の謗りを受ける。



【意 味】無実の嫌疑をかけられること。

【故 事】
東漢の名将である馬援(伏波将軍とも呼ばれます)は率いている軍隊が南方国境に駐屯しました、多くの兵士が病に罹っています。現地民間では、薏苡を用いて、兵士の病を治療し、顕著な効果が得られました。馬援は南方国境地に起きた動乱を平定した後、幾つかの馬車に乗せた薏苡を持って凱旋しました。ところが、馬援が亡くなった後、朝廷に居る人に誣告されました(あの大量の明珠は、伏波があらゆる手を使って収奪したものです)。この事件は、朝野が冤罪と認識され、「薏苡之謗」と名付けられました。詩人―白居易の詩句:「薏苡讒憂馬伏波」があります。

引用元:国立北京中医薬大学日本校ブログ
    http://jbucm.exblog.jp/12917373/







薏苡よくい(ハト麦)

これは、絶対に故事・出典を理解していないと意味がわからないことです。
 『ハト麦の謗り』ではまるで意味が通りませんからね。
なるほど「濡れ衣」「冤罪」と同じ意味のようです。






 先日、持病の頸の痛みが悪化し我慢できず整形外科で診てもらった。
受診前に記入する問診票の、「痛む部位」に ”頸椎、右肩” と書いたが、
後で考えると少し厭味だったかもしれない。
普通に ”首” と書けばよかったかなと。



先生の診断では、頸椎ヘルニアだと思うがはっきりと原因はわからず。

取り敢えず、リハビリを受けることにした。

 1.患部を温める(温熱療法)
 2.電気による低周波(電気療法)
 3.機械マッサージ(ウォータベット)


全てが終わった1時間後、


先生:『どうでした?』

 私:『イヤ、あんまり変わらないです。』

先生:『そうでしょうね。1回では変わりませんよ。』

 私:『・・・・そうですね、暫く通ってみます。。』
  (きっと効いたと言ったら、そうでしょう!と答えたと思う。。)

先生:『それでは、漢方も出しておきますね。』


で、処方されたのが、





「薏苡仁湯」ヨクイニントウ

【効能】はれ・痛みのはげしい関節痛、筋肉痛を解消する。

【成分】・ヨクイニン(薏苡仁)---ハトムギの種皮を除いた種子。
    ・ソウジュツ(蒼朮)---おけら
    ・トウキ(当帰)
    ・マオウ(麻黄)
    ・ケイヒ(桂皮)
    ・シャクヤク(芍薬)
    ・カンゾウ(甘草)



漢検でお馴染みの薏苡の他にも蒼朮ソウジュツ(おけら)も見つけました。


また看護士より、

 『我慢できない痛みのときに飲んでくださいね。』


と手渡されたのがこれ。



疼痛時トウツウジ

 うずくような痛み。ずきずきする痛み。



疼くような痛みって、何だか痒いような気がする。
ズキズキするなら何となくわかるけど。。



漢字を勉強していると、どんな場所ででも難しい漢字に出遭うとすぐ反応してしまうのは悪い癖です(苦笑)