あべのハルカズＢＡＲ ７1ページ目 コンビニ平和

【７１ページ】




　平和新聞社の新規事業のコンビニエンスストア平和の

第一号店が大阪府和泉市の巨大ＳＣララポートの近くにオープンした。


　第一号店の店長は、平和新聞社の元記者で、定年後の雇用延長で

配属されている。


　レジのあるカウンターの後ろの壁には、額が二つ掲げられている。


　一つは、日本国憲法の前文から抜粋されたもの。

『日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な

理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に

信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に

除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。

われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、

平和のうちに生存する権利を有することを確認する。』


　もう一つの額は日本国憲法の第二章及び第九条であった。


　新規事業の目的は、活字離れによる新聞の発行部数減少による利益減の

カバーを図るためと、第九条を守る草の根運動のためであった。

コンビニエンスストア平和のレジ袋には、第九条が記載されていた。

コンビニ平和には、防犯カメラも特別警戒実施中のスッテカーも

なかった。







　それは、平和を愛する市民の公正と信義を信頼したからであった。

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あべのハルカズＢＡＲ ７０ページ目 パイロットの技量は世界一

【７０ページ】



　さらに第九条の第２項の陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない

という部分ですが、領空侵犯の恐れがあるとして平成２４年度に航空自衛隊機が

スクランブル（緊急発進）した回数は何回だと思いますか？

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　実に５６７回あります！


　航空自衛隊機のパイロットの技量は世界一だそうです。

ロシア空軍では、航空自衛隊機に対して３対１で対応せよという指示が出ている

とのうわさです。２対１では負けると認めているのですね？


　アメリカ空軍との演習での空中戦では、１世代前の航空自衛隊機がアメリカ

の最新鋭機と互角以上の勝負をしたとのこと。


　このような最強の航空自衛隊機が、他国からの領空侵犯を防いでいるのです。


　第九条の第２項を繰り返し読んで、個人的に解釈すると、自衛隊は軍隊で、

憲法違反だと思うのです。


　しかし、もし航空自衛隊がなければ、他国からの領空侵犯の回数はもっと多くなり、

これを防ぐ手段がありません。


　日本国民は、『あいまいさ』を許せるので、自衛隊は軍隊ではないという解釈が

通っているのでしょう。


　本当は、彼らによって他国からの侵略の抑止力になっているのに、第九条が

日本の平和を守っていると考えている人もいるのですね？

あべのハルカズＢＡＲ ６９ページ目 国際平和の希求

【６９ページ】



　呪縛とは、まじないをかけて動けなくすることです。

心理的な強制によって、人の自由を束縛することになります。



　第九条を何度も何度も読み返しましたが、第九条の趣旨は

日本国民を平和にすることではないと感じてきました。


　日本国民は『正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し』

と書かれているように、国際平和を永久に願い、求め続けるように

戦勝国に呪縛をかけられてしまったのです。


　皆さんは、国際平和を希求していますか？

戦後一度も日本は戦争に巻き込まれなかったと日本の平和に

満足していると、憲法違反ですよ？　


　戦後一度も、世界で戦争が起こらなかったですか？

いや、今も世界のどこかで戦争が続いています。

日本国民は、国際平和を誠実に希求する努力不足と

いうことで、これも憲法違反になってしまう？


　こんなこと日本国民に求められても、できっこないよ。


　日本国民は、侵略戦争を放棄して、日本の防衛及び日本の平和を

守ると改憲したら？


　いや、これもできないように呪縛をかけられているのです。


　憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が

発議できるのですが、各議院というところがネックで、半永久的に

発議できないようになっているのです。

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あべのハルカズＢＡＲ ６８ページ目 第三話 呪縛の日本国憲法

【６８ページ】



　晴数は、ブログタイトル『ちょっよ怪奇なお話』の記事を更新した。

今回のテーマは「呪縛された日本国憲法のお話」である。

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最近、集団自衛権の行使について議論されていますよね？

そこで、私も第２章の第九条や前文について調べてみたのです。



　第二章　戦争の放棄

〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕


　日本国憲法の第二章を、何の先入観もなしに、白紙の状態で

読み、考えると、日本国民はとんでもない呪縛を戦勝国から

かけられてしまっていると、背筋が寒くなりました。


〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕・・・・憲法上は他国から侵略された

場合、日本の領土や国民を守る手段を取り上げられているのですよ！


第二章は、戦勝国が日本を平和な国にしてあげようと草案したものではなく、

侵略戦争はもちろん、自国を守る戦争も放棄させ、戦力や交戦権を否認

して、丸腰の国にするための呪縛だっだったのです。


　この第二章は、第九条のみで構成されていて、何度も読み返しました。


　第九条

１、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、

国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、

国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


２、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。

国の交戦権は、これを認めない。

あべのハルカズＢＡＲ ６７ページ目 悪龍飛び散る

【６７ページ】




「ちくしょう！俺の龍が消されている！」


　スプレー缶を持った男の一人が叫んだ！


「リーダー！　俺たちの落書きも消されている」


　彼らは、スプレー缶を使って、壁面に落書きを始めた。



　晴数を追って、四次元空間に悪龍が誘い込まれた。

そこで待っていたのは、５０ｍの大龍神であった。

５０ｍの大龍神に比べて、２０ｍの悪龍はまるで龍の

赤ちゃんのように見える。

悪龍は、体を反転させ、逃げようとしたが、大龍神に

首を噛みつかれ、体を振り回され、投げつけられた。

四次元空間から飛び出した悪龍は、空中で分解して、

スプレー液として飛び散った。


　飛び散る勢いはまるで滝のようで、壁面に向かって

落書きしていた男達に打ち当たり、彼らを壁面に打ちつけた。

激しく壁面に激突した彼らは、呻き声をあげながら、地面を

転がっている。

彼らの自慢のバイクは、スプレー液で汚され、地面や壁面の

一面にスプレー液が飛散していた。

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遠くから、パトカーのサイレンの音が聞こえて来た。

壁面の横を通ったトラックの運転手が、地面で苦しんで

いる男達を見て、警察に通報したのだ。