漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

部長、今度の案件は ”もやい” でいきましょう。

2011-05-30 18:21:05 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 漁船を岸に う。






ホウ
ふね。もやいぶね。もや(う)



【解字】形声。舟+方。音符の方ホウは、並ぶの意味。並べてつないだ舟の意味を表す。

  1. ふね。また、いかだ。
  2. もやい(もやひ)。もやいぶね。二つ並べてたがいにつなぎ合わせた舟。「舫舟」「舫船」
  3. のぞく。とりさる。




舫う

 ・船と船とを繋ぎ合わせる。
 ・船を岸の杭などに繋ぎ止める。


英語では、

  fasten(繋ぐ)
  work together,share(共有)



漁師やヨットマンの間ではまだまだ生きている言葉のようです。
船・ヨットを波止場(ハーバー)に繫ぎ止めること。


語源は、「もやい=寄り合う」から来ている。


船をつなぐのは【舫】、
労力の共同や利益のことは【催合・最合】と記す。
催合は結(ゆい)、手伝などの共同慣行中最も共同性が強く、
労働の共同のみならず生産手段の共有をも含む。

もやい⇒共同で仕事をする。

モヤイ船・・・・・共同出資して船を造り共同出漁する。
モヤイ網・・・・・地引網を経営し漁獲物を分配する。 
モヤイ狩・・・・・共同で狩りに出て獲物を平等分配する。 
モヤイ風呂・・・何軒かの家で風呂桶を共同する。 
モヤイ田・・・・・共同で田を所有、耕作する。 
モヤイ山・・・・・共有林。 




わたしの実家は農家です。
小さい頃、他の家の農作業を手伝って労賃を得ることを大人が「出面デメン」と言っているのをしょっちゅう耳にしていた。
ここには詳しく記しませんが、ググるとどうやら土木用語のようです。
わたしも高校生の頃アルバイトで他農家の農作業や土方をして「出面賃」を稼いでいました。


「もやい」から何となく「でめん」を連想してしまいました。
共同、助け合うということが似ているようなので。





これはこれは、お懐かしい。

2011-05-20 21:37:48 | ◇1級:書き(四字熟語)
 
ちんりゅうそうせき



【意 味】強情で負け惜しみの強いこと。
     また、うまくこじつけて言い逃れをすること。

【補 説】「流れに枕し石に漱ぐ」と読む。
     「漱石枕流」ともいう。
     夏目漱石の雅号「漱石」はこの語からとった。

【故 事】西晋の孫楚が隠遁を望み「石に枕し流れに漱ぐような自然の暮らしがしたい」
     と言うべきところを「石に漱ぎ流れに枕す」といい誤った。
     そんなことはできないといわれて孫楚は、「石に漱ぐのは歯を磨くため、
     流れに枕するのは耳を洗うためだ」といいはって、誤りを認めなかったことから。



漱石の雅号の由来だとは知りませんでした。
本人が頑固者、偏屈者だったのか、はたまたこの語が気に入ったかどうかはわかりません。
ちなみに




 本名:金之助
 戒名:文献院古道漱石居士

だそうです。





そしてもう一人、この方にもお逢いしました。

【類義語】
 下記より選択し、漢字で記せ。

 散策 ≒ ??


 ┌─────────────────────────┐
 │たくぼく、しょうよう、きょうか、おうがい、とうそん│
 └─────────────────────────┘









 逍遥  しょうよう

 気の向くままにあちこちをぶらぶら歩くこと。そぞろ歩き。散歩。

  逍=さまよう、ぶらつく。
  遥=ゆらゆら歩く、そぞろ歩く。



そうですね、坪内逍遥です。

出典は、荘子の「逍遥遊」です。

 ”何ものにもとらわれない自由気ままな境地に遊ぶ”




 本名:勇蔵
 戒名:雙柿院始終逍遥居士



漢字を通じ懐かしい人に出逢えるのも、素敵だと思いませんか。




ウール100%

2011-05-19 19:45:41 | ◇1級:読み(訓読み)
さっぽろ羊ヶ丘展望台

 
  を追う。







テイ
おひつじ



【解字】形声。羊+氐。音符の氐テイは、つのつきあうの意味。角つきあう羊、雄羊の意味を表す。

  1. おひつじ(をひつじ)。雄の羊。牡羊(ボヨウ)。また、三歳の羊。






おそらくですが、、

 訓読みでは、 羝  = おひつじ
 音読みでは、 羝羊 = テイヨウ

しかないと思います。


 おひつじ ⇒ 雄羊、牡羊(ボヨウ)


のことで羊さんを丁寧に言ったのではありません。
ちなみに星座のおひつじ座は「牡羊座」と書きます。



「羝」の出典は、


【易経】
 小人用壮、君子用罔。貞。羝羊触藩羸其角。

 小人は壮を用い、君子は用いること罔し、貞くすればし、羝羊の藩に触れ、其の角を羸しましむるがごとし。

 小人ほど勢いに乗じて妄進しようとする。君子は無をもってする。
 羝羊が角ふりたててひた走る果は、藩に引っかかって動きが取れないというようなことになる。



どうやらオスの羊の方がメスよりも ”やんちゃ” のようですね。
メスは、雌羊(めひつじ)または、牝羊(ヒンヨウ)ですが、オスみたく一文字で表す漢字はないようです。

写真のさっぽろ羊ヶ丘展望台は、札幌ドームの近くにありクラーク博士の銅像がある観光スポットです。
窓から放牧されている羊を見ながらジンギスカンを食することができるという北海道でも稀有なレストランです。


 「ママぁ、ひつじさんモコモコしててカワイイ! それにお肉もとってもおいしいネ!」


 「そ、そ、そうね、可愛いわねえ(汗)。。あなたが今食べてるジンギスカンは、、(あ゛ 」






---

羝(オヒツジ)のように、一文字で熟語を表す漢字が他にもあります。



 犢 (こうし)



そうです、舐犢之愛でご存知でしょう。(子供を溺愛すること)
牛を売るという字義になりますが、 ”こうし” なら「子牛」「仔牛」と書けばいいと思います。
でも、漢文・漢字を勉強しているのだから「犢」の字の訓読みも必要ですね。





痛烈に痛快に。

2011-05-15 09:12:05 | ◇1級:読み(熟語・音訓)
  
 ・ 諷刺

 ・ 諷る





フウ
そら(んじる)、ほの(めかす)、あてこす(る)




【解字】形声文字。言+風。音符の風は、かぜの意味。風に乗せて言うの意味から、そらんじる・ほのめかすの意味を表す。


  1. そらんじる。そらよみする。また、歌う。「諷詠」
  2. ほのめかす。遠まわしに言う。はっきり言わず、それとなく他の事にそえていう。あてこする。「諷刺」
  3. 現代表記では、[風]に書きかえることがある。「諷刺→風刺」




 諷刺(ふうし)
 諷(あてこす)る


”あてこする” とは、上手い表現ですね。

実は、諷刺画で真っ先に思い浮かべるのものがあります。

中学の社会科か高校の日本史かは定かでありませんが、三国干渉の有名な画はご存知かと思います。
日と清が朝鮮半島を釣り上げようとしているところを露が秘かに狙っている画です。

三国干渉とは、日清戦争当時、下関条約で日本領有となった遼東半島の清への返還を露が勧告したもの。
露は自分が朝鮮半島を欲しいのを隠し、仏と独とを後ろ盾に日本へ返還を迫ります。
漁夫の利を得ようとする露の狡猾な考えが一目瞭然ですね。

しかし諷刺画を描く方は本当に頭がいいと思います。
四コマ漫画は物語を「起承転結」で纏めますが、諷刺画は一枚で全てを表さないといけません。
別に四コマ漫画を貶している訳ではなく、黒鉄ヒロシさんや、はらたいらさんとか本当にすごいと思います。
訴えたいものを簡潔な言葉と絵で的確に表現することができる才能は特別なものなのでしょう。



他にも有名な諷刺画がありますね。
京都の高山寺にある鳥獣戯画です。
ウサギ・カエル・サルなどが擬人化して描かれたものです。
一度実際見てみたいと思っています。





そういえば擬人化の「擬」の読みは ”なぞらえる” ですね。
「擬」も「諷」も似たような意味になりますが、”あてこする” の方は毒がないとダメなのでしょう。








春はきぬ

2011-05-12 19:49:43 | ◇1級:書き(四字熟語)
 
しゅんかんりょうしょう



【意 味】春になって寒さがぶり返し、肌寒く感じられるさま。

【解 説】「春寒」は春になってぶりかえした寒さ。
     「料」は肌をなで触れる意。
     「峭」は厳しい意。



こんな四字熟語があったのですね。

札幌の桜開花宣言は5月7日。
その前日5月6日は「立夏」でした。
暦の上ではもうすでに「夏」になっているようですが、北海道ではGW中のほとんどの日が雨に祟られ、
特に「立夏」の日には平地で冷たい雨が降り、峠では雪模様になったようです。


確か昨年の春も全国的に記録的な寒さだったと記憶しています。
しかし夏になり、ご存知の通りこれまた記録的な猛暑に見舞われるわけですが、

 「今まで生きてきた中で ”一番寒い春” と ”一番暑い夏”」

を一年で経験するという貴重な体験をすることになりました。
さて、今年はどうなのでしょう。


写真は今朝撮ったものですが、札幌市を一望できる手稲山にはまだ残雪があり冷たい風が市内に吹き降ろします。
でも市内から1時間以内でスキー場に行けるのも札幌の魅力でしょう。
GWまでスキー滑走が可能ですが、まだストーブのお世話になりそうです。

やっぱり「日本は縦に長いんだな」を実感しています。





意符によって読み方が変わります。

2011-05-02 18:02:29 | ◇1級:読み(音読み)

 怠け者が 譫言 をほざく。







セン
たわごと、うわごと



【解字】形声。言+。音符の(セン)は、くどくど言うの意味。言を付し、ことばが多いの意味を表す。
  1. たわごと。うわごと。病気などで意識がはっきりしないときなどにいうとりとめのない言葉。「譫語」「譫言」
  2. 多言。おしゃべり。




一級の読みを学習していると何度も繰り返し間違えてしまう字がある。
もちろんわたしがうろ覚えなのははっきりしているが、原因がわからなかった。

 セン
 

どうやら音符の「セン」という読み方の呪縛から逃れられなかったみたい。
準1級までは、漢字の音符を読めば大体正解だったが、そう一筋縄でいかないところが1級の難しいところ。
意符によって音符の読み方が「セン」「エン」「タン」と変わるみたいです。






セ ンエ ンタ ン
瞻仰檐鈴惨憺
瞻望頽檐澹然
蟾宮簷溜恬澹
蟾兔茨簷擔(担)保
譫言  負擔(担)
譫妄  熊膽(胆)
贍賑  嘗膽(胆)
贍饒    
※1級配当表に掲載されていない字は除外しています。



ただし、 については、
「エン」だけではなく「タン」という読み方も存在します。
しかし現在、「檐」は「担」の新字体で表記されていますので、
1級の問題には 檐=「タン」は出題されないと思われます。


「セン」「エン」「タン」の読みかえについては、熟語で憶えるしかないのでしょうね。

この記事を書いたのも自分の頭を整理し、覚書というか備忘録として書いたのですから。